写真de俳句の結果発表

*第68回「監視カメラに鵜」《ハシ坊と学ぼう!⑪》

ハシ坊 NEW

第68回「監視カメラに鵜」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

五分遅き安否メールや春愁

和田ひろし

夏井いつき先生より
「監視カメラから安否メールに発想を飛ばしました。実家に暮らす父から安否メールがくるよう、セコムと契約しています。毎朝七時に安否確認のボタンが契約端末に表示され、父がボタン操作をすると、操作結果メールが私のところに自動送信されるというシステムです。たまに遅れることがあり、わずか五分の遅れが気になる、メールがきても何となく気持ちが落ち着かないという心情を詠んでみました」と作者のコメント。

上五中七の内容に対して、下五の季語が少し近すぎます。つかず離れずの距離の季語を探してみましょう。歳時記をめくっていると、思いがけない出会いがありますよ。
“難しい”

泥かきやひしゃげたガードの先に鵜

にかちん

夏井いつき先生より
「泥かき」は被災した後の泥を掻き出す作業でしょうか? 「ガード」は、ガード下とかのガード? それともガードレール? 少し言葉を整理すると、良い句になりそうな予感がします。
“ポイント”

監視カメラ黙し佇つ鵜や斜陽受く

近平御坊

夏井いつき先生より
「初めて投句します。『黙し』を入れるか迷ったのですが、『佇つ』だけではカメラを意識していないニュアンスが弱いため、あえて『黙し』を添えて投句します……」と作者のコメント。

よく考えて言葉を選ぼうとされています。例えば、「監視カメラに黙する鵜」と書けば、「佇つ」と書かなくても佇んでいることは想像できるのではないでしょうか。
“良き”

夕映や鵜の影黒し烏帽子岩

うつゝかな

夏井いつき先生より
「鵜を見守る鵜匠が被る烏帽子からイメージを飛ばして、夕焼けの朱と黒との強烈なコントラストを詠みました」と作者のコメント。

〈夕映や/鵜の影黒し/烏帽子岩〉斜め線のところに意味の切れがあるため、三段切れになります。どちらか一カ所を繋ぎましょう
“ポイント”

枝くはへこぼし親烏と為るか

佐藤儒艮

夏井いつき先生より
「鵜→黒い→カラスが巣材を集めている様子を見ていたら、咥えてはこぼし、また別の枝を咥えて……まるで遊んでいるようだな、という連想です。初案は〈親烏枝くはへてはこぼしては〉ですが、これだと何処で何の為に、が不明かと。季語『鴉の子』の傍題の『親烏』が巣材集めをしている句は、季語の本意に合っているのか気になります」と作者のコメント。

初案の〈親烏枝くはへてはこぼしては〉で、巣材集めだと想像できます。推敲案は、「~と為るか」の部分に多少の理が匂います。よって、初案を推します。
“ポイント”

不忍の川鵜見がてりバンダ舎へ

ハルノ花柊

夏井いつき先生より
「見がてら」という意味でしょうか? 「バンダ」も変換ミスかな。
“難しい”

鵜は街に泣くや青空てふひにく

しみずこころ

夏井いつき先生より
「泣く」という擬人化、「ひにく」を平仮名にした点。この二つに関して、自問自答してみましょう。人選は目の前です。
“ポイント”

誤報アラーム警備駆け付け春の雷

松虫姫の村人

夏井いつき先生より
「職場のアラーム解除を失敗し、警備員が駆け付けてきてしまいました。丁度雨の日で、アラームと雷が近すぎるとも思ったのですが挑戦しました。何時でもハシ坊希望です」と作者のコメント。

アラーム解除を失敗したことと「春の雷」、近いといえば近いのですが、この二つを取り合わせることは可能です。むしろ「警備駆け付け」と顛末を書く必要はないのです。
“ポイント”

曇り空鵜の並びいる岩の陰

稲垣加代子

夏井いつき先生より
上五を「曇天や」とすれば、人選です。
“ポイント”

唐突にひかるセンサー蕪村の忌

天陽ゆう

夏井いつき先生より
季語は動きそうです。忌日の季語は、使い方が難しいですね。
“ポイント”