写真de俳句の結果発表

第23回「カメラと夕焼け」《並》⑭

第23回のお題「カメラと夕焼け」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第23回 写真de俳句】《並⑭》

  • 若き日の吾なら君へこの夕焼けを
    藤田ほむこ
  • 誰がためのファインダーごしの夕焼け
    藤田ほむこ
  • 燃え尽きて甲子園にはあきあかね
    藤田ほむこ
  • 顔出し看板舌出して夏休み
    田野こみち
  • 林檎たわわ光をぎゅう詰めにして
    田野こみち
  • 夕焼やあづま屋に聴くフランス語
    春田寧々
  • 夕焼や指差てんこ薬品庫
    春田寧々
  • 着信す夕焼やつっかけてベランダ
    春田寧々
  • 夕焼の街疾走のラブラドール
    春田寧々
  • 夕焼や英語訛りのホントキレイ
    春田寧々
  • 前傾姿勢アスファルト蹴る水鶏かな
    春田寧々
  • 看護師のズボンのほつれ夕焼雲
    春田寧々
  • 夏空や灯火管制ぬか団子
    稽古
  • 空襲や此処浅川の大夕焼
    稽古
  • 蝉時雨残り五秒の教室を
    稽古
  • マンションを絵筆で測り夕焼け雲
    望月円
  • 息をのみシャッターチャンスか紅牡丹
    望月円
  • 茜空ビールの空き缶ころがして
    松下眞す美
  • 春日山神も夏負け茜空
    松下眞す美
  • グローブに指でオイルを塗る良夜
    田近 詩泉
  • パドックに食い入る父の文化の日
    田近 詩泉
  • 天高し野球チームの公園清掃
    田近 詩泉
  • 三世代同居の夏野菜カレー
    深生
  • 夕焼けのアルプス背負う永代供養塔
    深生
  • 夕焼去りこれから星を見に行こう
    深生
  • 赭の空蝙蝠ふよふよ明日は雨
    深生
  • 夕焼雲あなたに見せる為に撮る
    深生
  • 大夕焼ガス止めエプロンつっかけで
    深生
  • 出ておいで出窓で囁く夕焼雲
    深生
  • 夕焼雲流れ込む厨の小窓
    深生
  • 秋夕焼遺影にしてねはいチーズ
    根無し草ダンデライオン
  • まどろんで亡き人の声盂蘭盆会
    康女
  • 取り込んだ服の山から蚊が二匹
    紫桜
  • 夕焼の写る画面に長き影
    水川 海豊
  • 夕焼のシャッターチャンス影法師
    水川 海豊
  • 幼子とつなぐ手と手に秋夕焼け
    亀子
  • またあした砂場も静か夕焼ける
    亀子
  • 就労の丸き背中に夕焼けぬ
    亀子
  • 夏祭り12枚目のフィルム巻く
    宇久令々
  • 夕焼けや庭に七輪焼く魚
    道見りつこ
  • 夕焼けや洗濯物を取り込んで
    道見りつこ
  • 一夜貸す傘空蝉となれるやう
    常磐 はぜ
  • 甘酒や母撫でるまで痛き傷
    常磐 はぜ
  • 夕焼撮る一回一回これつきり
    常磐 はぜ
  • 大暑の夕薄く震へる水平線
    山浦けい子
  • 夕焼雲あの下あたり父住まう
    明甫
  • 夏雲や上へ上へと拳上ぐ
    明甫
  • 炎天を収めて日輪山の端に
    ぎょうざ
  • 終戦忌父亡き友の幼顔
    ぎょうざ
  • 夕焼か刻まねどある銀時計
    坊主
  • 大夕焼釣竿背負い妻行かん
    坊主
  • 秋没日レンズの向こうに明かり点々
    麻麻
  • 葉月のカレンダーは赤赤と染まる
    穂美
  • 蝉時雨手と手を繋ぎ老夫婦
    穂美
  • 夕焼や大きく口を開けている
    きたくま
  • 夕焼けのまばたきすれば消えにけり
    きたくま
