第23回「カメラと夕焼け」《並》⑬
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第23回 写真de俳句】《並⑬》
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メルカリへカメラ西日のシャッター音のつり
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子と連写する道春夕焼ずっと窪田ゆふ
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冬茜あの日確かに恋してた窪田ゆふ
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夏の暮スーツで並ぶ惣菜屋木香
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夕焼けにたどり着いたる登山小屋朝のお散歩
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切り株に立ち逝く夏へ一眼レフ踏轍
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夜の電話ボクスに迷い込む盆霊踏轍
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夕暮れの波止へ独語を捨てにゆく踏轍
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大夕焼け隈なし無人観覧席踏轍
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墓建てて終う一代や盆の月踏轍
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片陰に止まる初老の靴の減り踏轍
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旅の荷をまた一つ捨て炎暑行く踏轍
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反戦の鶴鋭角に折る短夜踏轍
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距離感を測る雑談冷房弱踏轍
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ど真ん中の球を見逃し夏終わる踏轍
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ボイジャーのような親父の精霊舟踏轍
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秋の宵今日は濃い目のハイボールなっとう
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午後八時近所の坂へ花火かななっとう
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夕焼雲空の宅配オカリナの音西木いぐあな
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梅雨夕焼昼の蒸し風呂忘れけり西木いぐあな
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浜昼顔右ひじ砂に初接写西木いぐあな
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夕焼や問いも答えもすべて吾西木いぐあな
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夕焼け空太き電線五、六本あなうさぎ
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夕焼け空カメラの蓋は崖淵にあなうさぎ
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夕焼け空主翼に侏儒か雲影かあなうさぎ
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くれなゐの夕焼ひと切れ持ち帰る明後日めぐみ
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夕餉の香ビニルプールを畳みけり明後日めぐみ
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一隅より涼風の来て日の暮るゝ明後日めぐみ
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最後の手紙探しゐる夕焼かな明後日めぐみ
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夕焼空縫合痕のくっきりと明後日めぐみ
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白球や膨張止めぬ夕焼空明後日めぐみ
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夕焼けや吾子とジャンプの父母が浜ラグビーじいじ
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桟橋のドラマは続く大夕焼曾我風蘭
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大夕焼入鹿首塚青き影曾我風蘭
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夕焼や黒き小舟の見え隠れ曾我風蘭
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夕焼けの残照僅か伊那の谷曾我風蘭
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空襲はこの夕焼より赤かった曾我風蘭
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夕焼や辻で強請ったガムとチョコ曾我風蘭
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夕焼や赤い自転車交差点みゆき
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夕暮れや野原いっぱい姫女苑さこうみゆき
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ベタベタに溶けたわたあめ夕焼雲伯野沙子
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盆踊り姉の兵児帯握りけり伯野沙子
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夕焼けやカメラをのぞく君うつす律
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大西日カメラの中のカメラマン律
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ばいばーい夕焼け冠るびーる工場紫黄
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街の一画ビール工場に夕焼け紫黄
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病の娘憂へ七年秋の末牛乳符鈴
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夕焼け見し吾の青雲の志牛乳符鈴
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秋夕焼カメラがチャンスせがむからあさひ
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身に入むや肖像権を学びをりあさひ
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写真部の顧問代わりて秋の雲あさひ
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夏の暮あの人のピースを真似る天宮ほたて
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大夕焼吾子は遠慮がちなピース天宮ほたて
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敗けた日の握り拳へ秋夕焼天宮ほたて
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物理屋の歪むコンパス大西日ぐずみ
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まくなぎの命夕陽のまなかひをぐずみ
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望楼に見張る二名やゆだち雲ぐずみ
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無住寺に遺る鐘楼夕焼雲ぐずみ
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朝涼し孫の机に「夏の友」ぐずみ
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コンビニで休む大型大西日ぐずみ
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歩道橋越えてお使ひ秋の空ぐずみ
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秋夕焼負けるが勝ちと云ふ止揚ぐずみ
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放棄田を詰るご先祖春の雷ぐずみ
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原爆の死者や生者や秋夕焼ぐずみ
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世話好きの女ともだち秋立ちぬぐずみ
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定時制高校四年春夕焼ぐずみ
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秋茜くねくね道を喘ぐバスぐずみ
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夕焼やキリンほどには伸びぬ首ぐずみ
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開拓村消えたる峠秋夕焼ぐずみ
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微動だにしない監獄大夕焼ぐずみ
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印籠のたばこケースや大夕焼月石 幸
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夕焼けてテニスコートの球拾ひ月石 幸
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大西日生まれた順に決まる部屋月石 幸
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鉄橋を「ひのとり」過ぎて大夕焼月石 幸
