第4回 俳句ラボ テーマ×季語で一句|ペットボトル×二百十日④
俳句ラボへようこそ
皆さんようこそ、俳句ラボへ。
各回に提示されるテーマと季語の発想をかけ算して俳句を生み出す研究所です。
組み合わせからどんな化学反応が起こるかは、あなた次第。
さぁ、実験を始めましょう。
第4回のお題
研究室のシャーレ
各分野からは外れるけど紹介しておきたい句のコーナー。
これはルール的にどうなのよ? とか今後の検討材料になりそうな素材を研究室のシャーレとして記録しておきます。
今回は惜しかったシリーズ+αです。
廃自販機の匿う水よにひやくとをか
犬の墓二百十日も花を挿す
うーん、助詞がもったいない!! 「も」じゃなくて「の」だったら間違いなく採用していましたねえ……。
「も」を選びたくなる作者の意図も推察はできるのです。亡くなった犬への愛情があるからこそ、亡くなった日から何日経っても、「二百十日も」、花を供えるのだ、と。その愛情は尊いものですが、俳句のテクニック上の話に限定すると、「も」の助詞ひとつによってせっかくの愛情が理屈・説明と捉えられてしまうのです。主役となるべき「二百十日」が並列の助詞「も」によって、他のあらゆる日と同列に扱われてしまい、主役としての力を失ってしまうわけですね。
一方、「二百十日の」とした場合は、特別なこの日に、というニュアンスが強くなります。「二百十日の花」とひとつながりのフレーズを形作ることで、秋には秋の頃の名もなき花を供える、素朴な愛情が表現できるのもポイント。

靴塚に二百十日の大雨や
「靴塚」って句材にはとても心を惹かれるのですが、下五の「や」が気になります。下五に「や」が置かれた場合、単純な詠嘆だけではなく反語のような独特のニュアンスが加わるので扱いがめっちゃくちゃ難しいんですよね。「大雨(おおあめ)」が四音だからなんとか五音に収めようとした結果なのかなあ?
下五を推敲したらきっと生き返るはず! がんば!!

いろはすや二百十日の水見式
これは惜しいとかじゃなくて単純に趣味枠。『HUNTER×HUNTER』、いいよね。念能力の系統を判別する「水見式」やってみてぇ~~~ってもう十何年思ってる。無色透明な味つきいろはすでやったらワンチャン変化系能力者ってことになんねえかな。

ということで、第4回俳句ラボはここまで。
さあ、次回はどんな輝きに出会えるでしょうか。来月もまたお会いいたしましょう。


被災後そのままにぼろっぼろになってる自販機あったりしますよねえ。「廃自販機」の存在感と「にひやくとをか」の取り合わせには強い魅力を感じているのですが、惜しむらくは仮名遣いのミス! 「匿う」は「匿ふ」になってたら間違いなく季語のフラスコに入れてたんだけどなあ……。動詞の選定も上手いだけに、つくづくもったいない……!