第23回「カメラと夕焼け」《並》⑮
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第23回 写真de俳句】《並⑮》
-
夏の果「質」の字慣れる手にライカ竹庵
-
月見草マジックアワーを教える竹庵
-
待ちわびた付録の青写真未完竹庵
-
眠り込み秋夕焼けに起こさるるふぃーかふぃか
-
我を撮る亡父の眼差し秋の暮れふぃーかふぃか
-
忘れえぬ夕焼けの赤別れの日ふぃーかふぃか
-
夕焼けをカメラから見る定年後さんさん
-
夕焼け小焼けジャングルジムは哀し花音
-
夕焼けや地球のどこかで人殺し花音
-
茜空ヴァイオリンを手に原爆忌花音
-
夕焼空吾子の待つ家灯りさすすけまま
-
紅夕焼けこの日待ちけりカメラの子青山楽夢
-
今日の菊忘れる母の亡母憶ひわおち
-
全英に笑顔ふたたび秋の風わおち
-
富士の影真中に写し夕焼けかなまさお
-
夕焼けする浅間の峰は枠の中まさお
-
夕焼や金曜ロードショーの夜伊呂八 久宇
-
淡き朱の朝顔撮れば雨の降るりぷさりす園芸店
-
夕立雲ワクチン打つの打たないのりぷさりす園芸店
-
告知後の病室夕焼空遠しりぷさりす園芸店
-
夕空の紅葉に露出補正不可ボンちゃんのママ
-
夕焼やこころ弾いてスマホ取るトシホン
-
廃屋のドアノブ捻る赤い月金井登子
-
夕焼けにつつまれ山を眺めけり宮館裕子
-
夕焼けに回復祈りシャッター押す宮館裕子
-
母の愚痴夕焼けのなか溶けていく藤野百合子
-
夕焼けやだんだん似てくる叔母の顔藤野百合子
-
夕焼けや吾子に教える肉じゃがを藤野百合子
-
口笛や浜に一人の夏の暮ふじばかま
-
潮匂う無人の駅舎大夕焼ふじばかま
-
航跡へ大夕焼けの波と泡ふじばかま
-
夕焼の砂漠土煙遠ざかる江舟
-
穂高晴れ槍剱一射夏の空江舟
-
紐育バッハがマタイ告ぐる春江舟
-
夕焼け見て吾子何恐るるや何泣くや阿呆鳥
-
夕焼けやレンズできりとる風までもくさもち
-
夕焼けに家路をせかされ鬼おわるくさもち
-
夕焼けや息ひとつはき立ちつくすくさもち
-
夕焼や空まで焦がす平和ボケ勝瀬啓衛門
-
黄昏の影絵を写す夏の夕勝瀬啓衛門
-
茜雲まだ燃え残る夏の果勝瀬啓衛門
-
とりかぶと火の字に人の字ありけり葉村直
-
呼吸するたび鱗雲ほころびぬ葉村直
-
冷やかや撮るとは伝へるてふこと葉村直
-
夕焼けや声はずませし里の母うた英音
-
夕焼雲初めて見たよと母が言ふうた英音
-
ぼくたちは戦争しないよ揚花火水きんくⅡ
-
大夕焼追いかけたい逃げ出したい水きんくⅡ
-
鈴虫やお迎へ時間まにあはぬ理佳
-
宵闇やぬっと現る牛の首理佳
-
群青の山河を抱き大夕焼け千思
-
夕焼けの変わる景色を連写かな丘るみこ
-
宵星も鳥も夕焼けの彩なりて桐山はなもも
-
叶わねど叶う日も来る大夕焼桐山はなもも
-
電線は五線譜のごと夕焼雲潮見悠
-
新妻の数珠は桃色夕焼雲佐藤レアレア
-
はじまりはラベンダー色大夕焼佐藤レアレア
-
夕焼けに吾の眼裏の真つ赤かな佐藤レアレア
-
夕焼けに光る猫髭レンズ越し佐藤レアレア
-
三伏や日の出・日陰に伸子張る染 そめ女
-
大西日米研ぐ水はぬるきかな染 そめ女
-
山宿の湧き水にぷかぷか蕃茄弖爾乎波
