写真de俳句の結果発表

第23回「カメラと夕焼け」《ハシ坊と学ぼう!⑦》

ハシ坊

第23回のお題「カメラと夕焼け」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

空腹の弟と待つ母西日より

阿南の菓子

夏井いつき先生より
語順に問題があります。

添削例
空腹の弟と母待つ西日
良き

茜さす垣間見しやは短夜に

旅女

夏井いつき先生より
「季重なりを使って、一瞬見えた浄土を表現、明易し夏の宵」と作者のコメント。

うーむ……何を垣間見たのでしょう。浄土を見た、というふうには読み取れないですねえ。
“難しい”

星飛びぬ連写の隙を突ひてなほ

ノセミコ

夏井いつき先生より
「突く」は、カ行ですよ。イ音便なら「突いて」。
“ポイント”

遺影抱く憂き目染めしや赤夕焼け

文雅

夏井いつき先生より
「母の葬儀。遺影を抱く自分の目に映った、真赤な夕焼けが潤む目を染めているようでした」と作者のコメント。

「遺影抱く」とあれば、その「目」に憂いがあることは言わずもがなでしょう。
さらに、「夕焼け」とあれば「赤」は不要。「染めし」も書かなくてもよい説明です。以上のヒントを参考に、推敲してみましょう。
良き

のうぜんはビリビリ揺れて空襲警報

ミンコフスキー

夏井いつき先生より
「のうぜん」を漢字で書いて、「ビリビリ」は平仮名で書いて、「は」「揺れて」を外すことを提案します。
“ポイント”

秋夕焼け海峡橋の七変化

嘉夫

夏井いつき先生より
「2021年の秋に、癌の治療で通う電車の中。見えてくる明石海峡大橋は夕日に照らされ、いろいろな景色に変わるのが素晴らしく、その情景を吟いました。明石海峡のふもとは、毎日カメラを構えた人たちで溢れています」と作者のコメント。

その「七変化」の様子の一つ一つを映像として切り取っていくのが、俳句です。
良き

夕焼け空絶頂の赤落ちるとき

あけのそら

夏井いつき先生より
「最初は『夏夕焼け……』と書いていましたが、これまでの《ハシ坊と学ぼう!》を読んで、『夏』を重ねて書くのは余計だと知り、変更させていただきました。今後はハシ坊の評価シリーズを確認し終わってから、再度推敲して提出するようにしようと思った次第です」と作者のコメント。

きちんと読んでくれてありがとう。ハシ坊でのアドバイスは、その句の作者だけのものではなく、参加者皆さんへのアドバイスや確認事項だったりします。同じアドバイスを何回も何回も書かなくてよいように、それぞれが心に留めてくれると嬉しいです。
さて、この句ですが、「空」が必要か、「赤」が必要かによって、推敲が変わってきます。どちらが大事か、自問自答してみましょう。
“ポイント”

大夕焼‐おほゆやけ‐神々‐かみがみ‐近き緋の色よ

滝澤 朱夏

夏井いつき先生より
俳句の途中に、読み仮名を入れる必要はありません。特殊な読み方の場合、不安に思うようでしたら、コメント欄にその旨を記してください。
良き