写真de俳句の結果発表

第23回「カメラと夕焼け」《並》⑫

第23回のお題「カメラと夕焼け」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第23回 写真de俳句】《並⑫》

  • 黄顙魚を飼う隣人はシリアルキラー
    八勾 桃
  • 大夕焼かがやきとなり帰ろうか
    八勾 桃
  • 原爆忌父ちゃんの手を離せ律
    八勾 桃
  • 亡き人の鏡を洗う盂蘭盆会
    八勾 桃
  • 獅子幾度体当たりすれども夕焼
    八勾 桃
  • 漫才が揃う西日のモニター群
    八勾 桃
  • あの西日瓶ケースがしゃりと抱く
    八勾 桃
  • 早く来い夕焼け写すキハ2000
    山内プーコ
  • 宵の明星シャッターチャンス無人駅
    山内プーコ
  • 日暮らしやそろばん塾の帰り道
    真泉
  • 秋日傘なお最後尾初チェキ会
    まこく
  • お披露目はタン!とタップで天狼星
    まこく
  • 街灯を消してあと五分で花火
    雨野理多
  • シャッター音飲み込むほどの夕焼けかな
    由紀子
  • シャッターを闇の合図に大夕焼け
    由紀子
  • 夕星に君のハミング夜の秋
    風の木原
  • 合宿のラスト一周大夕焼け
    風の木原
  • 纏う風重し台風北上中
    こちのうめか
  • 灼熱の青や九州の南端
    こちのうめか
  • 振り解く指でなぞるや二重虹
    こちのうめか
  • 夏盛りイオンスーパーの置き配
    こちのうめか
  • 午後九時のバルの賑わい大夕焼
    すずきあんず
  • 息浅く老猫眠る極暑かな
    すずきあんず
  • 青空と雲を残して燕去る
    すずきあんず
  • 雲海に沈む夕日に逢いたくて
    すずきあんず
  • 駅前のシャッター通り晩夏光
    すずきあんず
  • 被写体は横向きの君夏の果
    すずきあんず
  • 高飛びのバーは留まる大夕焼け
    日々の茶めし
  • カメラのぞく君の笑くぼや夏の果
    日々の茶めし
  • 夜の秋唱歌をひとつ歌ひけり
    日々の茶めし
  • 改札を出ればわが町夜の秋
    日々の茶めし
  • チャンス待つ息子の背に赤トンボ
    ぺこ
  • 夕焼けや校舎の廊下光り出し
    サンスベリア
  • 夕焼けの向こうへ赤いパスポート
    サンスベリア
  • 大夕焼け撮るは屋上鍵かかる
    サンスベリア
  • 夕焼けや白き花びら暮れなずむ
    サンスベリア
  • 初蝉やまばらに聞ゆる方の空
    サンスベリア
  • 家並の向こうの夕焼け暮れなずむ
    サンスベリア
  • 夕焼けの移ろう色や山の上
    サンスベリア
  • 竹箒町の公園清々し
    サンスベリア
  • 結葉や旧友からの便りあり
    サンスベリア
  • 夏柳朝だけ通る散歩道
    サンスベリア
  • 駄菓子屋の一本箸の心太
    サンスベリア
  • 車前草やラジオ体操は高齢者
    サンスベリア
  • 鬼灯のぎゅっと鳴らして自慢して
    サンスベリア
  • 鬼灯の丸み転がす舌の上
    サンスベリア
  • 萎れカンナ凭れかからず色褪せず
    サンスベリア
  • 蝉の羽運ぶ蟻あり追跡す
    サンスベリア
  • 夕焼けや昨日は弾けたピアノの譜
    坂内二度寝子
  • 夕焼けや引越す友とDIY
    坂内二度寝子
  • 夕焼けや決めかねている曲の題
    坂内二度寝子
  • 夕焼けや路面電車の駅細し
    坂内二度寝子
  • 夕焼けよごめんね今日は泣きたいの
    坂内二度寝子
  • 月涼し夫留守の夜の酔わぬ酒
    坂内二度寝子
  • 月涼し夫の寝息を宛てに飲む
    坂内二度寝子
  • 遠雷や破綻の予感雨の降る
    なおちゃん
  • 閉めかけのカーテン止めて秋夕焼
    なおちゃん
  • 海風に三脚倒れ空高し
    なおちゃん
  • 押し寄せる雲といふ雲夕焼けて
