第23回「カメラと夕焼け」《並》③
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第23回 写真de俳句】《並③》
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母と見るあと何回の夕焼かな柊まち
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訪れる人無き窓に夕焼来る柊まち
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夏合宿キャノンミノルタ写ルンです飯村祐知子
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茜さす四条の鉾を一つ星飯村祐知子
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しゃぼん玉割れずかなしや茜雲飯村祐知子
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ざっくりと丸い宇宙や小鳥来るみずな
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神々へ九歳の裸身青みゆくみずな
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秋夕焼差し出されたる神話かなみずな
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月白の神代の森湿るままみずな
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夕焼け切り取るコラージュにカメラマンはなみ
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夕焼けを撮る君を撮る大夕焼けシュロバッタ
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夕焼に遊ばせ母のパチンコ屋七瀬ゆきこ
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オカリナへ悋気のやうな大夕焼七瀬ゆきこ
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フラの手の降らす雨より夕焼くる七瀬ゆきこ
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厚岸草黄泉に盗られた月の息七瀬ゆきこ
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ゆうやけのシルエットよモモがいない七瀬ゆきこ
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夕焼雲に轍日本人墓地七瀬ゆきこ
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被写体は私じやない秋夕焼でも七瀬ゆきこ
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別れ話に夕焼雲まで連れてきて七瀬ゆきこ
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美しいは怖いに似てる大夕焼七瀬ゆきこ
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西日さす部室に古きネガファイルにゃん
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アルビノの烏や夕焼の水場にゃん
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背表紙の火傷しさうな大西日にゃん
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夕焼へ繰り出すやりの六投目にゃん
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存分に歳重ねきて大夕焼蓼科 嘉
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夕焼けてレンズの先の浄土かな蓼科 嘉
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Uターンの決断よろし大夕焼蓼科 嘉
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レフ板は夕焼に女優の覚悟笑笑うさぎ
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フィルムを巻き取る音や夏の果笑笑うさぎ
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夕焼のファインダーママになりました笑笑うさぎ
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夕焼や孤独でないと気づかさる笑笑うさぎ
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求婚をプライスレスの大夕焼笑笑うさぎ
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連勤の白衣重たき夕焼雲笑笑うさぎ
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撮影会夕焼までの計画書笑笑うさぎ
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夕焼や職場変わってよかったと加納ざくろ
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言わないで夕焼雲を過ぎるまで加納ざくろ
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ノー残業ヴェゼルの帰宅はサングラス加納ざくろ
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ゆるやかな時を遊ぶ子夕焼雲代志惠華
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戦火跡描く少女や夕焼空代志惠華
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戦禍跡描く少女に南風優し代志惠華
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夕焼の向こうの明日家路つく代志惠華
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この土地の水はうまいか初蛍代志惠華
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町民によるミス浴衣コンテストキッカワテツヤ
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とんがりをかじつたあとの西瓜かなキッカワテツヤ
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おむすびにとんぼ靴にもザックにもキッカワテツヤ
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夕焼けの影地下鉄の地上駅キッカワテツヤ
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一瞬の秋を切取るファインダー里山まさを
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九合目一献一句牧水忌里山まさを
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秋夕焼明日の天気は山に聞け里山まさを
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秋惜しむシャッター切る手が止まらない里山まさを
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西窓に揺れるカーテン秋夕焼里山まさを
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シャッターチャンス逃して釣瓶落しかな里山まさを
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悪童も見上げているか秋夕焼里山まさを
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メッチェンの辿る尾根みち秋夕焼里山まさを
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夕焼や覗く広角緋に変わりチリンドロン
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隊列の夕焼背にし帰巣かなチリンドロン
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窓という窓ビル街は大夕焼亀山酔田
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地下街を出れば夕焼空真上亀山酔田
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子守歌夕焼空の母若し亀山酔田
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夕焼空金波蹴散らす子らの駆け亀山酔田
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大夕焼昆虫展を帰るころ亀山酔田
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夕焼空牧舎へ帰る牛の列亀山酔田
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日のぬくみためて日の色つるし柿竹田むべ
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夕映えに稲架染まりゆく棚田かな竹田むべ
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撮り鉄や画角に入るる夏の雲竹田むべ
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ゆふやみにいうれいとけてしまひさう竹田むべ
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送り火や観衆へ向くロケカメラ竹田むべ
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夕闇に蜩のこゑ残りけり竹田むべ
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初盆の写真さびしき夕間暮れ竹田むべ
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妻と子へ向けるレンズや盆踊竹田むべ
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大夕焼けドライアイには強すぎてとわずがたり
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焼け尽きしあの日の空や秋夕焼けとわずがたり
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夕焼けの先っぽ絡め取る宇宙丸山 晴耕
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夕焼けや地球離るる星数多丸山 晴耕
