第23回「カメラと夕焼け」《並》⑥
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第23回 写真de俳句】《並⑥》
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暗室に夏揺らしをるピンセットま猿
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コスモスを夕風とほる道とせむま猿
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下宿屋にジャズ戻りたる晩夏かなま猿
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山繭の風の駅舎をおさへをりま猿
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片恋に噛む鬼灯やあかね雲ま猿
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八月の病める眼窩に巨花開くま猿
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青田風吹き収まりて茜雲釜眞手打ち蕎麦
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夕顔や空の茜のほの映して釜眞手打ち蕎麦
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盛り塩と青鬼灯と茜雲釜眞手打ち蕎麦
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血はいづれ乾いて黒く夕焼雲釜眞手打ち蕎麦
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街路灯冷たく白く秋夕焼釜眞手打ち蕎麦
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土用浪静まり空の茜かな釜眞手打ち蕎麦
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アクセルの先に出ず虹の先端あかなお
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写真撮る趣味の二人が夕焼雲若宮 鈴音
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ファインダー食み出す心大夕焼若宮 鈴音
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夏薊ただ真直ぐに平原の風若宮 鈴音
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絞りは8か11か夏の雲若宮 鈴音
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今日の愚痴今日でおしまい夏の宵若宮 鈴音
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影は夏雲の影のみ大草原若宮 鈴音
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朝焼けも一緒に撮ろうと約束若宮 鈴音
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彼女との撮影終える夕焼ける若宮 鈴音
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天道虫明日の現像楽しみに若宮 鈴音
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飛びつく子重み頼もし夏の宵蒲公英
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父帰還長期出張大夕やけ蒲公英
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競い合う何辛カレー暑気払い蒲公英
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宵闇に『VirtualtoLIVE』の歌詞と白発中三連単
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この町に成し得しことや大夕焼野村起葉
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夕焼や波紋を広げ行く漁船とぜん
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夕焼や静脈の中閉じ込めしとぜん
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大夕焼ファインダーよりはじけ出しとぜん
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夕焼や峠の村にバスの音とぜん
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干潮の余多の汐溜り秋夕焼とぜん
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さるぅさるぅと這う熱砂の紋様九月だんご
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摘み残された蕃茄と同じ空の色九月だんご
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雑草も枯れる無職の旱空九月だんご
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青空を夕焼に更新する仕事さくら悠日
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向日葵の項垂れている午後三時さくら悠日
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夕焼やとうーふーとうーふーラッパの音さくら悠日
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カメラ手に探す特ダネ秋暑しさくら悠日
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鰯雲「フイルムはいらないんだよ」さくら悠日
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ファインダーの娘の横顔や秋麗さくら悠日
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夏座布団祖母のガンガン蕎麦ぼうろ優曇
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西日さす四畳ひと間のルーティーン優曇
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連番を選びし売り場大西日優曇
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わんさかさ軋む桟橋大夕焼優曇
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夕焼けやカーテンひらくテレビ消す長山十詩
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小走りの逢魔が時の虫の声柳本あらら
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夕映えの大地の窪み風知草かりん
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月出て庚申塚の苔光るかりん
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秋夕焼け返却箱へ延滞本かりん
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夕焼けに口笛吹くや中空土偶かりん
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西日落つ大地の窪み深まりぬかりん
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夏草や夢は自作の古墳なりかりん
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戦争はたやすく起こる蛭の口藍月
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だるま夕日を待つシルエット時計草藍月
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冬近し遺影は付箋のこれにして謙久
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西日さす渋滞右肌のほてり謙久
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平らかに旅客機は八月をゆく謙久
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侵攻は旅した国や晶子の忌謙久
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沿道の動画最後尾の夕焼謙久
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遺影自撮りピントは夕焼けに合ひぬ謙久
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夕焼けや鉄橋通るあずさ待つ扇百合子
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夕焼けや一眼レフの形見持つ扇百合子
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夕焼雲知らぬ怪獣並べる子扇百合子
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つるまぬ放課後夕焼と待ち合はせ宮井そら
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ひぐらしの声も撮りたき里の夕宮井そら
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眼裏に上書きされる夕焼かな宮井そら
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白い道夕焼け背負い影一つ中山白蘭
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大夕焼公演中止のメール来る神木美砂
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夕焼けが淋しさ誘う深紅色葵遥
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夕風を漸く捕らへて白木槿夏椿咲く
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鳶の描く円はいよいよ縮まれり夏椿咲く
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椋鳥の一羽「自由」と名を付けて夏椿咲く
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秋星や海星は昏きに沈みゆく夏椿咲く