    花苗
  • ファインダーを溢れ全天大夕焼
    花苗
  • 巴里夕焼け十七層のミルフィーユ
    緑莉
  • 星涼しジャンベの君の夜宴なり
    緑莉
  • 夕立や墓前の花がはたかれて
    佐野聖光
  • 誘蛾灯白くまぶしきLEDかな
    佐野聖光
  • 肩おとし夕焼け追いて家路かな
    佐野聖光
  • 夕焼けや鎌研ぎ終えて明日の夢
    佐野聖光
  • 大西日神社の裏の鹿の声
    佐野聖光
  • 夕焼けの空に浮かぶや君の影
    佐野聖光
  • カーキ色が似合うと言われ夕焼雲
    くるぽー
  • 倒産している寄進礼板夏の草
    くるぽー
  • 朝焼のきらきらケーキ屋の竣工
    くるぽー
  • ハイウェイの花火ひとりで追い越して
    くるぽー
  • 投げし石池の水輪に大夕焼
    雪客
  • 溜め息を忘れるために探す夏
    咲織
  • 揚羽が破けて散文的に飛ぶ
    烈稚詠
  • 女郎蜘蛛掛けた揚羽に戦慄けり
    烈稚詠
  • 夕焼けや自己分析は芸術家
    烈稚詠
  • 夕焼けや借りたゲームが家にある
    烈稚詠
  • 熱帯夜顎のニキビとオロナイン
    烈稚詠
  • 躁うつと母に明かして白雨かな
    烈稚詠
  • 綿雲は青墨夏夜明は碧く
    烈稚詠
  • 夏終る打ち捨ててゐるプラモデル
    烈稚詠
  • 片隅の金魚の墓に庭花火
    烈稚詠
  • 真空や打上花火閃いて
    烈稚詠
  • 天空の城に人影大夕焼
    あやめ
  • 逆光の君の髪跳ね梅雨夕焼
    あやめ
  • 子の吐ける息の向かふの冬夕焼
    あやめ
  • 部屋の灯を消せば俄かに冬夕焼
    あやめ
  • バス停に一人旅果て梅雨夕焼
    あやめ
  • 赤とんぼ夕焼け色の傘干さる
    あやめ
  • 遠雷や消火しきれぬ雲の色
    阿南の菓子
  • 泡沫の亀の息消ゆ秋夕焼
    ときちゅら
  • カメラには写らぬ風や土用波
    ときちゅら
  • レンズ越し敵意の眼木下闇
    ときちゅら
  • ジョギングの足が止まりて夕焼空
    ときちゅら
  • 猫の眼も髭も朱色に大夕焼
    ときちゅら
  • 猫の眼は朱色のドーム大夕焼
    ときちゅら
  • 助手席の猫に声かけ大夕焼
    ときちゅら
  • 夕焼けのチャイム聞こえぬ少年期
    たんぼだ にっぽん
  • シャッターにおさまりきらぬ夕焼けかな
    たんぼだ にっぽん
  • 春夕焼け田は水湛え時を待つ
    細野めろん
  • 白線続くサイドミラーの夕焼
    細野めろん
  • フレームをはみ出す夕焼け鳥海山
    細野めろん
  • 寄せ帰る波かき抱き夕焼け果つ
    細野めろん
  • 電柱とわれ門限なし夕焼雲
    いそのつる
  • お隣へお向かいへもよ栗ごはん
    松葉ぼたん
  • 薄暮れの何かまつはる墓参かな
    松葉ぼたん
  • 父も吾も山もまるごと大夕焼
    おかだ卯月
  • 夕焼けを撮る夫と吾の黒き影
    おかだ卯月
  • 夕焼やご当地モデル撮影会
    おかだ卯月
  • ポスターも撮り鉄たちも夕焼けて
    おかだ卯月
  • 六甲の黒き影なり大夕焼
    おかだ卯月
  • 大夕焼谷底に鉄橋の影
    甲斐自然
  • 夕焼空手拍子響くスタジアム
    甲斐自然
  • 夜の秋カメラの熱と連写音
    紅紫あやめ
  • 母は帰る夕焼に未だ居たい我
    紅紫あやめ
  • 報道のカメラマン逝く秋夕焼
    紅紫あやめ
  • 樺色に秋の雲ほどよく散りて
    紅紫あやめ
  • 夕焼と最後の部活撮る私
    紅紫あやめ
  • 秋の雲見た思春期の家出先
    紅紫あやめ
  • 地平線じりじりと吸う大西日
    紅紫あやめ
  • 街の灯を眼下の風呂や星月夜
    はなぶさあきら
  • 降りそそぐ光の音や夕月夜
    はなぶさあきら
  • ファインダーの外へ外へと夕焼空
