第23回「カメラと夕焼け」《並》④
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第23回 写真de俳句】《並④》
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床磨き夕焼は部屋の奥までも季凛
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夕焼けが強くて抱えきれなくて季凛
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救急車瞬く夕焼の商店街季凛
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母の愚痴ぐると夕焼けへ混ぜ込みぬ季凛
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スペシウム光線がかる夕焼けかな季凛
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夕焼けて決まり文句を投げ付ける季凛
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夕顔や亡き夫の背が逢魔が時ブチ猫
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大夕焼部活帰りに涙をとめてブチ猫
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夕焼のライブ紙コップに百円北川颯
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夕焼に停める言い訳浮腫む脚北川颯
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夕焼けや二段とばしの駅階段梓弓
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不条理なふたりの母の溽暑かな梓弓
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両者にも待つ母の居て鉄線花梓弓
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蚊遣豚うち弁慶の二三人梓弓
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とほる声つつむ声して夏の庵梓弓
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信長忌不整地運搬車の三騎梓弓
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犬抱いて茅の輪をくぐる向脛梓弓
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秋袷決めかねてをり止利仏師梓弓
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三日後に来る台風を留守電に梓弓
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天の川第二背鰭の憂鬱かな梓弓
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読了は八月八日初版の夜梓弓
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画面いっぱいの吉野川夕焼けて一久恵
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夕焼わたる救急車のサイレン一久恵
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夕焼うつしたるロゼとラタンチェア一久恵
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病院帰り夕焼の毒々し一久恵
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夕焼や糧の穂拾ふ女たち一久恵
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紅の八塩の夕焼白きビル一久恵
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夕焼けて切り絵のごとき安達太良山一久恵
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夕焼くる遥か西は戦争す一久恵
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夕焼の連写に夜流れ入る一久恵
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生焼けのやうなゆふべの鰯雲藤白真語
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木星も燃えてゐやうか赤とんぼ藤白真語
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夕焼雲ガス欠ですかスクーター百瀬はな
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引退の白馬と駆ける海夕焼百瀬はな
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暇だからとことん論破夕焼ける百瀬はな
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再会は夕焼けの丘被災犬百瀬はな
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夕焼けに試されてゐるラブシーン百瀬はな
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夕焼けにガッツポーズや肩車百瀬はな
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夕焼けの不安を詩にファイリング百瀬はな
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夕焼けをきゅっとすり込む靴磨き百瀬はな
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二代目のメンチカツ買う初秋かな百瀬はな
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大夕焼け点灯前のサーブ練飛来 英
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夕焼けてラストのダッシュ列なして飛来 英
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部活終え地震雲かな大夕焼け飛来 英
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夕焼けに駆け出していくランドセル飛来 英
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夕焼けと消えて欲しいの今日一日飛来 英
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泣き声のママチャリ疾風大夕焼け飛来 英
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四つと言えたコロッケ買えたよ大夕焼け飛来 英
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夕焼けや限定コロッケあと二つ飛来 英
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夕焼けにコロッケの袋はアツアツ飛来 英
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夕焼けてさぁ明日からは産休に飛来 英
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ぞろぞろとバス降りてきてふと夕焼け飛来 英
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秋夕焼へ突っ込んでゆく七半よ横浜月子
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はかなきをカメラに収む秋夕焼横浜月子
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旅の途のカメラと我に星月夜横浜月子
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千枚田一枚ごとに大夕焼でんでん琴女
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ポケットのビー玉さわぐ大夕焼でんでん琴女
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夕焼をラムネの瓶へ閉じ込めるでんでん琴女
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大夕焼遊郭跡の道しるべでんでん琴女
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逆上がりくるり大夕焼ぐるりでんでん琴女
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夕焼け空露出補正し離陸待ち岡本かも女
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夕焼雲旅館の庭に乳歯落つ岡本かも女
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炎昼のシルエットなり泣き顔もかずりん
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終業のチャイム夕焼へダッシュ大西みんこ
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まったりと夕陽と蝉と小豆バー大西みんこ
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夕焼の土手コンビニの赤ワイン大西みんこ
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夕焼やドア外の泣き真似する子大西みんこ
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プロポーズ夕焼はオパールのごと大西みんこ
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機関車を連写飛地の秋夕焼喜祝音
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天高し発破工事の音硬し喜祝音
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高原のプラットフォーム跡西日喜祝音
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残照の横顔写らざる秋思喜祝音
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パレットに何色足そうか大西日恵雪
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夕焼けをバックミラーに持ち帰る恵雪
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青くない水管橋や大夕焼笑田まき