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夕焼やくだりし船の三保の海山薔薇(やまばら)
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裏木戸の平らな軋み夏夕べ豆くじら
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夕焼の諍い豚足のほろろ豆くじら
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逆光の噴水を背にあかんべえ豆くじら
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半額の総菜許す大夕焼豆くじら
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微熱の夕風あれは蓮の葉音豆くじら
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夕顔や光は指を滑り落ち豆くじら
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風の音撮らむと街に秋立ちぬいととんぼ
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秋夕焼明日またねの影ふたついととんぼ
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繋ぐ手に力のこもる大夕焼梅香
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大夕焼駅舎も人も包み込む梅香
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丑三つの眠らぬ街を赤い月梅香
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画用紙にザリ蟹でっかく赤をぬる梅香
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独居の三時の西瓜パック入り梅香
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君とゆく道もありけり大夕焼カワウソノ介
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ファインダーの「マイバラード」や夏深しカワウソノ介
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刻々と変はる夕焼連写音玲風
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夕焼や入浴のちの水シャワー玲風
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夕映や一本箸の心太玲風
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夕照の蔵に納むる神輿かな玲風
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夕焼や一段跳びの歩道橋玲風
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貼り紙は臨時休業夕焼雲玲風
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秋夕焼け恐竜模様のボトルの子秋結
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夕焼けや沖の彼方に祈りこめ渡辺 あつし
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川音の荒ぶるつり橋梅雨夕焼咲弥あさ奏
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来し方を語る浜辺の秋入日咲弥あさ奏
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夏の影リチャード三世の眼光絵十
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夏霧の中に隠れてゐる小鬼絵十
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生き残り金魚ビアンカの溌剌絵十
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ミラーレスを低く構へて蟻の列絵十
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ミラーレスのカメラ軽々小判草絵十
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行水の写真に祖母と五歳の吾絵十
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ややいびつ茜色した葡萄粒絵十
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晩夏には喉にするりとプリンなど絵十
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朝焼や暗記の方法はカメラ絵十
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夏終るカメラのごとく記憶して絵十
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幾たびも歯医者通いや秋近し絵十
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ゆるゆると秋のからだになつてゆく絵十
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秋はじめ猫の気力も戻りさう絵十
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夕焼けや岬の端の千枚田浅田老遊
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跨線橋特急消える夕焼空清波
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公園の坂の中程夕焼雲清波
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遊歩道木々の切れ間に夕焼空清波
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レンズ越し凌霄の花三度押す清波
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十年の句碑苔生して夕焼雲のぶ
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夕焼けやレンズの奥の生家跡のぶ
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大西日佐渡へと続く海の道のぶ
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真っ赤じゃん空が言ってる熱帯夜あそうさん
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ブルージュのカリオンに暮る秋の雲夏 泊子
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ロードスの巨像にベール秋夕焼夏 泊子
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渡月橋オール軋むや秋の雲夏 泊子
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潮騒へ垂れゆく枝や大夕焼け紗羅ささら
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白ワイン片手に料理夕焼雲紗羅ささら
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夕焼けて椰子は影絵となりにけり紗羅ささら
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薄紅のすじ雲追うて秋の旅紗羅ささら
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立ちどまる横断歩道夕焼空紗羅ささら
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大夕焼け鞄に仕舞ひ旅終ゆるひょんすけ
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夕焼けの稜線瀬田駅行のバスひょんすけ
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稜線はすべてが夕焼け琵琶湖線ひょんすけ
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夕焼けを抱きて己を許したりひょんすけ
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赤富士の裾野の黒や朝まだきひょんすけ
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ビワイチの自転車行けり夕焼雲ひょんすけ
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秋没日母は娘の名を忘る典典
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先輩のシュート外れて秋夕焼典典
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彼女をフォーカスロック夕焼空山河深秋
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夕焼けと歩幅合わせる影ふたつ山河深秋
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夕焼を片思い道草を喰ふ山河深秋
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白南風や今日はカルボナーラ気分山河深秋
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薬飲み空のコップに晩夏光山河深秋
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夏の夜や呪文みたいな夢ばかり山河深秋
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斜光線サハラに沈む大夕焼山河深秋
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レンズ越し戦場の向日葵開花山河深秋
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灼くる土煙おいてけぼりボール山河深秋
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手で掬ふと微動する秋の蛍山河深秋
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墓からの残雪の富士夕景色ふるふるちゃん
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カメラ向けまた逃げられし鳥の恋ふるふるちゃん