-
塾帰り駆け出す子らへ夏茜弖爾乎波
-
カメラ持ち花鳥風月夕端居猫屋ハチワレ
-
夕焼や窓辺の花瓶赤く染む藤齋
-
夕焼けや波立つ雲の広画角駒義
-
立ち漕ぎでとんぼかき分け帰る夕にゃんちゅう
-
旅行けば哀しみつのる夕焼雲みなごん
-
秋夕焼シャッター音に封じ込み天亨
-
みんみんの生きのびてをり茜雲なつめ
-
夏の恋シヤッターを切り終へにけりなつめ
-
はなやかに暮るる海原大夕焼なつめ
-
寒茜絞り優先星一つ北斗星
-
赤鬼の涙つくりし夕焼雲遠きいち(とおきいち)
-
月光のいろは坂神門開くを待つ遠きいち(とおきいち)
-
夕焼や初めて降りる隣り駅花岡貝鈴(苗字を付けました)
-
さざめくや逢魔が時の彼岸花仁科游凜
-
梅雨夕焼煮詰まる辞書編纂室も立石神流
-
びいどろの吹き棒ひとつぶの夕焼立石神流
-
夕焼や鶴の舞橋呼ぶ木魂立石神流
-
籠を出てうしろの正面は夕焼立石神流
-
夕焼やぶつかる宇宙ゴミ無音立石神流
-
夕焼や瀬戸大橋の白装束立石神流
-
君は上から見ているかこの夕焼立石神流
-
山粧ふ茶屋の親父の手製杖小鉢
-
満艦飾めくベランダや雨後の空小鉢
-
理髪店臨時休業すがれ虫小鉢
-
夕焼けや砲弾痕は闇へ消ゆぼたん
-
戦争の明日占う朱夏に立つイケダエツコ
-
鳥の行く先戦争の朱夏に立つイケダエツコ
-
逢間時彼岸のあなたを撮りたくておぎ丸
-
鰯雲は大漁卓袱台にも鰯おぎ丸
-
遠き山ピントは君の背夕焼け雲豌豆緑
-
被災した田んぼにもまた雁来たる島たけのこ
-
夕焼けや異国の戦火は未だ止まぬ遥風おんぷ
-
夕焼け染め影浄らかな君の頬三橋くおん
-
夕焼けのむこうに描く我が未来凛ひとみ
-
夕方の山百合さあ!六連休凛ひとみ
-
臨月の胎児うごめく夕焼雲今井モコ
-
夕焼けやバックミラーの阿蘇噴火家族で作る俳句チャンネル
-
影絵とは寂しさの色秋の暮高田ねこぱんち
-
写真撮る君をまた撮る秋夕焼高田ねこぱんち
-
君の影溶け込んでゆく夕月夜高田ねこぱんち
-
台所の火を集めて鰯雲猫音和音
-
秋夕今日に緋色の幕が下り猫音和音
-
大夕焼派遣初日のひとり酒沙月
-
大夕焼はじめてできたさかあがり沙月
-
さよならは空いっぱいの大夕焼け春蘭
-
夕餉時母の声する大夕焼け春蘭
-
願掛けるフィルムに写れ蝉時雨画 喜多文
-
足元に敷き詰められて下がり花画 喜多文
-
鬼灯や音も立てずに暮れてゆく齋藤ちの
-
暑がりの龍は何処へ秋夕焼齋藤ちの
-
行く夏の空や夕日の青褪せて齋藤ちの
-
夕焼けや影絵の君に歩み寄る柴咲メグミ
-
「美の山」の鳶は孤高秋夕焼け沙煌
-
かなかなや一瞬を待つカメラマン兎波
-
大夕焼あの外灯に何かいる大山和水
-
瘡蓋を剥がす速度や大西日大山和水
-
夏の暮火球落ちたる過疎の村大山和水
-
伝説のダンサー踊る夕焼かな大山和水
-
身に入むや老母の脳の断面図てんむす
-
秋夕焼けの焦土キャタピラの轍てんむす
-
たらちねの皺に濃き影秋夕焼けてんむす
-
戦場の子らの息吹よ星月夜てんむす
-
各停の発ちてホームは夕焼なりちゃんこ
-
ネコバスが電線蹴って大夕焼ザイコン
-
天球の底砂利道で門火焚くザイコン
-
迎え火や空の縹は濃く淡くザイコン