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片陰や石門をくぐりたる柩車笑田まき
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ウチは夏いっぺん庖丁研ぎが来る宙海(そおら)
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黒アゲハ自転車の前を横切る宙海(そおら)
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大夕焼け夕方コンタクト外す宙海(そおら)
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大夕焼け地球が悲鳴をあげている宙海(そおら)
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今日という日を呑み込みて逝く夕焼け宙海(そおら)
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四回目ワクチン接種して喜雨か宙海(そおら)
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大夕焼け日落つるまでの抱擁逢來応來
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赤龍を留めるcanon夕焼け雲逢來応來
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www.com夕焼送信逢來応來
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面会を待つ夕焼けベンチICU河豚ふく子
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生還す大夕焼けの辛かりき河豚ふく子
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夕焼よ黄昏色の我とはとひよこ草
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雨漏りの修理の足場夏の夕ひよこ草
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夕空の赤にほのかや山清水ひよこ草
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夕焼て牛舎に漏れる鳴き声よひよこ草
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隠された上履き朽ちて秋夕焼小川さゆみ
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別れてと言わぬ君の背大夕焼小川さゆみ
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ギターケースのわずかなコイン夕焼雲小川さゆみ
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バンドネオンつつむビル群秋夕焼小川さゆみ
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出航のクルーズ船や夕焼空小川さゆみ
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ハムカツ六十円也秋夕焼小川さゆみ
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大西日鳥群がるる並木道小川さゆみ
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八月の夕陽重くて電線はいかちゃん
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最後の汽笛つるべ落としの母港へといかちゃん
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父はカメラ僕は虫籠提げて土手いかちゃん
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秋声やカメラに反転する夕日いかちゃん
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夕焼けに火を噴き雄叫びゴジラ岩春待ち女
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あと十分ベンチに荷を起き秋夕焼け春待ち女
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父撮るは半身の吾末枯るる春待ち女
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退勤路頬にやわらか秋夕焼け春待ち女
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墓洗う呉服屋若旦那の夕東田 一鮎
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白き帆を操る胸や大夕焼東田 一鮎
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写真部の部室の闇や日の盛り東田 一鮎
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堀横のあまたの鳥居秋の暮れ東田 一鮎
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駱駝より落下サハラの大夕焼伊藤 恵美
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夕焼の廃墟戦場カメラマン伊藤 恵美
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岬にて描く夕焼百の色伊藤 恵美
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スマホから爆撃音や夕焼雲伊藤 恵美
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恋人の聖地をひとり夕焼空伊藤 恵美
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旱星タオルにてかるピンチ跡深山むらさき
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夕焼やブルーシートの屋根昏く深山むらさき
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ベランダの夕焼手すりに座る猫東山すいか
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夕焼けて飛行機よりも速き鳥東山すいか
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たこ焼きの青のり残り夕焼雲東山すいか
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夕焼へ差し出すいくつかのスマホ東山すいか
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故郷のデジタルツイン大夕焼東山すいか
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秋夕焼友だち通ふ英語塾東山すいか
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心なんてどっか行っちゃえ月天心里山子
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こんな家に生まれきたの秋の暮里山子
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正直で残酷な夕焼よ夕焼よ里山子
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ゆうやけやわたしなんにもないんだな里山子
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踏切に撮り鉄集合大夕焼あまぐり
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右側に夕焼け受けて電車来るあまぐり
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大夕焼帰路の信号みんな赤あまぐり
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電車遅延スマホ電源落ち夕焼あまぐり
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大夕焼手書きの「現金払いのみ」あまぐり
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影までも赤く見えそな大夕焼喜多輝女
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シャッターを押すこと忘る大夕焼喜多輝女
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大夕焼望遠レンズのねらう先喜多輝女
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君と行く撮影旅行大夕焼喜多輝女
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いつのまに娘うつくし流燈会このみ杏仁
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鳥帰る牧歌奏でるパンドゥーラこのみ杏仁
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テヴィエには五人のむすめ神の旅このみ杏仁
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荼毘に付す写真の君や暮の秋このみ杏仁
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遠富士や道ゆく人と秋夕焼このみ杏仁
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そのカメラ写ルンですか油照石井茶爺
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渦を巻く夕焼雲のこの一瞬石井茶爺
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夕焼の下に我が街もゆる如石井茶爺
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夕焼やぽつんぽつんと町灯り石井茶爺
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機関車の黒は艶消し西日中石井茶爺
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撮り鉄も鉄路も包む夕焼かな石井茶爺
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夕焼を背に塗り込めて塀の猫木ぼこやしき
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マーブルの夕焼山が傾いでゐる木ぼこやしき
