第23回「カメラと夕焼け」《ハシ坊と学ぼう！⑥》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
振り分ける夏の思い出茶封筒
宇久令々
夏井いつき先生より
「焼き増しして、一人ひとり茶封筒に写真を入れて、写真交換するのが面倒でもあり、楽しみでもありました。LINEで共有するのは便利だが、味気ないです」と作者のコメント。
俳句だけでは、「振り分ける夏の思い出」が写真であることが分かりません。ここに工夫の余地があります。
「焼き増しして、一人ひとり茶封筒に写真を入れて、写真交換するのが面倒でもあり、楽しみでもありました。LINEで共有するのは便利だが、味気ないです」と作者のコメント。
俳句だけでは、「振り分ける夏の思い出」が写真であることが分かりません。ここに工夫の余地があります。
悲しみのカタツムリ行く石畳み
康女
夏井いつき先生より
季語としての「カタツムリ」は、基本的には漢字で「蝸牛」、あるいは平仮名で「かたつむり」と書きます。
季語としての「カタツムリ」は、基本的には漢字で「蝸牛」、あるいは平仮名で「かたつむり」と書きます。
赤富士に染まりし雲の膨らみぬ
梅尾幸雪
夏井いつき先生より
「～に染まりし」と説明する必要はありません。一考してみましょう。
「～に染まりし」と説明する必要はありません。一考してみましょう。
西陽落つ未だつまる箇所♯D
紫黄
夏井いつき先生より
季語としては、「西陽」ではなく「西日」と書くべきでしょう。
季語としては、「西陽」ではなく「西日」と書くべきでしょう。
西の空明日は晴れかな大夕焼け
槇 まこと
夏井いつき先生より
「大夕焼け」は、「西の空」に広がるものです。上五の情報が重複していますね。推敲してみましょう。
「大夕焼け」は、「西の空」に広がるものです。上五の情報が重複していますね。推敲してみましょう。
光秀の首か？スイカを提げ帰る
踏轍
夏井いつき先生より
「？」は不要です。「か」の一語で意味は分かります。
「？」は不要です。「か」の一語で意味は分かります。
夕焼け空遠き山並あかね色
雅
夏井いつき先生より
「夕焼け」は「空」の現象ですし、「あかね色」ですから、「遠き山並」と書けば、その光景は自ずと浮かんできます。不要な言葉を外して、推敲してみましょう。
「夕焼け」は「空」の現象ですし、「あかね色」ですから、「遠き山並」と書けば、その光景は自ずと浮かんできます。不要な言葉を外して、推敲してみましょう。
サバンナの夕焼命のシルエット
木香
夏井いつき先生より
後半のフレーズは要一考。何の命なのか、どんなシルエットなのか。映像を描きましょう。
後半のフレーズは要一考。何の命なのか、どんなシルエットなのか。映像を描きましょう。
夕焼や検査結果のメール来ぬ
北欧小町
夏井いつき先生より
「『来ぬ＝こぬ』と読みます」と作者のコメント。
メールが来ない、という意味を書きたいのであれば、「来ず」と終止形で言い切る手もあります。「ず」は、打消の助動詞。終止形が「ず」、連体形が「ぬ」。
「『来ぬ＝こぬ』と読みます」と作者のコメント。
メールが来ない、という意味を書きたいのであれば、「来ず」と終止形で言い切る手もあります。「ず」は、打消の助動詞。終止形が「ず」、連体形が「ぬ」。