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肩越しの夕焼きれい連写音たかはし薫風
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片方のピアスを探す夕焼かなたかはし薫風
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夕焼や息子自慢は既読せずたかはし薫風
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夕焼や浜に響ける青春歌すず
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遠き日の海夕焼眼裏になおすず
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夕焼空屋根を超え行く猫の影すず
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地下足袋を叩く父の背夕焼空すず
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木曜日家裁に務め秋の水妙香
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電柱の下の灯りや田水沸く妙香
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夕焼けに映る自分の山と翳妙香
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金盥庭の真中に油照り妙香
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鉄味で焼く肉甘口秋うらら妙香
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目に夕日焼き付けて五位鷺の立つ五郎八
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子午線を跨ぎて高き雲の峰五郎八
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少女らのあやとり無限鰯雲五郎八
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夕焼けにさんふらわあの呑み込まれ五郎八
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ラの音で始まる歌や夏の果て五郎八
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秋暑し佳作の札に赤リボン五郎八
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太陽の塔跳ね返す西日の矢摂州黒うさぎ
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お肉屋のコロッケに列夏至の夕摂州黒うさぎ
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撒餌より安価夕暮時の鰺摂州黒うさぎ
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店屋物のラップを取れぬまま夕焼摂州黒うさぎ
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残業のカピバラ夜の園涼し摂州黒うさぎ
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牛丼の並が土産の夕焼かな摂州黒うさぎ
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玄関の落書き消えぬ鶏頭花まがりしっぽ
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角合わす五秒の長き青写真まがりしっぽ
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届かない確認メール昼寝覚まがりしっぽ
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消防のサイレン二つ月見草まがりしっぽ
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晩飯はカレーだってば宵待草まがりしっぽ
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気の長き人四代の月下美人まがりしっぽ
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夕焼の色の濃くなる待合室三崎扁舟
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原つぱの勝負預くる夕焼かな三崎扁舟
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軒裏の美しき層塔月涼し能瀬野風
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待ち人や咖哩の萎える大西日能瀬野風
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嶺嶺へ誦する論語や青葉風能瀬野風
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大天使生ふる赫めく大夕焼能瀬野風
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連連と恋する山河大夕焼矢口知
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遅れるとメール送りて撮る夕焼矢口知
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秋夕焼万能でなき時薬矢口知
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はよはよと夫呼びたてる大夕焼寝屋の阿国
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夕焼雲明日は上見て歩こうか寝屋の阿国
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8kに夕焼け空の雲の層沙魚 とと
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夕焼けの海からフエリー入港す沙魚 とと
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就活の証明写真あいの風沙魚 とと
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天空に夕焼け雲の展示場沙魚 とと
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浴衣着て暮れゆく街を待つ時間沙魚 とと
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卯月野に子らの歓声陽が沈む沙魚 とと
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道草や秋の落日母小言沙魚 とと
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夕焼けの海に鳥居や厳島沙魚 とと
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大夕焼へ五階の窓のまだ根元あずお玲子
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良夜かな猫の目脂の真珠めくあずお玲子
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大夕焼け火星に水脈の跡まだらあずお玲子
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広島の夕焼に襞イッセイ逝くあずお玲子
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夕焼の疵金星の背が隠すあずお玲子
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夕焼を射てば赭色の体液あずお玲子
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西を飛ぶ鳥終活の寒茜玉乃とらこ
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最終日「明日は勝つよ」夕焼け空玉乃とらこ
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夕焼けや弁膜症の刻む鼓動無花果邪無
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ゆうやけがすっごくきれいまあいいか無花果邪無
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夕焼けは鴎と海と焼酎と無花果邪無
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ビール飲む冷凍餃子焼きながらじゅりいつ
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泥んこの靴を洗ひぬ大夕焼じゅりいつ
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夏の湖へ木々の輪郭明け染むる千鳥城
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焼きそばやねじり鉢巻夏の海千鳥城
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大夕焼波打ち際へ影二つ千鳥城
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堤防に色無き風を受く二人仲間英与
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秋晴や終の車の新車来る仲間英与
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紅葉や寺に売ってた「写ルンです」仲間英与
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雲巻きて西日は川へ流れ落つかねすえ
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西日満ちリュックへ詰めるカレー皿かねすえ
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夕焼けやプールバックに滲む水かねすえ
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夏惜しむ海岸美術館の青オキザリス
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封筒におまけのカード大西日オキザリス
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夕焼けやバードランドの子守唄オキザリス
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八月のクローズ白き写真館オキザリス