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大夕焼一人東を向く理由木ぼこやしき
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オムレツの匂いの夕焼帰ろうよ木ぼこやしき
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ピンぼけの影は黒紅大夕焼木ぼこやしき
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「このあとはフレンチでも」と夕焼の背木ぼこやしき
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連写せしコマに夕焼の色あまた木ぼこやしき
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なぜ君は今を厭うや小望月木ぼこやしき
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閉店のマネキン2体晩夏光まゆ
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復員の父に抱かれし夕焼け空まゆ
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夏夜空噴煙高く桜島まゆ
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夏の夕や友死すブラックホール佐藤 啓蟄
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シャッター切る何これがあの夕焼け佐藤 啓蟄
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山の端を花火の音の二つ三つまこ
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新型のカメラデビューよ運動会まこ
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逆光のフェリーにピント秋の海まこ
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花野立ち夕景狙ふ三脚架まこ
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夕焼けや辿りつきたるトルストイまこ
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気まぐれに拾ふ貝殻夏の夕まこ
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砂つかむ渚の素足波しぶきまこ
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片蔭や部室の窓のぬいぐるみまこ
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暗室の迸る黒風死せりまこ
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享年九十の夏よネガ伸ばすまこ
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朝明けや西瓜提灯しをしをともりたきみ
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下駄の音ゆふやけ道を父と吾と雪音
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秋夕焼街は切り絵となり始む雪音
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シャッター音秋の夕焼削ぐように雪音
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霧はれて両目くり抜かれしこども三浦にゃじろう
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虫を食うこどもステーキ食うこども三浦にゃじろう
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秋のゆうやけの血の色したこども三浦にゃじろう
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夕焼くる内視に明かす我が胃壁池内ときこ
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深閑のカメラ居並ぶ夏の暁池内ときこ
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鉄棒の逆光逆境夏休み池内ときこ
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影の手の中のフイルム晩夏光池内ときこ
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虫送り子らは火星をひよんひよんと池内ときこ
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割れもののなかなか割れぬ蝉時雨池内ときこ
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もろこしの髭は雌蕊ぞ暮泥む池内ときこ
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れれれれれ連写秋風いつちやつた山本先生
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接写かしやつ夕焼みたいなマンゴーパフェ山本先生
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流星を収めてそれから二人は山本先生
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流星を撮つてはならぬ撮つてはならぬ山本先生
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夕顔や雲は生まれつ息絶えつ山本先生
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撮り鉄の子や生き様に日焼して山本先生
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夕焼けのなごりを映す水面かなおケイちゃん
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下の田もまた下の田も春夕焼おケイちゃん
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夕焼けやこまめに水を飲む日課おケイちゃん
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我を待つ郵便ポスト冬夕焼おケイちゃん
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買い出しの両手に重き冬夕焼おケイちゃん
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どの雲も定位置にある秋夕焼おケイちゃん
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夕焼けや水きらきらとカヌー漕ぐおケイちゃん
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点滴の一滴つづにに冬夕焼おケイちゃん
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糸でんわみたいな会話寒夕焼おケイちゃん
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不機嫌な風音しきり冬夕焼おケイちゃん
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人の死を告ぐる電話や寒夕焼おケイちゃん
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三人の客の長居や秋夕焼おケイちゃん
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もう雲を映さぬ棚田秋夕焼おケイちゃん
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寒夕焼生きてる不思議死ぬ不思議おケイちゃん
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寝たきりにならぬ体操寒夕焼おケイちゃん
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農機具に一礼をして秋夕焼おケイちゃん
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投稿のなじみのポスト春夕焼おケイちゃん
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しんとしてしんといふおと寒夕焼おケイちゃん
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鳥海は雲湧くところ秋夕焼おケイちゃん
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雪の日は雪の日なりに暮れにけりおケイちゃん
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春田打つ昔ながらに暮れてゆくおケイちゃん
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あいさつは手を上ぐるのみ春夕焼おケイちゃん
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物をよく見ること大事冬夕焼おケイちゃん
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祈りとは生きていること冬夕焼おケイちゃん
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明日より今日を大事に春夕焼おケイちゃん
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集まってひそひそ話秋夕焼おケイちゃん
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大夕焼明日へ希望の橋を架け幸水
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大夕焼デジャヴの街にいるわたし宙のふう
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シャッター音つくづく赤き大夕焼宙のふう
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逝く人と送る人びと夕焼ける宙のふう
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茜雲繊月壊さぬやうに吐き宙のふう
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夕焼けの移ろひに添ふトランペット香亜沙
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肩並べ夕焼け見てる背中撮る香亜沙
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夕焼けや雑草茂る未成線香亜沙