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炎天の帯状疱疹日が暮れるなしぞ~
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日暮れ路仕事を終えて帰る路なしぞ~
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いうれいの匂ひしみつく連子窓彩汀
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夕焼背に速足帰路の羊たちこもれび
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夕焼や今夜はオムライスにするこもれび
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秋夕焼夫と遺影撮影会赤味噌代
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UFOもホバリングして大夕焼赤味噌代
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大夕焼け振り向かないでそのままで大月犬ラルフ
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大夕焼けライカのレンズをはじく朱大月犬ラルフ
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夕焼けの犬小屋写すランドセル大月犬ラルフ
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夕焼けやどの瞬間で止めようか新井ハニワ
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皇子眠る二上山へ西日落つ新井ハニワ
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君と見た京の夕焼け覚えてる?新井ハニワ
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夕焼け空まだ受け入れられぬ孤独新井ハニワ
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秋夕焼山の端に星忘れなむごまお
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今日君と出会えるはずの秋夕焼ちかひか
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片恋や釣瓶落としの塾帰りちかひか
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秋宵のフランスパンに染みすぎるちかひか
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肩ほどの髪となりけり秋の風ちかひか
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シャッターの指動かざる秋意かなちかひか
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光源にネガ透きとほる月の夜ちかひか
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訝しきポートレイトと秋の空小山美珠
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赤裸々に口火きるひと八月尽小山美珠
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田の波を騒がせる風送り盆小山美珠
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籾殻の燻す黒檀色猛る小山美珠
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送り火の埋まる闇の沈みゆく小山美珠
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秋夕焼リード短く尾は高くトウ甘藻
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誘惑の赤枠かじられた林檎トウ甘藻
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龍淵に山も獣も耳たてりトウ甘藻
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戻り梅雨ファインダー越しのカヤック堀尾みほ
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三成の陣の跡地の蟬時雨堀尾みほ
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二十二時庭の山桃君と食む堀尾みほ
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夕焼けや聞いた気がした君の声堀尾みほ
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検診の帰り久々の夕焼け堀尾みほ
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ファインダー越し祭り囃子と君と堀尾みほ
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有漏地ゆく車のライト夕焼追う花屋英利
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赤空は夕焼け日の丸また明日花屋英利
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門に立つ夕焼嘉せむ人欲しく花屋英利
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田水湧く遠くスケボー赤い雲夏雲ブン太
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シミーズの二の腕抓り宵涼み夏雲ブン太
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晩夏光隣の家の鯨幕夏雲ブン太
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サスペンダーのギター男鳴らす溽暑夏雲ブン太
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秋夕焼敗戦捕手の背が泣く泉楽人
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フェリー旋回秋夕焼追ひかけて泉楽人
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空の栓抜かれてゆがむ秋夕焼泉楽人
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夕空の果を戸隠秋めけり越智空子
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夕焼け雲リヤカー嬉し父の背中れんげ草
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夕暮れの風やはらかに白粉花れんげ草
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夕暮れの家路急ぐや百日紅れんげ草
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夕焼けや日翳りて人里侘びしれんげ草
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夕焼け雲かくれんぼの鬼ポツンれんげ草
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シャッター音夕焼け空を切り取りしれんげ草
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これから本番ラスベガスの夕焼不二自然
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大夕焼パラオの小型戦車照る不二自然
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レントゲンに写らぬ痛み五月闇不二自然
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夕焼けは雲のある時綺麗なの不二自然
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大夕焼数え六十の退院不二自然
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成人向け深夜の映画火取虫不二自然
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夕焼けは赤くはないと祖母のいふ不二自然
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夕焼をチャージ夜勤の砂利道をせとみのこ
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シャッターを切るたび深くなる夕焼せとみのこ
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東京の夕焼行きのバスの君せとみのこ
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蒙古斑消ゆ秋のゆふやけ柔しせとみのこ
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夕焼やハローワークの帰路ひとりせとみのこ
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混ぜかけのフルーチェのごと大夕焼せとみのこ
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去る町の楔となりぬ大夕焼伊藤 柚良
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価値観の似た母娘なりさくらんぼ伊藤 柚良
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海宿の夕餉に添へる夕焼けかな風花まゆみ
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一眼レフの朝焼け夕焼け吸ひ込みぬ風花まゆみ
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夕焼けや肩紐食込む一眼レフ風花まゆみ
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唐辛子干して訛が止まらない大和田美信
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秋風よ葉書に復元の写真大和田美信
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輸血して己減りゆく夜長かな大和田美信
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大西日母屋の壁に牛の角大和田美信
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夕焼はお手本の絵を裂いてから大和田美信