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夕焼空友はソプラノ吾はアルト月石 幸
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夕焼空父の財布の小さきこと月石 幸
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橋上のテールランプの先の月楽和音
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彼岸花手桶の水滲む土手の道楽和音
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夏の浜夕焼け模様のワンピース楽和音
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大夕焼己の道を歩みをり山棚佳津
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お揃いのキーケース買う夕立晴山棚佳津
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夕焼や象の家族のシルエット山棚佳津
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昼寝子や母子保健課の不在票山棚佳津
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蝉時雨E判定のキャンパスへ山棚佳津
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夕焼けて熱混ざり合う野外フェス山棚佳津
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校庭に落ちた蝙蝠球の痕俊恵ほぼ爺
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玉虫の死骸ブリキの銀缶へ俊恵ほぼ爺
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夕焼や貝ひらふ影そっと踏み俊恵ほぼ爺
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綿菓子の甘く溶けゆく夏去りぬ俊恵ほぼ爺
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風死して男衆バスを押しがけす俊恵ほぼ爺
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喝采のホールや楽日の大夕焼もりのもりす
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なんだかなぁ猫の余命と大夕焼もりのもりす
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夕焼けにクレーンすっくとそびえ立ち春のぽち
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五時のベル雨のにおいと夕焼けと春のぽち
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夕焼けや母とはぐれし茶トラ猫春のぽち
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りんご飴石段並び夕焼け雲春のぽち
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夕焼けにドボルザークの弦の音春のぽち
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夕焼けや缶蹴り上げて今日は塾春のぽち
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渡し船対岸はゆうやけのくに小町ちまこ
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おぶわれて背中に夕焼けの温度小町ちまこ
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夕日差す明日にはもぐミニトマト小町ちまこ
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さよならも夕日の一部夏の果て小町ちまこ
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横顔は三割増しの夕焼けかな小町ちまこ
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馬匹車の北へ南へ夕焼へ仁
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夕焼けをぐいと絵筆に画用紙へ仁
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夕焼けの山紫へ花火待つ仁
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夕焼けや白骨林の黒き影仁
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夕焼けの河原飛び立つ群鴉仁
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大夕焼け沖へ海豚の群れの飛ぶ仁
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グリーンフラッシュ夕焼けのカリブ海仁
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夕焼けの業火は闇へ「火車」閉じる仁
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網走の朝焼けや今君の瞳に長渕ゆず
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夕焼は無色エアコン二十五度山口鵙
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赤シート越しの黒板羊雲つぶ蛙
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夕焼や塾の帰りのコロッケ屋さくら英華
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朝焼けや道に大の字猫二匹さくら英華
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立秋や厨に碧い宵の風さくら英華
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秋服や草木と土の色静かさくら英華
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ウイッグを選ぶ病室秋の暮美雪晴
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夕焼雲部活帰りの缶コーヒー美雪晴
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夕焼けやゲストハウスに置くリュック真壁 かん
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夕焼けや犬と散歩ものろくなり真壁 かん
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鈴虫の声は写らず旅の宿美湖
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試験終えマジックアワーの鰯雲美湖
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カメラ無く日記に描く秋の暮美湖
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秋夕焼明日の助手席友誘う美湖
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時短勤白粉花を見れぬ日々美湖
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利休見し大海原へ夕焼かな島田あんず
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十二支に居ない猫にも夕焼かな島田あんず
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天麩羅の揚がる音して大夕焼島田あんず
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夕焼の饐えた匂いよ行路者よ島田あんず
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坂道のてつぺんはいま夕焼中島田あんず
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夕焼雲ひとりぼつちの観覧車島田あんず
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夕焼をたたんで見つむ一番星島田あんず
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兵児帯の五人駆けゆく地蔵盆津島野イリス
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秋出水残照いまや紅樺色津島野イリス
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若衆来て踊櫓の組み上がる津島野イリス
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投石の夕焼に消えて小さき星豆白熊
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夕焼や渡り廊下の軋む音充子
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大夕焼の少女の母よ満州よ充子
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夕焼けへ赤いズックや明日は晴充子
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夕焼けや故郷の浜をきらふ鼻充子
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夕焼のおよばぬ君の黒き影充子
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夕焼けや石油タンクを覆う雲充子
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特急の吸い込まれ行く夕焼けかなトヨとミケ
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夕焼けの褪せるいとまの思案かなトヨとミケ
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夕焼けやイオンシネマのキングダムトヨとミケ
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夕焼けやあとのひとりが見つからないトヨとミケ
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夕焼けや幼きころの豆腐売りトヨとミケ
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夕焼けやグラデーションの端は朝トヨとミケ
