写真de俳句の結果発表

第23回「カメラと夕焼け」《ハシ坊と学ぼう!⑧》

ハシ坊

第23回のお題「カメラと夕焼け」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

カラス鳴き鐘の音遠く秋夕焼

詠野孔球

夏井いつき先生より
「カラス」と「鐘の音」と「秋」は、ありがちな三点セット。どれか一つを、別なものに変えると、推敲への道が見えてくるはず。
“ポイント”

西日へと下校チャイムに背を押され

空 輝文

夏井いつき先生より
2021年の第11回のお題『江ノ島の夕日』で〈中三の夏よ下校のチャイム鳴る〉を投句したのですが、全く評価がなく、どこが悪いか1年考えていましたが、わからないまま今回の夕焼けで又、再挑戦してみました。私としては、中三の進路を含めたもやもやや、下校時間ギリギリまで友達といた、あの懐かしい日々を詠みたいのですが、どうにも上手くできなくてもどかしいです」と作者のコメント。

単純に比較すると、2021年の「中三の夏よ」のほうがよいです。ただし、「下校のチャイム」にこだわる気持ちは分かるのですが、後半を「下校のチャイム鳴る」にすると、どんな「中三の夏」であったのかというヒントが、読み手に手渡されないままなのです。
今回の《空 輝文》さんの投句の中に〈中三の三者面談夏夕焼け〉という句がありました。この「中三の三者面談」というフレーズであれば、取り合わせる季語によって、順調な面談なのか、もやもやした面談なのかが、表現できます。
ちなみに、そのフレーズに取り合わせていた「夏夕焼け」は季重なり。推敲してみましょう。
良き

いちごがおちてきそうボクは夕焼けがすき

琳青

夏井いつき先生より
「孫の言葉です。おしゃべり俳句ですね」と作者のコメント。

是非、▼YouTube「夏井いつき俳句チャンネル」のコメントの方に、書き込んで下さい。
“ポイント”

猫の背は首にカメラと扇風機

長山十詩

夏井いつき先生より
「初老のおじさんが猫背で歩いていて、見ると首にカメラをかけて扇風機をかけていました。意味はないですが、平和でいいなぁと思いました」と作者のコメント。

「猫の背」と「猫背」は意味が違います。推敲してみましょう。
良き

夕焼けに染まりし内海舟一艘

摩耶

夏井いつき先生より
「染まりし」は、ありがちな表現であり、不要な言葉でもあります。「夕焼の内海」と書けば、その情景は浮かびます。
“ポイント”

桃源郷映し出したり大夕焼

幸水

夏井いつき先生より
「大夕焼」のどんな様子に、「桃源郷」だと感じたのでしょうか。その映像を描写するのが、俳句なのです。あなたの眼球に映ったものを思い出してみましょう。
良き