  • 九ちゃんの口笛も愛し秋夕焼け
    渡辺香苑
  • カメラの眼夕焼空を切り取りぬ
    七味
  • 抗体の生まるる熱や大夕焼
    七味
  • 片付きて夕焼の壁箪笥跡
    七味
  • 子の寝顔車窓の夕焼け妻の笑み
    美川妙子
  • 夕焼けや砂場で遊ぶ吾子一人
    美川妙子
  • 保育園縮れ向日葵茜色
    美川妙子
  • シャッターはアイス落とした2秒前
    美川妙子
  • 夕焼けやシャッター押す手ぶれている
    美川妙子
  • 夕焼けを卒寿の母と喜ぶ日
    木乃芽依
  • 夕焼け空ベンチに立って母を待つ
    木乃芽依
  • フイルムの遺りしカメラ星月夜
    木乃芽依
  • 秋暮るフラッシュ眼に残りけり
    木乃芽依
  • レンズ見る父の褪せたる夏帽子
    木乃芽依
  • 夕焼や明日はどこまで旅しよう
    杏子
  • 押し入れにアベノマスクや秋夕焼
    いわかみ かほ
  • お電話をお待ちしてます曼珠沙華
    いわかみ かほ
  • 秋夕焼明日は更地となる遺跡
    いわかみ かほ
  • 婦人科でジュリーのバラード秋の暮
    いわかみ かほ
  • 牽制で試合終了秋の虹
    いわかみ かほ
  • 灯火親しむ久々の麗子像
    いわかみ かほ
  • 夕さりや今日三つめの秋に会い
    いわかみ かほ
  • 夕焼けて一本早いバスに乗る
    雅空
  • 電柱の良い塩梅に夕焼かな
    茶茶の嬉嬉
  • 大夕焼軒を出けり犬と吾と
    茶茶の嬉嬉
  • お隣を呼んで来てゐる夕焼かな
    茶茶の嬉嬉
  • 大夕焼フィルム現像待ち遠し
    山田企鵝
  • 祖父の背やペダルと息と大夕焼
    戸村友美
  • 朱の空と千本鳥居風死せり
    戸村友美
  • 曇り空無音の風に沈丁花
    道工和
  • 昼下り駅へ片陰続きおり
    道工和
  • 草刈るや子らの歓声キックボール
    道工和
  • 秋隣り造花供えた石仏
    道工和
  • 夏疲れ眠れぬままに東雲か
    瑞陽庵
  • 青林檎茜の空を吸い込みて
    瑞陽庵
  • 夕焼けやパイプオルガン響きけり
    水野 淨子
  • 円陣の幌馬車隊へ夕焼空
    野薔薇
  • 夕焼の土管広場に立ちん坊
    野薔薇
  • 夕焼空シャッター音はミナマタを
    野薔薇
  • あの曲は帰りのチャイム夕焼空
    野薔薇
  • 子に歌ふ父ナイターの応援歌
    野薔薇
  • 信号機のボタン押さずに秋夕焼
    木原トモ
  • 処女作の上梓たまはる秋夕焼
    木原トモ
  • 秋夕焼ついとスマホに閉じ込める
    木原トモ
  • 白靴やラストひと蹴り連写音
    沢山葵
  • 秋深しよい子の笑ふ窓明かり
    おりざ
  • 秋冷や窓よりほのかバスクリン
    おりざ
  • はればれと母の遺影も卒業す
    おりざ
  • だから僕らは明日を祈る夏の果
    おりざ
  • 多数決は胡散臭い土用波
    おりざ
  • 喧嘩して名所の夕日ひとり秋
    のた
  • 八月の茜の空とポチと吾と
    のた
  • 暮れなずむ下流の空に旱星
    白猫のあくび
  • なにもかも忘れてしまひたい夕焼
    白猫のあくび
  • 大夕焼おかんの口も半開き
    白猫のあくび
  • 南風に声「さういふきみはたれですか?」
    白猫のあくび
  • ラストラン列車撮る背へ西日かな
    朱葉
  • 航跡も夕焼け空もいつまでも
    朱葉
  • 夕焼けやスカイツリーは右隅に
    朱葉
  • 充電器探す間に西日落つ
    朱葉
  • 夕焼の海友と頬張るいかめし