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夕焼けや洗濯物の生乾きトヨとミケ
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夕焼けや六十五年と一日目トヨとミケ
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猫待ちてなぞなぞ解くや夏夕べトヨとミケ
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二日酔い緋衣草やすくと立ちトヨとミケ
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子燕の巣立ちに光るライカかなトヨとミケ
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夕焼けや百年先の香しさトヨとミケ
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かくれんぼここにいるよと秋夕焼けトヨとミケ
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夕焼けやいまわのきわの覚醒か草の露
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アルバムの海の夕焼けハネムーン草の露
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夕焼けの呼び起こす街笛囃子ねこねこ
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カラス飛ぶ夕焼け空の夜の方ねこねこ
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夏の宵ワインレッドの世紀末梅尾幸雪
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まだ未熟夕焼けの赤映せないとき
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へのへのもへじ浜に残して夏の果亘航希
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大夕焼鮮やかに絶望の色亘航希
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夕焼けや舌にざらつくアミノ酸亘航希
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温室効果ガス瓢箪にひゅるる亘航希
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油照シャッターにシャッターを切る亘航希
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パリジェンヌ寝転ぶ浜へ大西日亘航希
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死の間際五分の空には大夕焼亘航希
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墨汁を希望に垂らし大夕焼亘航希
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ネガの感光眩しき大西日亘航希
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寒茜して千年の寝釈迦かなまさし
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大夕焼西方浄土は見えますかまさし
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かにかくに来迎あらん大夕焼まさし
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ナイターと父の背中と夕焼け空ゆみさく
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大西日測定不能の気温計ゆみさく
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窓枠におさまりきらぬ夕焼け空ゆみさく
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家中のフィルター干す日片かげりゆみさく
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連写音振り向く子らへ西日さすやしたあきら
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眼圧の目薬ニ滴晩夏光やしたあきら
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甘苦き漢方薬や夏の果やしたあきら
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夕焼や石鹸香るバックシャンやしたあきら
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夕焼やビルの隙間の茜色やしたあきら
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夕焼や自転車押しておんぶしてやしたあきら
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古びたる蕎麦屋の暖簾秋の夕郁爺
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告げかけた言葉呑み込む秋の夕郁爺
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ファの音をうまく吹けない秋の宵郁爺
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夕日へと泳ぎ出でたる鰯雲郁爺
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いくつもの夕焼眩しき千枚田郁爺
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秋の夕仲間外れのフラミンゴ郁爺
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被写体のアウシュヴィッツや炎天下郁爺
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夕焼やビルの壁に星形の疵南風の記憶
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みそこしの歪みゆるがす夕焼けかな田季たまき
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夕焼けやノートの隅のまるいM田季たまき
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夕焼けやラジオの中の転ぶ人田季たまき
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大夕焼出刃包丁のとどきけり田季たまき
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帰路の甲板青嵐とセルフィーみやふじ つたじょ
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渾身のシャッター音に夏終る向日葵子
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赤々とひと日の命仏桑花向日葵子
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一枚の影絵残して夏の果て向日葵子
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夕焼けや早く見つけてかくれんぼ向日葵子
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直線の夕焼け遠き飛行かな梅木若葉
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ふるさとの夕焼け雲やカレー味梅木若葉
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夕焼けに磯の香りの車内かな梅木若葉
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夕焼けの拝める日こそまわり道梅木若葉
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波夕焼島の灯台シルエット雫心
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夕焼け空小さき二人の目撃者雫心
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下がり花娘らを待つはずむ声雫心
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ハンモック抜ける潮風児の寝顔雫心
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夕焼けや響くボレロの効果音雫心
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思い出はカメラの先の夏の海月光
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山寺の鐘が合図の夏休み月光
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夕焼けてあのメロディーを独り聞く緒川こるり
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赤と黒夕焼け濃くてぐずる吾子緒川こるり
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槍ヶ岳瞼に夕焼け写しけり三宅 光風
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阿波踊り宴の後の逮捕かな三宅 光風
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車窓より瀬戸の夕焼けひとりじめ三宅 光風
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雷走る七年の恋終わらせて三宅 光風
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父が撮る夕焼けモノクロ二眼レフ三宅 光風
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夕焼けや川面に跳ねる雑魚の影三宅 光風
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恋の文夕焼けの部屋悶々と三宅 光風
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タラップを降りて島の大夕焼しげ尾
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渡海船の客皆降りて夕焼かなしげ尾
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見島牛鼻ぐりまでも夕焼けてしげ尾