-
熱帯夜ペットボトルはカサカサとコンフィ
-
びしょ濡れの他人の腹に秋気ありコンフィ
-
引き籠りの本棚整理牛蛙コンフィ
-
夏の夜明にグレービーソース煮るコンフィ
-
無骨なる手は父譲り大夕焼鬼太郎
-
ジョッキーに注ぐ焼酎明日の糧鬼太郎
-
夏の果て僕だけ君を知っている映莉帆
-
走りくる孫の向こうに大夕焼け木のおうち
-
夕焼けの中に自分と八ヶ岳木のおうち
-
夕焼けや見つめる先は我ならず桜草
-
夕焼けを撮ってるあなたを撮っているのえ
-
廃窯の中迄赤し夏夕日つんので さるく
-
夏燃えし過去にレコード針を置くつんので さるく
-
原爆忌終着駅の車停めつんので さるく
-
設定は夕日モードや寒茜あめをんな
-
寒茜シャッターチャンス五十秒あめをんな
-
シャッターのチャンスは二分冬茜あめをんな
-
寒落暉追ふ横顔をそつと追ふあめをんな
-
夕焼に母待つ子等の影画かな重武
-
鍵っ子の母待つ窓の夕焼かな重武
-
自転車を止めて写メール大夕焼重武
-
夏の夕カメラは愛しと天仰ぐ藤森海斗
-
ウインドに金賞映える大夕焼すねこすり
-
恋知らず君が切り取る大夕焼すねこすり
-
踊見に飽いてカメラを構へけり宮澤朝子
-
夕焼けの増上寺風はたおやかに鳥井森春(しんしゅん)
-
夕焼けに影ふみしてる交差点鳥井森春(しんしゅん)
-
夕焼けのうつろふ今ぞシャッター押す青井季節
-
夏果ての遺愛のレフを構へ見るさくらナッツ
-
大夕焼切り絵のごとき女の手さくらナッツ
-
あの夏の戦禍や低く南無阿弥陀佛ムカイトロゲ
-
疾く疾くと留守電三度大夕焼ムカイトロゲ
-
夏の夕湯の香ただよう散歩道歩徒
-
夕焼けに君の心を写し撮る樹浪
-
遠ざかるハーレーの音夕焼け空きりんねこ
-
行間に君しか見えない夕焼け空きりんねこ
-
トロイ陥ち慟哭の城大夕焼おまめ
-
ブレーメンやってきそうな大夕焼そいらて
-
夕焼け雲誰も彼もがカメラマンそいらて
-
夕焼を切り取るモノクロフィルムにてそいらて
-
秋麗や祖父の遺したシャッター音立川猫丸
-
売れ残り刺身は卓へ夜の秋コウ
-
四角い夕焼け不意に帰路の鴉亜沙郎
-
夕焼けとロゼで乾杯ルビー婚横須賀うらが
-
カメラにも緋のかほり大夕焼横須賀うらが
-
夕焼けや習字の帰り田にはまるくえん酸子
-
鱗雲のうろこ数えて午後三時たーとるQ
-
秋夕焼溶暗したり通夜の刻うくちゃんま
-
返信を一写に込めて夏空へ山光ライナー
-
夕焼や父のモノクロ捨てられずのりこ
-
残照に影の焔か曼殊沙華真夜中のまみぃ♪
-
祖母の手が撫でたミズキの実よ秋よ豊嶋大空
-
故郷の夕暮れ思ふ夏休み仙伸
-
三日月の剣先研ぐや槍ヶ岳紫菫
-
発つ吾子の荷物重たし秋の暮れ紫菫
-
背伸びして明日のあさがお数えをり紫すみれ
-
立山登頂雲海に聳ゆ朝の富士しら露
-
影映しシュールレアリズム大西日小鹿
-
どす黒き幽霊が夕焼を見てにちゃりと笑ふ深町宏
-
秋燕や実家を終う帰り道麦野 光
-
待ちぼうけ百枚撮った秋の空麦野 光
-
蹴り上げし靴見失う大夕焼け松本厚史
-
レンズ越し手を振る君の背に夕焼はま木蓮
-
一瞬の無音の夏をとどめたり迦楼羅(かるら)
-
夕焼けに我が身を委ね上を向くまほろば菊池