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爽籟の信濃たちまち暮れにけり毒林檎改メ大久保加州
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コロッケと千切りキャベツ秋夕焼毒林檎改メ大久保加州
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秋夕焼ドボルザークの校庭に毒林檎改メ大久保加州
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冬茜きみのぬくもり恋しくてちえ
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秋夕焼骨張る祖母の手を握りちえ
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稜線に沈む夕日や夏の暮ちえ
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じゅじゅじゅつと連山焦がし夕焼消ゆちえ
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行く夏や終止符を打つ「旅の宿」ちえ
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夏場所や熱気打ち出すはね太鼓玉響雷子
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蝙蝠の薄暮に丸き軌道かな玉響雷子
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夕焼や植木に水を遣り始む玉響雷子
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水撒きに草を飛び出る蛙の子玉響雷子
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ビル群にゴジラ来そうな大夕焼玉響雷子
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モノクロの祖父は帯剣瓜の馬ノアノア
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前時代のキャメラ磨きつつ夜長ノアノア
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自撮りする背中に君と秋の虹ノアノア
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撮り鉄の群れを横目に秋の宵ノアノア
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八月の影を生き抜き喜寿となるノアノア
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身に入むやシャッター音と銃声と風花美絵
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ひとり旅あすの予報は土用凪風花美絵
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大夕焼空と山との境界線京
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大夕焼ネガに吸ひ込む茜色京
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夕焼やいちごから食ふアポロチョコ板柿せっか
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鳥の巣へシャッター音の槍のごと板柿せっか
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山城に月の触れたる十二秒板柿せっか
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赤茶けた祖父の詩集や秋夕焼まちゃみ
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暮れかかる藁葺き屋根や吾亦紅まちゃみ
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秋夕焼キーホルダーの星の砂まちゃみ
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メモ紙とおだちん握り秋夕焼まちゃみ
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秋の夕朽ちた呼び鈴返事なくまちゃみ
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プリクラのスピーチバルーン虹の秋まちゃみ
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「襟裳岬」「旅の宿」の秋入日まちゃみ
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芋の子洗ふやう棚湯の大夕焼小笹いのり
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船上のフラダンスショー大夕焼小笹いのり
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絶叫の記念写真や大西日小笹いのり
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斜に写る角度は父似赤蜻蛉小笹いのり
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測量のカメラへピース夏帽子小笹いのり
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禿げ山に混ざる夕焼のパン屋かな山羊座の千賀子
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スクールバス運転淡きサングラス山羊座の千賀子
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夕焼はほんの気持ちの水分量山羊座の千賀子
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戒名に歌と笑の字盆の宴山羊座の千賀子
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拝観のアイヌ絵夕凪の古刹ルーミイ
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入船の漁港の凪に雲ひとつルーミイ
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人事異動の忙の一息アマリリスルーミイ
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けなげなるバイト学生夏旺んルーミイ
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バーコード百枚貼りて大西日ルーミイ
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夜の秋鎖骨に触れていった風ひつじ
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本閉じる雲海窓の下にまでひつじ
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登山部は三時集合厳守ですひつじ
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刑務所より一報青き夏の朝ひつじ
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ふわふわの小犬牙むく朝焼やひつじ
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朝刊コトリ朱鷺色の町や夏ひつじ
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朝刊配る朝焼ゆるり泳ぐごとひつじ
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喋らずに飛べば死ぬのか椋鳥はひつじ
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マンションの階段下る守宮の子ひつじ
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アパートの通路守宮とすれ違うひつじ
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プリクラの君と洗い髪の君とりょうまる
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夏夕べレジ店員がレジ並ぶりょうまる
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レントゲン撮られてゐるや原爆忌りょうまる
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カメラだけ置いてかき氷の列へりょうまる
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三脚をしょいっぱなしの西日かなりょうまる
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向日葵やミラーセルフィに今日の俺りょうまる
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百合の花ピースサインの古い母りょうまる
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一眼レフ預け綱引き日の盛りりょうまる
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出品の決意白靴撮影すりょうまる
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エコージェル日焼けの首にまみれたりりょうまる
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叢に錆びしアンテナ大夕焼け黒江海風
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別れ告ぐ君の影踏む夏の果て黒江海風
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チェキで撮る朝顔ゆかし文字なき日記黒江海風
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短冊の墨書脈打つ曼珠沙華安
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最終画伸びゆく墨や大夕焼安
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防波堤オバとオバアの夕涼み径
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夕焼やマンゴーアレルギー発症径
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完熟のベビーマンゴー大夕焼径
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夕凪や漁船を航ふ影ふたつ径
