第71回「芒野と風車」《ハシ坊と学ぼう!⑥》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
芒野やのの字に影す風車かな
しょうへい
夏井いつき先生より
「や」「かな」と切れ字を二つ使うと、感動の焦点がブレるということで嫌われます。どちらか一つにする方向で、推敲してみましょう。
「や」「かな」と切れ字を二つ使うと、感動の焦点がブレるということで嫌われます。どちらか一つにする方向で、推敲してみましょう。


花すすき息子に譲る派手な服
ゆすらご
夏井いつき先生より
取り合わせる季語が、ベストなのかどうか。悩ましい。
取り合わせる季語が、ベストなのかどうか。悩ましい。


熟田津の盆東風古代なるかほり
空木花風
夏井いつき先生より
「熟田津の盆東風」という言葉があれば、そこには古代の香りがあります。後半は、書かずもがなの内容ではないかと。


しんがりを国語科担ひ山登り
青に桃々
夏井いつき先生より
「担ひ」は、文字通りの意味? 比喩? 読みを迷いました。


サスティナブル風に頷く芒の穂
あすか風
夏井いつき先生より
「サスティナブル」と取り合わせることで、テーマは率直になりますが、それを直接書かないで伝えるのが、俳句の骨法ではあります。


芒野の孤独を醸す風車群
まっちゃこ
夏井いつき先生より
「風車群の動きによって、芒野は生かされているんじゃないかなと考えました」と作者のコメント。
「風車群の動きによって、芒野は生かされているんじゃないか」という感じ方には、とても惹かれます。その発想が、中七「孤独を醸す」という書き方で伝わっているか。そこは、再考したい部分です。
「風車群の動きによって、芒野は生かされているんじゃないか」という感じ方には、とても惹かれます。その発想が、中七「孤独を醸す」という書き方で伝わっているか。そこは、再考したい部分です。


一本道仙石原に昼の月
稲垣加代子
夏井いつき先生より
中七下五のフレーズを良しとした時、上五は書かずもがなの情報。上五を「○○○○や」と、季語ではない名詞を詠嘆する型にチャレンジしてみてはいかが?


言ひなりと見せて鶫や風タービン
ペトロア
夏井いつき先生より
句材の取り合わせには魅力があります。下五「風タービン」という書き方が、寸詰まりな感じがします。
句材の取り合わせには魅力があります。下五「風タービン」という書き方が、寸詰まりな感じがします。


夏草を降ろす母の背飛びついて
びんごおもて
夏井いつき先生より
「第21回〈草刈りの母に抱きつく陽のにほひ〉を推敲しました」と作者のコメント。
季語を「夏草」にしたのは苦肉の策ではあります。歳時記の傍題には載ってないようですが、「刈草」とするのが、一句の内容にとって正確な言葉選びかもしれません。更に、後半を「~母の背へ飛びつく」とすれば、人選。どころか、地選に採って選評書きたいくらいです。
「第21回〈草刈りの母に抱きつく陽のにほひ〉を推敲しました」と作者のコメント。
季語を「夏草」にしたのは苦肉の策ではあります。歳時記の傍題には載ってないようですが、「刈草」とするのが、一句の内容にとって正確な言葉選びかもしれません。更に、後半を「~母の背へ飛びつく」とすれば、人選。どころか、地選に採って選評書きたいくらいです。


芒野に降り立つ青服風の谷
渋井キセ乃
夏井いつき先生より
「知る人ぞ知る『風の谷のナウシカ』の中のセリフからとりました。季語の『芒野』を使うか、セリフ通り『金色の野』を用いるか迷いました」と作者のコメント。
本歌取りというには……やや食い足りません。季語以外は、そのままをなぞったという感じです。
「知る人ぞ知る『風の谷のナウシカ』の中のセリフからとりました。季語の『芒野』を使うか、セリフ通り『金色の野』を用いるか迷いました」と作者のコメント。
本歌取りというには……やや食い足りません。季語以外は、そのままをなぞったという感じです。


芒原銀の波越え金の波
清白真冬
夏井いつき先生より
句としては出来ているのですが、似たような発想の句はありそうです。
句としては出来ているのですが、似たような発想の句はありそうです。


秋田来て風車に出逢う枯野かな
英曙
夏井いつき先生より
「秋田の岬に向かう途中で、多くの風車が立っていたのを思い出しました」と作者のコメント。
「秋田」は季語ではなく、地名なのですね? うーむ……この場合でしたら、その地名を入れるよりは、中七下五の内容をゆったりと十七音で描写するのが、得策かと。
「秋田の岬に向かう途中で、多くの風車が立っていたのを思い出しました」と作者のコメント。
「秋田」は季語ではなく、地名なのですね? うーむ……この場合でしたら、その地名を入れるよりは、中七下五の内容をゆったりと十七音で描写するのが、得策かと。


風車のまわる秋野の芒かな
km0916
夏井いつき先生より
「秋野」と「芒」という二つの季語を合体させていますが、この場合でしたら「芒野」とすれば、書きたい内容は入ってきます。
「秋野」と「芒」という二つの季語を合体させていますが、この場合でしたら「芒野」とすれば、書きたい内容は入ってきます。