    翠雨
  • 夏の夕飛行機雲のほの赤し
    翠雨
  • 膝つきし七寸先の蝉の殻
    緑萌
  • 夕焼けに見入って忙しない夕餉
    智空
  • 夕焼や青きビー玉模した星
    久蔵久蔵
  • 沙羅の花うす紫の夕葉騒
    久蔵久蔵
  • 明日は晴れ櫓組む空夕焼けて
    真論
  • 自撮り五回目に水平梅雨夕焼
    孔裕
  • 山荘の床の傾斜や大西日
    孔裕
  • 談話室アクリル越しの夕焼雲
    孔裕
  • 大夕焼けハンドル揺らす夫の声
    しせき
  • 盆帰省家族写真に俺いない
    しせき
  • 夕焼けに一声だけをかけてみる
    ささゆりの芽
  • 夕焼けはチョコの心の色に似て
    ささゆりの芽
  • 暗室のネガ手探りの夕焼け雲
    島田雪灯
  • 夕焼けに句読点ペンダコは赤
    島田雪灯
  • 赤富士を借景にして酒もっと
    中平保志
  • 泣いてないまさか夕焼けなどにもう
    中平保志
  • 夏帽子被りしままで写真撮る
    中平保志
  • 夕立に濡れて乾けり土佐清水
    中平保志
  • 夕焼けに僕は報道カメラマン
    中平保志
  • 夕焼けに何処の何方か解らない
    中平保志
  • 職質に笑顔で返す夕焼けだ
    中平保志
  • 終業に夕焼け在りぬ比留間歯科
    中平保志
  • 包帯を巻きて夕焼け溶け込みぬ
    中平保志
  • 夕焼けや三ツ藤内科クリニック
    中平保志
  • 夕焼けを解説するは群馬の子
    中平保志
  • 夕焼けに男体山と女体山
    中平保志
  • 八畳の隅々隅に大西日
    中平保志
  • ことごとく夕焼けすっぽりビルの裏
    中平保志
  • 河童忌や文士の収入を思ふ
    中平保志
  • 汗ばみて夕方の公園に居り
    中平保志
  • もう帰ろヤダ噴水へ再突入
    めいめい
  • 逆上がり右足夕焼に突き刺さる
    めいめい
  • 十倍にズーム打席の君の汗
    めいめい
  • 空燃ゆる夕日溶鉱炉のごとく
    芳野
  • ひつじ雲群れて離れて紅に
    芳野
  • 吾子占めるフォルダ四年前は夕焼け
    都月もなか
  • 旅先のスライドショーほぼ夕焼け
    都月もなか
  • 結果まだ紫夕焼け刻々と
    都月もなか
  • 借りた本返さないでいる秋夕焼
    伊沢美香
  • 日光へNikonと財布だけの秋
    伊沢美香
  • 大夕焼倭國大亂二世紀に
    のさら子
  • 買い食いのコロッケ両手に春夕焼
    のさら子
  • 踏みしだきたし多佳子忌の空の赤
    ぽっぽ
  • 秋灯や帰れる家を探しつつ
    ぽっぽ
  • 夕焼を塗られ還暦まで歩く
    ぽっぽ
  • 夕焼けを待つも楽しき初カメラ
    百合葡萄
  • 夏の夕点滴越しの紅い雲
    三太郎
  • 雲海を待つ父の残したライカ
    三太郎
  • 空赤し柄の分からぬアロハシャツ
    三太郎
  • アナベルの純白残る夕間暮
    柚木 啓
  • 夕焼けに包まれ切り絵の樹と家と
    柚木 啓
  • 別辞なく三十五年の夕焼空
    美輝
  • 網膜に焦燥刻む夕焼空
    美輝
  • 夕焼けやロマンチストと驚かれ
    ねね
  • 午後五時の昼の花火や狼煙咲く
    茅野逢斗
  • 夕焼す最後の一枚無人駅
    てん
  • 秋暑し行方不明の定期券
    岸野ゆり
  • 月涼し静かの海を探しをり
    岸野ゆり
  • ガチャガチャの当たりは出ない秋夕焼
    袋小路 綴乃
  • ガチャガチャの当たり来る吾に大夕焼