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紅き屋根炎ゆるビートルカブリオレ径
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男らのビール片手の船溜まり径
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夕映やアイス最中を半分こ径
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海に入る夏至の太陽見届ける径
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対局の対の旧字や大夕焼磐田小
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夕焼を酒に浮かべてゐる供養磐田小
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夕焼の赫へ放しぬ麻の弦磐田小
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夕涼や旅の写真を見せ合うて磐田小
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喉とおるカメラ五ミリや旱星姫川ひすい
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泣きたくて夕日撮るふり夏の海姫川ひすい
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大夕焼「CarryingYou」を聴きながら姫川ひすい
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泥酔の父道に寝る夕焼雲間 静春
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夕焼雲母ミシン踏む四畳半間 静春
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夕焼雲憂き母の居る四畳半間 静春
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塩田の夕焼や祖父の帰り道間 静春
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夕焼けや母の柩に長手紙間 静春
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夕焼けや母は都会で我を生み間 静春
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夕焼雲呼べば近寄る地域猫間 静春
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色温度3000K秋夕焼さくやこのはな
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カメラ撮る人々の影夕焼空さくやこのはな
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ファインダー越しの山の端夕焼かなさくやこのはな
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街灯は瞬きしつつ夜長告ぐたぬき
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百羽超え夕鴉なお月昇るたぬき
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お迎えは母と駅まで盂蘭盆会たぬき
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大夕焼のまれて我も鉄塔もミセウ愛
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青春はハートカクテル秋夕焼土井あくび
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スマホから選びし遺影秋の夜土井あくび
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色葉散るスマホのシャッターは親指土井あくび
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夕焼や垂直に飛ぶイルカショーおこそとの
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千枚の棚田に千の夕焼雲おこそとの
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寄せ波に繋ぐ手ギュッと大夕焼おこそとの
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サンセットクルーズ伸し掛かる夕焼おこそとの
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望遠の夕日微笑む海開きおこそとの
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短夜や夕食写メす赴任先おこそとの
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夕焼や赤のクレヨン短くておこそとの
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外風呂の海ととけあう夕焼かな誉茂子
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由良の浜夕焼はじまる旅の膳誉茂子
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夕焼の弓杖島までサップ漕ぐ誉茂子
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この日だけこの海だけの大夕焼誉茂子
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城山の定点カメラ今日の秋誉茂子
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処分せし遺品のカメラ秋近し誉茂子
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房総の夕焼明日からは受験生石橋 いろり
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夕焼けて一人の君を盗み撮り石橋 いろり
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阿修羅めく大夕焼子はカメラ携え石橋 いろり
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夏の海あの音あの香あの言葉石橋 いろり
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百均の財布五年目夏の果てへなけん
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夏雲に突っ込めスカイダイビングへなけん
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オライオラーイオラーイいい声盆の月へなけん
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夕焼や次元大介の銃声平井伸明
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橋渡る下り電車や夕焼空平井伸明
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夕焼や文庫二冊と絵本買ふ平井伸明
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胃カメラのポリープ消えて大夕焼鈴白菜実
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初めての趣味の友垣夕焼空鈴白菜実
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一枚に戻らない夏戻る兄鈴白菜実
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釣れないねと白き素足の甥にこり鈴白菜実
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ぽよぽよの祖母のちくわぶ風爽か鈴白菜実
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大夕焼雲は茎付きの花丸鈴白菜実
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さよならを集めて炊けり木染月池之端モルト
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千木丹く二百十日をつらぬけり池之端モルト
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秋夕焼練習太鼓途切れなし幸香
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ぼっち生徒本を読むふり赤とんぼ幸香
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秋夕焼百点取ったと母見上ぐ幸香
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先輩の一眼レフや盂蘭盆会陶瑶
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銃口は首に冷たし大西日陶瑶
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母開くる門扉の軋み秋の星岸来夢
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自転車の鍵開く弾み今朝の秋岸来夢
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暑さ過ぎ浮かぶ山影黒ぐろとともっち
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取り敢えずコンピニ探す炎暑かな見和子
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この夏もスタンダールは古本屋見和子
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注射器のドロドロの血で買う麦茶見和子
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夕焼けと夜を前後に連れて帰路糸圭しけ
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夕焼けや背は漆黒の影絵めく糸圭しけ
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ばあちゃんち矯正装置の歯に西瓜糸圭しけ
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ヒーローや夕焼にこぶしして帰る季凛
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夕焼けに父の遺影は一服す季凛
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夕焼や明日はむらさき色の中季凛