第72回「木の実のカーテン」《ハシ坊と学ぼう!⑨》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
駐車場にばら撒かれてるななかまど
桂月
夏井いつき先生より
上五の「に」が散文的な使い方。語順が逆かな。
添削例
ななかまどばら撒かれてる駐車場
上五の「に」が散文的な使い方。語順が逆かな。
添削例
ななかまどばら撒かれてる駐車場


葡萄棚グラスくゆらす指の皺
団塊のユキコ
夏井いつき先生より
「『グラスくゆらす』の表現が適切かどうか、苦しいところです」と作者のコメント。
葡萄棚の下で、お酒を飲んでいる? 最後に「指の皺」に焦点を絞ることが得なのか損なのか。少なくとも、主役であるべき「葡萄」が置き去りになっている感じもします。
「『グラスくゆらす』の表現が適切かどうか、苦しいところです」と作者のコメント。
葡萄棚の下で、お酒を飲んでいる? 最後に「指の皺」に焦点を絞ることが得なのか損なのか。少なくとも、主役であるべき「葡萄」が置き去りになっている感じもします。


二番目の鴉は皇子飯桐の実
山内彩月
夏井いつき先生より
取り合わせ、発想が面白いです。調べがもう少しなめらかにならないかなあ。語順を替えるか? 季語を替えるか? 二択かなあ。
取り合わせ、発想が面白いです。調べがもう少しなめらかにならないかなあ。語順を替えるか? 季語を替えるか? 二択かなあ。


熟れ過ぎの無花果一つ東野圭吾
光太郎
夏井いつき先生より
面白い取り合わせです。「一つ」は必要ですか?
面白い取り合わせです。「一つ」は必要ですか?


雷鳴やカーテン越しの不安顔
石川潤子
夏井いつき先生より
「雷鳴や」と詠嘆すれば、下五「不安顔」は説明の言葉です。俳句は、説明ではなく映像です。
「雷鳴や」と詠嘆すれば、下五「不安顔」は説明の言葉です。俳句は、説明ではなく映像です。


四阿や吊るしカーテン木の実かな
そうわ
夏井いつき先生より
「や」「かな」と切字が重なりました。どちらかを外して、推敲しましょう。
「や」「かな」と切字が重なりました。どちらかを外して、推敲しましょう。


セレブめく秋果のパルフェ銀の匙
あおい結月
夏井いつき先生より
「秋果のパルフェ銀の匙」に対して、「セレブめく」は安易な比喩です。中七下五でちょっと贅沢な気分は伝わりますので、上五を再考しましょう。どういう方向にもっていくかによって、一句の印象はさまざまに変わっていきます。
「秋果のパルフェ銀の匙」に対して、「セレブめく」は安易な比喩です。中七下五でちょっと贅沢な気分は伝わりますので、上五を再考しましょう。どういう方向にもっていくかによって、一句の印象はさまざまに変わっていきます。


赤い実は悪夢のかけら花鶏飛ぶ
ノセミコ
夏井いつき先生より
やろうとしていることは分かるのですが、「花鶏」が負けている感じもします。
やろうとしていることは分かるのですが、「花鶏」が負けている感じもします。


赤き実や社にこぼる小春かな
さち今宵
夏井いつき先生より
「や」「かな」と切字が重なりました。どちらかを外して、推敲してみましょう。
「や」「かな」と切字が重なりました。どちらかを外して、推敲してみましょう。


桜桃忌赤きドットのかぼちゃ柄
ヨシキ浜
夏井いつき先生より
「大好きな草間彌生さんが亡くなったのを悼んで。少し前にデパートの美術館で見た、赤いかぼちゃのドット柄が印象的でした。黄色と黒のかぼちゃが有名ですが、私には赤いかぼちゃが強く印象に残っています」と作者のコメント。
草間彌生さんを悼むという意図ならば、「桜桃忌」=太宰治の忌をもってくるのは、得策ではありません。
「大好きな草間彌生さんが亡くなったのを悼んで。少し前にデパートの美術館で見た、赤いかぼちゃのドット柄が印象的でした。黄色と黒のかぼちゃが有名ですが、私には赤いかぼちゃが強く印象に残っています」と作者のコメント。
草間彌生さんを悼むという意図ならば、「桜桃忌」=太宰治の忌をもってくるのは、得策ではありません。


日が当たる向きに吊るすや木の実かな
竜酔
夏井いつき先生より
「や」「かな」と切字が重なりました。どちらか一つを外して、推敲してみましょう。
「や」「かな」と切字が重なりました。どちらか一つを外して、推敲してみましょう。


漏れ日濃きいゝぎりの実の吊り飾り
麦のパパ
夏井いつき先生より
「きれいな『吊るし飾り』でしたので、韻を意識しました。ただ、リズムを良くするために、造語ともとれる『吊り飾り』としたことを良しとするかどうか……。勿論、場合によるとは存じますが、どうかご教示を〜!!」と作者のコメント。
一読、やはり「吊り飾り」は気になりました。「漏れ日」と同じくらいに。
「きれいな『吊るし飾り』でしたので、韻を意識しました。ただ、リズムを良くするために、造語ともとれる『吊り飾り』としたことを良しとするかどうか……。勿論、場合によるとは存じますが、どうかご教示を〜!!」と作者のコメント。
一読、やはり「吊り飾り」は気になりました。「漏れ日」と同じくらいに。


頑なに心を閉ざす胡桃かな
郡山まる
夏井いつき先生より
「なかなか割ることのできない胡桃の殻は、絶対に中身を取られまいとする胡桃の気持ちの表れなのではないかと思い、詠んでみました」と作者のコメント。
句としては、ひとまず出来ているのですが、「胡桃」に対して「頑なに心を閉ざす」の取り合わせは、それなりにあるかと。
「なかなか割ることのできない胡桃の殻は、絶対に中身を取られまいとする胡桃の気持ちの表れなのではないかと思い、詠んでみました」と作者のコメント。
句としては、ひとまず出来ているのですが、「胡桃」に対して「頑なに心を閉ざす」の取り合わせは、それなりにあるかと。


実南天ぐっと潰してボツを待つ
殻ひな
夏井いつき先生より
「noteで開催されている創作大賞の中間発表を待っていた時の心情を書きました。 9月上旬発表とあるのに、9月10日16時を過ぎても発表がなく、落ち着きません。 17万作も応募があったそうなので、期待しても仕方ないと思いつつ、期待して待っているところです。 南天の実は硬いですが、それを潰せるくらいの落ち着きのなさです」と作者のコメント。
そういう「ボツ」でしたか。ならば、「ボツを待つ」を先にすると、理解しやすいかと。
「noteで開催されている創作大賞の中間発表を待っていた時の心情を書きました。 9月上旬発表とあるのに、9月10日16時を過ぎても発表がなく、落ち着きません。 17万作も応募があったそうなので、期待しても仕方ないと思いつつ、期待して待っているところです。 南天の実は硬いですが、それを潰せるくらいの落ち着きのなさです」と作者のコメント。
そういう「ボツ」でしたか。ならば、「ボツを待つ」を先にすると、理解しやすいかと。