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黙祷す霊柩車夕焼けへ発つ香亜沙
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富士登山みな仏光に包まれり香亜沙
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会いたいと夕焼雲に言ってみる香亜沙
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ゼロ続く夕焼けのスコアボード香亜沙
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まさかやーと沖縄ことば夕立かな香亜沙
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夕焼の離島へ小さき帆掛け船岩本夏柿
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夕焼雲ゆつくり幕を閉じにけり岩本夏柿
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血のやうな悲しみ色の夕焼かな岩本夏柿
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蜘蛛の糸切れて夕日の落ちにけり岩本夏柿
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しましまの夕焼雲や右へ進むうた歌妙
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青葉木菟もの憂う間に消え失せりうた歌妙
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PL塔や丘に待つ揚花火うた歌妙
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動画見てまた素振りして夕焼雲うた歌妙
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陽性の喉にじゅわっとトマトかなうた歌妙
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鉄塊の融け堕ちたり昭和の夏うた歌妙
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蝙蝠や貧血気味のカメラマンうた歌妙
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マウンドに球児のこぶし大夕焼うた歌妙
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しましまの夕焼雲や空の歩道うた歌妙
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秋の暮カレー曜日の日曜日伊達紫檀
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秋暮やパンク自転車押して帰路伊達紫檀
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廃校へ秋夕映に伸びる影伊達紫檀
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秋の灯の白黒写真父と母伊達紫檀
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秋の灯や女将支度の暖簾へと伊達紫檀
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下校児のたて笛秋の夕焼へ伊達紫檀
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大夕焼吾は地球の日本人やっちゃん日記
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「明日こそは」夕陽に誓う影法師やっちゃん日記
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夕焼けや待ち人メール開く刻井上玲子
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一度きりあかい抱擁大夕焼井上玲子
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ごはんだよ見上げる夕陽昭和の子井上玲子
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大夕焼線状降水帯は北浜 けい
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夕焼けや明日の平穏託す日々浜 けい
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夕焼とて戻る子もない老二人浜 けい
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大夕焼け連写遠かりし戦火豊年茶
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古地蔵夕焼けにアルカイクの笑み豊年茶
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鰯雲夕焼けチャイムで子ら走る竹次爺(たけじぃ)
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赤富士や鳥の囀り飯盒の湯気竹次爺(たけじぃ)
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裏山の蝉時雨にも打ち水すはまお
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山門と蝉の声綴ず夕焼けかなはまお
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夕焼け空ラーメン啜る影ふたつはまお
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買納め西瓜抱へる帰路の空はまお
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百日紅お八つのプリンやはらかいはまお
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息吐きて背骨に映る夕焼けかなはまお
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その名を言うな釣瓶落としの闇迫るあなぐまはる
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喘鳴の子の祈るごと夕月夜あなぐまはる
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広島展天舞う小鳩大夕焼桃里
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大楠と眼下洋々大夕焼桃里
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片陰の助手席仔犬の寝息撮る桃里
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暗室へ残るフィルムに惜しむ夏桃里
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夕焼の港失恋のさざ波平本魚水
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鯖味噌のにほふ店先秋夕焼平本魚水
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仏手柑無痛分娩とは何ぞ平本魚水
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鏽音山門開、霞濃く成り宇野翔月
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ちりりんと砂曼荼羅よ草の花宇野翔月
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漢訳の漫画のネタを夜長かな宇野翔月
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蜻蛉撮る刹那に沈む穂の先の楽花生
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秋旱ちょうど五十の頃かなあ楽花生
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レンズ越し夕焼の朱は子守歌楽花生
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秋夕焼火傷はしないほどの空楽花生
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美術展覧会君には君の主張あり楽花生
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裏山に火の粉舞う夜の火取虫ひなた
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肩触れて心臓の音夏の音ひなた
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豆腐屋のラッパ今日から夏時間ひなた
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雨あがりテントの上の水溜りひなた
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はしゃぐ子を宥めて夕餉大花火ひなた
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夏祓え犬の鎖をひっぱりて江川満月
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寂しくはない籠いっぱいの空蝉江川満月
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夕端居西の国は戦の中江川満月
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狗尾草なかなか寝ない双子の児江川満月
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敢えてモノクロ夕焼けいつしかセピアつんちゃん
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父ならばどう撮るだろう大夕焼つんちゃん
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夕焼けや子の引っ越しの帰り道オリゼ
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蜩の声に夕陽の崩れけり原 唯之介
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帰り道西半分は秋夕焼原 唯之介
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夕焼へサヨナラヒット五年生原 唯之介
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下校する女子のざわめき秋夕焼原 唯之介
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夕焼けや海へ朱き陽ざんぶりと原 唯之介