第68回「監視カメラに鵜」《ハシ坊と学ぼう!⑭》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
鵯の零し去りたる菊の花
直感勝負
夏井いつき先生より
「鵯の声がした後庭に出てみると、菊のプランターの周りに引きちぎられた花弁が散らかっています。 季重なりかと思いますが、菊に主役の焦点を当てたつもりです。この場合、季重なりが許されるのでしょうか?」と作者のコメント。
「菊」を主役にしたいのならば、もう少しメリハリがあるとよいですね。例えば、上五に「○○○○や」と、菊の花をおいて、中七下五を「鵯零し去りたるか」と。こうすれば、作者コメントにある「鵯の声がした後庭に出てみる」というニュアンスも想像できるようになります。
「鵯の声がした後庭に出てみると、菊のプランターの周りに引きちぎられた花弁が散らかっています。 季重なりかと思いますが、菊に主役の焦点を当てたつもりです。この場合、季重なりが許されるのでしょうか?」と作者のコメント。
「菊」を主役にしたいのならば、もう少しメリハリがあるとよいですね。例えば、上五に「○○○○や」と、菊の花をおいて、中七下五を「鵯零し去りたるか」と。こうすれば、作者コメントにある「鵯の声がした後庭に出てみる」というニュアンスも想像できるようになります。


追ひ越さぬ靴音重なる春の闇
帷子川ソラ
夏井いつき先生より
「追ひ越さぬ靴音」という描写はいいですね。リアルにその場面が再生されます。「重なる」は不要です。残りの音数で季語「春の闇」に対して言葉を添えてみましょう。
「追ひ越さぬ靴音」という描写はいいですね。リアルにその場面が再生されます。「重なる」は不要です。残りの音数で季語「春の闇」に対して言葉を添えてみましょう。


落雷や首振り止みし雨の門
那烏夜雲
夏井いつき先生より
「首振り止みし」とは、何が? 「雨の門」が首を振り止んだ……? 句意が読み解けません。
「首振り止みし」とは、何が? 「雨の門」が首を振り止んだ……? 句意が読み解けません。


甲板を鴎のひらり氷菓食む
有村自懐
夏井いつき先生より
助詞「を」と、鴎の様子である「ひらり」。この二語が適切に使われているのか。一考の余地はありそうです。
助詞「を」と、鴎の様子である「ひらり」。この二語が適切に使われているのか。一考の余地はありそうです。


あやまつて鳥交るや鉄の朋
小澤翔明
夏井いつき先生より
下五「鉄の朋」とは何を比喩しているのでしょう。この文字面だけでは、想像しにくいです。
下五「鉄の朋」とは何を比喩しているのでしょう。この文字面だけでは、想像しにくいです。


鵜飼火や孫の手繰れるゲーム画面
つのりゅう
夏井いつき先生より
「鵜匠と鵜と鮎を照らす幻想的な篝火の光と、孫が格闘ゲームをしているゲーム機の放つ現代的な光を取り合わせたつもりです。この下六はだめですか?」と作者のコメント。
下六うんぬんの問題ではなく、「鵜飼火や」という詠嘆に対して、中七下五がどう関係してくるのか? 孫は鵜飼いには興味がなくて、ゲームをしている……という場面を描いていると読めます。「幻想的な篝火の光と、孫が格闘ゲームをしているゲーム機の放つ現代的な光」が対比されている、と読ませるのは、多少強引すぎます。
「鵜匠と鵜と鮎を照らす幻想的な篝火の光と、孫が格闘ゲームをしているゲーム機の放つ現代的な光を取り合わせたつもりです。この下六はだめですか?」と作者のコメント。
下六うんぬんの問題ではなく、「鵜飼火や」という詠嘆に対して、中七下五がどう関係してくるのか? 孫は鵜飼いには興味がなくて、ゲームをしている……という場面を描いていると読めます。「幻想的な篝火の光と、孫が格闘ゲームをしているゲーム機の放つ現代的な光」が対比されている、と読ませるのは、多少強引すぎます。


夏の日にじっと動かぬ鴉かな
石津 さくら
夏井いつき先生より
「じっと」あるいは「動かぬ」どちらか一つで様子は伝わります。余った音数をどう使うか。「かな」という切字も不要となるケースもでてきます。
「じっと」あるいは「動かぬ」どちらか一つで様子は伝わります。余った音数をどう使うか。「かな」という切字も不要となるケースもでてきます。


監視中鵜の到来に旅を練る
桃華
夏井いつき先生より
下五「旅を練る」が、句意としてどう繋がっていくか。少々読みを迷います。
下五「旅を練る」が、句意としてどう繋がっていくか。少々読みを迷います。


荒海や岩肌染めし冬の虹
紫子
夏井いつき先生より
季語「冬の虹」や「虹」の光景を描く時に、動詞「染め」は非常によく使われる凡人ワード。染まったと書けば、楽ちんなんですが、ここが描写の工夫のしどころです。
季語「冬の虹」や「虹」の光景を描く時に、動詞「染め」は非常によく使われる凡人ワード。染まったと書けば、楽ちんなんですが、ここが描写の工夫のしどころです。


鵜の胸や事務所パニック暗闇に
永順
夏井いつき先生より
「鳩胸ならぬ真っ黒な鵜の胸。監視員は真っ暗になった画面にさぞ狼狽えているだろうかと……笑」と作者のコメント。
うーむ……この俳句の字面では、なぜパニックになっているのか(?)読み取りにくいかと。
「鳩胸ならぬ真っ黒な鵜の胸。監視員は真っ暗になった画面にさぞ狼狽えているだろうかと……笑」と作者のコメント。
うーむ……この俳句の字面では、なぜパニックになっているのか(?)読み取りにくいかと。