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夕焼の校庭しょっぱいおにぎりなないろ
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夕焼や君にさよなら言えぬままなないろ
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夕焼に塗り潰されて過疎の街なないろ
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豆腐屋の喇叭団地は大夕焼なないろ
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号砲弾ける大夕焼の決勝なないろ
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大夕焼今日補助輪が取れましたなないろ
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夕焼やまたねと言ったはずなのになないろ
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夕焼の橋や撮り鉄集合すなないろ
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夕焼や飛行機雲のほどけゆくなないろ
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高台の鰊御殿に夕焼かな北国はな
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夕焼けや明日は二時起き利尻富士北国はな
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電線のカラス音符や魂迎西山永行人
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再会の言葉少なし門火かな西山永行人
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秋風や外弁慶の撮る夕日谷川炭酸水
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水せがむ老猫抱きて夏の夕谷川炭酸水
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短夜とハーフカメラとデカ盛りと谷川炭酸水
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帰路の波はぜのこるコーンの夏色谷川炭酸水
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夕焼けや無限遠点の二つ影こんじゃのよしこ
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シャッターを押せないままの端居かな奏美和
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踊り場の小窓にもたれ秋夕焼奏美和
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大夕焼臨時列車が突き抜ける奏美和
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珈琲の苦味や灼くる夏の夕ぺんぺんの母
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風死して若冲の象の擦れ音ぺんぺんの母
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夕焼や車列ながるる陸橋下砂月みれい
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ゆふやけや逢へなくなりて逢へぬひと砂月みれい
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夕焼や異郷の雲に子らの顔浅原多道
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大夕焼語り尽せぬ五十年浅原多道
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夕焼けや各駅停車の半世紀浅原多道
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撮り鉄の等間隔に秋夕焼うしがえる
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街灯の自動点灯秋を告ぐうしがえる
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夕映えに蚊柱高く背を低くうしがえる
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冬夕焼ドヴォルザークの衝撃波うしがえる
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夕焼満ち緑がひとつ航空灯うしがえる
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夕映えの残光集め荻の声うしがえる
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夕焼の余光消えまたひとりの夜うしがえる
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暮れ落ちて犬と子急ぐ刈田道うしがえる
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夕映えに囚われるうち地虫鳴くうしがえる
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紙飛行機ふわり撮らせて秋の風うしがえる
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陽が落ちて薄羽蜉蝣ちょい高くうしがえる
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帰燕とぶ飛行機雲の二本伸びうしがえる
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稲架かけて今を隠して戸隠の山うしがえる
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夕空に薄目あけそな二日月うしがえる
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夕焼けや伸ばす処方箋のしわ西村緋色
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西日さす手水の盛り塩崩れけり西村緋色
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夕焼けに覆われ写り切らない空武士の香
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夏空やマジックアワーの観覧車武士の香
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夕焼けや高層の居間からジオラマ武士の香
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幾千の夕焼け飛び込むファインダー武士の香
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春の宵産業夜景の靡く煙武士の香
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向日葵や海辺の夕陽の信号機武士の香
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夕焼けやカメラマンの背を撮るカメラ武士の香
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夏の海とろける夕日灼けた指畑の百日草
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ええモンは撮れましたかな夏の夕錆鉄こじゃみ
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炎天を圧縮のごと着陸機錆鉄こじゃみ
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妻を呼び翔ぶ白鷺や夕の風錆鉄こじゃみ
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雲の峰トトロの森にうかぶ午後錆鉄こじゃみ
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ようやっと君居ぬ一年夏の果てじんぷりん
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西の窓今日も夕焼け良き日かなじんぷりん
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夏期講習一番乗りの笑顔ありじんぷりん
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数独の闇を抜けたり大夕焼じんぷりん
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炎昼や歩数稼ぎの百貨店じんぷりん
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夕焼けの埠頭で叫ぶ友の名を鄭 葉
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夕焼けやペダル踏み込む風の音鄭 葉
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大ゆやけ鎮魂の碑に飴一つ雪女
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夕焼けや露店へ走るカメラ背に津山直三
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はいチーズシャッター落ちる大夕焼津山直三
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プロポーズばっくれる君夕焼雲津山直三
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翳す手の指間に眩し夕焼けかな未知夫
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夕焼や言葉少なに送る駅未知夫
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海夕焼犬連れの影溶けこめり未知夫
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寄る波に足跡の消ゆ夕焼かな未知夫
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大夕焼フェリー一声過り往く未知夫
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たそがれに人影溶けて海夕焼未知夫
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夕焼撮る砲列競ふ峠道未知夫
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夕星を君手に載せて涼新た赤坂 奈緒