    袋小路 綴乃
  • 夕焼を見にゆくのみの一人旅
    袋小路 綴乃
  • 夕焼けまでスイートポテト作る午後
    葉月緑正
  • 空蝉を数えてカメラ横に置き
    葉月緑正
  • 一天の朱なほ燃やす龍田姫
    鯨尺
  • 巴旦杏シャッター音に熟れにけり
    鯨尺
  • お日様も疲れた言よる夕花野
    月ぼんぼん
  • 母娘旅いくら多めの親子丼
    月ぼんぼん
  • 元彼は少しブサイク揚花火
    月ぼんぼん
  • 漸くにひと日の終わる夕焼空
    旭山
  • 写真捨て思い出捨てて夏野行く
    旭山
  • ほのぼのと夕焼けの影に犬走り
    愛華
  • 夕焼けやカメラが趣味なのこの子はね
    愛華
  • 片蔭にレンズキャップを缶の上
    居並小
  • 大夕焼ガードレールの凹み満ち
    居並小
  • 香水やまつ毛の音を撮るカメラ
    居並小
  • 大夕焼ドライブインシアター開く
    居並小
  • 夕焼けて鄙の車は白ばかり
    居並小
  • 夏雲の鯨を仕留む電波塔
    居並小
  • 電線のたわみ地層の夕焼雲
    居並小
  • 帰省して小魚多き山の川
    居並小
  • 街灯の明滅濁り火取虫
    居並小
  • エジソンの仏舎利夏の電波塔
    居並小
  • 夏の夕帰れとカラスに餌投げる
    かや楓
  • 夕焼雲妊婦映りし潮だまり
    ねこじゃらし
  • 大夕焼海辺に伸びる影二つ
    ねこじゃらし
  • 空と海一つになりし大夕焼
    ねこじゃらし
  • 雨上がり匂いの先に薔薇の園
    あらまち一駒
  • ワッ燃えてるシャッター押した夏の夕
    あらまち一駒
  • 赤富士や特選光る文化祭
    あらまち一駒
  • 夕焼けや太陽を呑む日本海
    佐渡の爺
  • 夕焼けや妻の下血の真っ赤血
    佐渡の爺
  • 夕焼けや妻入院の家一人
    佐渡の爺
  • 夕焼けやまな板ひびく夕厨
    佐渡の爺
  • 夕焼けや鉄棒に乘る長い影
    佐渡の爺
  • 夕焼けも潮騒さえも消えにけり
    フジ・シズカ
  • 夕焼けも浜の匂いも通過点
    フジ・シズカ
  • 君の手はズームに夕焼け浜散歩
    フジ・シズカ
  • 「虹はまだか」と追う視線夕立晴
    雨白まな
  • 復路便シャッター納めの夕焼雲
    ゆりず
  • 七夕やライン添削ペン習字
    林房恵
  • 夕焼けや引取て待つクリーニング
    林房恵
  • 夕焼けや火葬の煙母送る
  • 火葬後の夕焼けに鳴く烏かな
  • 夕焼け消ゆ形見のカメラ作動せず
  • 赤かりしあの日の夕焼け夫危篤
  • 撮影の息抜き眺む夕焼なり
    今西 知巳
  • 応援歌アルプス席の夕焼かな
    今西 知巳
  • 競馬場負けての末や夕焼雲
    今西 知巳
  • 早朝のCM収録もう夕焼
    今西 知巳
  • 雨上がり君と行く虹のトンネル
    ただいまただし
  • 夕まずめ水面に光る赤い影
    ただいまただし
  • 白米やかぼす醤油にいわし雲
    砂 芽里
  • 旱星川底に沈む朽木
    りゅう
  • 「描きたい」と小学生男子大夕焼
    りゅう
  • 大夕焼共に歩けど寄り添えぬ
    あまねく みぞれ
  • 夏の日の果つる際まで君を撮る
    大川晶希
  • サンダルを海の砂ごと持ち帰る
    大川晶希
  • 風に髪嬲らせたまま夏の暮
    大川晶希
  • 大夕焼補陀落行きの小舟かな
    PON
  • 大夕焼光のショーは二分間
    はなハチコ
  • 夕焼空篳篥の音と沖の船
    はなハチコ
  • 引き浜に傘差しジャンプ瀬戸の夏