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太っちょの漁師サイパンの夏空オキザリス
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海岸美術館閉づる旱かなオキザリス
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ポーズとるモノクロの吾よ秋近しオキザリス
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夏夜のジンたとえばインマイライフオキザリス
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夕焼けに溶けきり夕食の支度オキザリス
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夕焼けや五臓に満ちるサラヴォーンオキザリス
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夕焼けよギターも弾けぬ男なり空地春水
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夕焼けやエコバッグふたつ分の幸空地春水
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じぐざぐにグラスとポット夏薊小鳥ひすい
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レフ板を順番に持つ青葡萄小鳥ひすい
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麦茶手に電車ごっこの母子像と小鳥ひすい
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眠剤に頼りて眠る暑き夜田村美穂
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腹を出す猫に癒されすごす夏田村美穂
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階段を昇る力もなき夏夜田村美穂
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待ち合わせは十九時海辺夏のカフェ実相院爽花
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二人乗りの下校しがみついて夕焼実相院爽花
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日本海は落日の海大夕焼実相院爽花
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五十嵐の川下今日も夕焼なり実相院爽花
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風鈴や夜中につった脹脛前世ニャン子
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夜学生昼はピザ屋でデリバリー前世ニャン子
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夏休みおちょぼ口で食べてるエイ前世ニャン子
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夕焼けや猫は勤しむ毛づくろい前世ニャン子
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制服に染みしうどんの汁ゆやけ帝菜
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一眼を買うて最初の大夕焼帝菜
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夕凪やごめんね言えぬ口輪筋帝菜
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一人だけダブルピースの半ズボン帝菜
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ペアリング捨てる夕焼の吉祥寺帝菜
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先生のせーのでジャンプ大夕焼帝菜
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夕焼や一瞬世の中が止まった甘蕉
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夕焼や右往左往のカメラマン甘蕉
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夕焼やとろける指で押すカメラ甘蕉
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釣り人に島ひとつずつ大夕焼ちょきさん
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それぞれの夕陽みている秋隣ちょきさん
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夏の果リュックに残るバナナの香ちょきさん
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花火待つ色きめかねし夕空ちょきさん
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カメラマンの横顔笑ふ遠花火ちょきさん
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放課後を花野に遊ぶ風のごと鈴花
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ワクチンを何度打つやら蝉の声鈴花
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一台の散水車夕焼けのグランド鈴花
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夕焼けや帰りて柔く坐りたし鈴花
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グランドの解体進む大夕焼鈴花
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たちこぎの揺らすリュックと夕焼空鈴花
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防波堤釣り竿ならべ夕焼かなみちこ
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童謡を口遊む日や秋の空閑か
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梵鐘の響く広場や梅雨夕焼閑か
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色眼鏡より香り来る秋の色閑か
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宿敵は沙汰無く逝けり大夕焼平野孤舟
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夕焼や水面に揺れる逆さ富士星月さやか
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潮溜りの波紋に映る夕焼空星月さやか
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行水で火照る体を冷やしたる星月さやか
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大西日秩父平の岩登る星月さやか
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夕焼の熊野古道を下りけり星月さやか
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夕焼やショーの海驢の手を握る星月さやか
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夕焼の空へ跳ねたる海豚二匹星月さやか
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秋夕焼昔ばなしの始まりぬ仁葉
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秋風や電話の声のひと言が縦縞の烏瓜
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裾捲るみたらし祭の跣足かな縦縞の烏瓜
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兄弟の仲直りする茹小豆縦縞の烏瓜
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夏の夜のお化け電車の明かり消え縦縞の烏瓜
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肝試し終りひといき月涼し縦縞の烏瓜
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中耳炎ザシュと切開夕焼雲たかね雪
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夕焼けに炙られるコロッケでいいたかね雪
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何を胸に納めたのか鳥雲にたかね雪
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筆箱に詰むる百均大西日染井つぐみ
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清らかに割るるコロッケ梅雨晴間染井つぐみ
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測量士夕焼の深さ測る如超凡
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背の高き撮り鉄ひとり青田の夕超凡
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風鈴に集合陶の町の駅超凡
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蝉時雨アサヒグラフの絡げられ超凡
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大夕焼魚醤の香る屋台街超凡
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御嶽の噴火の記憶夕焼けり揣摩文文
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夕焼けて提灯とぼる酒場かな揣摩文文
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夕焼けて海より出る若狭富士揣摩文文
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さっきまで擬死の蟷螂夕日へと湯屋ゆうや
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夕焼やプロパン置場子が昇る湯屋ゆうや