写真de俳句の結果発表

第68回「監視カメラに鵜」《ハシ坊と学ぼう!⑩》

ハシ坊 NEW

第68回「監視カメラに鵜」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

耳の日やばっくのなかの着信音

ひろこ

夏井いつき先生より
「ばっく」をカタカナにすれば人選です。
“難しい”

ばす停に吾待つ吾子や春北風

ひろこ

夏井いつき先生より 
「ばす」をカタカナにすれば人選です。
“ポイント”

性愛やいまだ川鵜の浮いて来ず

百瀬一兎

夏井いつき先生より
言葉には質量というものがあります。明るい暗い重い軽いなどの性質です。上五「性愛や」という大胆なチャレンジは良いのですが、中七下五が言葉の質量として釣り合っていません。「いまだ~浮いて来ず」がやや冗長かと。
“ポイント”

鉄塔に工員群がる黄金週間

肴 枝豆

夏井いつき先生より
「ゴールデンウィークに孫が遊びに来て、一緒に近くの観光船に乗りに行きました。その時、大きな鉄塔に何人もの作業員の方が、点検か何かしらの作業のため登られていました。聞くとゴールデンウィークで近くの工場がみなお休みのため、この機会に一斉に作業に当たっているということでした」と作者のコメント。

面白い取り合わせです。中七「群がる」という動詞のみ、一考の余地がありそうです。人選、目の前ですね。
“ポイント”

自販機に筍ならぶ百姓家

ゴルパパ

夏井いつき先生より
筍が並んでいる光景、面白いですね。これは筍が売られている「自販機」なのでしょうか? 「自販機」の前に並べられているのでしょうか?
“参った”

陰毛やわたしは朱夏の鳥だった

加里かり子

夏井いつき先生より
「お風呂場で(文字通り赤裸々だけど)、自分の陰毛が鵜の羽に思えました。『裸』の季語もある『夏』、さらにその子季語の『朱夏』を選び、色の印象を強めました」と作者のコメント。

思い切った上五です。「夏」の傍題である「朱夏」を選んだ意図には共感します。季語を主役にするという点から考えると、上五の言葉の質量のほうが強くて、バランスには問題があります。言葉には、明るい暗い重い軽いなどの質量があることを念頭において、全体のバランスを考慮してみましょう。
“ポイント”

付き添いの登校見やる寒鴉かな

雪のこだま

夏井いつき先生より
下五「かな」を外して、「寒鴉(かんがらす)」と読ませれば、人選です。
“ポイント”

言ひ募る吾を止めてくれなゐか鵜よ

のはらいちこ

夏井いつき先生より
「ない」の意味ならば、「ゐ」にはなりません。歴史的仮名遣いをつかいたいのならば、辞書を片手に常に確認する習慣をつけましょう。
“良き”

サングラス忘れた鵜にも衣装かな

空素(カラス)

夏井いつき先生より
「今月は難しいお題ですね~。カメラ撮影。馬子にも衣装というように、鵜にもカラフルな衣装をお召しいただきたかったな~」と作者のコメント。

鵜に衣装を着けさせる? という発想は一考の余地がありそうです。犬や猫などのペットとは違うので。
“ポイント”

淡々と木魚に揺れるビールかな

軽時計

夏井いつき先生より
どういう状況なのか……。想像が及びませんでした。
“参った”

給食は丸呑み惜春の刹那

福間薄緑

夏井いつき先生より
「給食は丸呑み惜春の」までは凄く良いです。「刹那」という言葉は一見カッコイイのですが、割とよく使われる凡人ワードです。ここをどう展開するか。工夫次第では人選以上になり得る句材です。
“ポイント”