    はなハチコ
  • 夕焼けに響く歌声テアトロン
    はなハチコ
  • ミャーミャーと飛び交う浜の夏の夕
    はなハチコ
  • 足急ぐ無口の下山夕焼空
    はなハチコ
  • 朝凪にカヤックは二艘瀬戸の海
    はなハチコ
  • 早朝の山よ涼しき足軽し
    はなハチコ
  • 夕焼けの帰宅電車の壁の赤
    いちはしノブ
  • 石けって面影赤く夕焼けて
    わこのこ
  • 夕やけに謝し鈴ひとつひとり言
    わこのこ
  • 夕焼けに押されて帰る独子よ
    わこのこ
  • 高速連写夕焼け雲は風に
    本間 ふみふみ
  • 大夕焼瓦礫に沁みる街のこゑ
    本間 ふみふみ
  • シャッター音夕焼け地獄のみ込みて
    たてがみなびく
  • レンズ越し恨み千年夕焼ける
    たてがみなびく
  • 夕焼けや千度生まれて千度死す
    只野
  • 棒の如立ち尽くす影あの夏野
    只野
  • 万燈会ホタルブクロに灯を入れよ
    只野
  • 朝焼けや今日一日の罪の色
    只野
  • 出水後の茜やうしろめたき感嘆
    只野
  • 時鳥鳴くやささくれ立った闇
    只野
  • 黒雨後裏切りの如夕焼けて
    只野
  • 濡れそぼつ向日葵ふたつ沈む朝
    只野
  • 風一陣叫ぶが如き草いきれ
    只野
  • 寂しさは痺れに似ると気付く夏
    只野
  • 雨後の蚯蚓陽と熱風に炒られおり
    只野
  • 空裂く雷誰かが死にかけている
    只野
  • 姫女菀咲く野茜に沈没す
    只野
  • 目覚むれば遠雷闇を瞬かせ
    只野
  • 樹も鳥も人も押し黙る炎暑かな
    只野
  • 凪の夕縄跳びの音絶えし路地
    只野
  • 大夕焼けスマホ画面の凝固熱
    只野
  • ライオンキング夏の夕日に誓う父子
    山下こりす
  • 夕焼けや月と金星ランデブー
    山下こりす
  • 台風接近紫の夕暮れ
    山下こりす
  • 甲子園夕日の似合う夏球児
    山下こりす
  • 不戦を誓うオレンジの夕焼けに
    山下こりす
  • 夕焼や旦過市場に火災跡
    鳴海沓子
  • 夕焼けや終わりの来ないかくれんぼ
    いろはにぽてと
  • 下駄の音三年越しの花火音
    モト翠子
  • 夕焼けの浜辺で叶う初恋や
    野乃梨
  • 夕焼けや買い物帰りの回り道
    野乃梨
  • 夕焼けを追って回り道で帰る
    野乃梨
  • 直葬を終え鶺鴒に斜陽さし
    大高あみ
  • ファインダー濃紅の夏の戀
    卯月紫乃
  • まなうらの君の一眼慈悲心鳥
    卯月紫乃
  • 街頭のぽつりぽつりと宵の闇
    卯月紫乃
  • 紅ばかり減る刺繍糸夕焼雲
    卯月紫乃
  • 空はゆやけ旗ひるがえし舟もどる
    れいまめ
  • 夕照の渚サーファーの影のびて
    れいまめ
  • 富士を背に角持つ鹿の夕映えぬ
    れいまめ
  • 夕焼や明日の晴天写し取り
    桃香ののの
  • ファインダー越し時空歪む夕焼
    桃香ののの
  • 眉月や群青溶かし茜染む
    晴芽みやび
  • 秋の山移ろう彩雲灯る街
    晴芽みやび
  • 曼珠沙華祝われずとも生きてやる
    晴芽みやび
  • 出雲路へパンフレットの秋の夕
    風薫
  • 老犬と写真におさまる夏夕焼
    風薫
  • 黄昏のファインダー越し椋鳥の群れ
    風薫
  • 幕降ろす母逝きし日の秋夕焼
    ichiko
  • 曼珠沙華吟行の地は朱一面
    ichiko
  • 母縫し浴衣の帯のあかね色
    ichiko