    はなぶさあきら
  • 夕影の伸びる家路や秋の声
    むねあかどり
  • 夕立去り日の射す街のせわしなさ
    太之方もり子
  • 大夕焼まだ雫落つズックも緋
    太之方もり子
  • 「カレーならいいな」夕焼けの道駆ける
    太之方もり子
  • 塾急ぐ子供らの背に大西日
    太之方もり子
  • 落日を二人は無言暑き砂
    藤子
  • 南風を焦がす噴煙桜島
    殻ひな
  • 灰降りて硫黄香ばし夏暁や
    殻ひな
  • ドカ灰やキシキシ軋む髪洗う
    殻ひな
  • 静かなる噴火サイレン響く夏夜
    殻ひな
  • 朝焼けの乗っ越し浄土神宿る
    とも女
  • 母ふふふ妹ころころ夏座敷
    とも女
  • 夕焼け撮るとその上には一番星
    トリケイ
  • 秋夕焼けぬくもり残すヨガマット
    にやを
  • 夏の果徒雲のごと吾の息は
    水木花水木
  • 菩提樹の花が咲いたの伎芸天
    水木花水木
  • 夕焼けに暖簾仕舞いの魚町
    やまちゅう
  • 竹婦人横目にちょいともう一献
    やまちゅう
  • 五十キロ遠歩帰りの夕焼よ
    藤れんぎょう
  • 八時間後に貴方の見る夕焼け
    藤れんぎょう
  • 夕焼けに繋いだお手々家路の音
    べにりんご
  • 秋澄むや水面に映る富士の山
    べにりんご
  • 夕焼けだ明日の遠足晴れマーク
    べにりんご
  • 三日月といふ引き金の軽さかな
    髙田祥聖
  • 歯軋りの血の滲みたる夕焼かな
    髙田祥聖
  • 誕生日カードに誤字や夜の秋
    髙田祥聖
  • さういへばまろき味なり古酒と聞き
    髙田祥聖
  • 見送りを辞して秋雨を振り向かず
    髙田祥聖
  • 秋汀に貝は離反の銀貨めき
    髙田祥聖
  • 真赤なる空の下の広島忌
    わかめ
  • 造船の起重機止まる夕焼けかな
    わかめ
  • 土用入る黒き野良猫片眼病み
    わかめ
  • 月の入富士の真上に止まりけり
    千里
  • 山並みへ釣瓶落しやビール飲む
    千里
  • 星明り五右衛門風呂の煙沁む
    千里
  • 夕焼のカメラワークに似る俳句
    千里
  • 星月夜五右衛門風呂のお湯優し
    千里
  • シャッター音夕焼け空に吸い込まれ
    みーこ39
  • 指痛しスマホ保存の夕焼けは
    みーこ39
  • 黄昏や花火打ち上げまで五分
    北欧小町
  • 有料の夕焼告白できぬまま
    北欧小町
  • 罪人のロールシャッハや夕焼雲
    阿部八富利
  • 門限や友と飛び込む大夕焼
    阿部八富利
  • 夕焼けや明日もコーヒー買うオフィス
    阿部八富利
  • 二十基の風車回りて夕焼ける
    阿部八富利
  • 夕焼けや時間守らぬ奴いずこ
    志無尽おたか
  • 夕焼けや九十の母の脛の痣
    志無尽おたか
  • 関越道はるかに富士の大夕焼け
    志無尽おたか
  • 二番目に生まれたかった赤蜻蛉
    水豚庵
  • 美術展深紅のピアス揺れにけり
    水豚庵
  • 秋灯旧友の猫肥えてをり
    水豚庵
  • 月曜の朝や車窓は秋の色
    横山雑煮
  • 夕焼けに泣かされきつと明日は晴れ
    横山雑煮
  • 夕焼け撮るふりフォーカスの先は君
    横山雑煮
  • 阿蘭陀獅子頭母の厚化粧
    横山雑煮
  • するすると校旗降納秋夕焼
    横山雑煮
  • 描きかけの画板覗くな赤蜻蛉
    横山雑煮
  • 水餃子羽根付き餃子白鳥座
    横山雑煮
  • カーナビの花野花野へ誘へり
    横山雑煮
  • 秋果盛る妊婦の腹の誇らしげ
    津々うらら
  • 記憶ただほろほろ零れ秋夕焼
    津々うらら
  • 義姉と吾と読めぬ墓石や菊日和
    津々うらら
  • 秋晴れや助手席のモコ産気づく
    津々うらら
  • 木の柱香る駅舎や鳳仙花
    津々うらら
  • 「友達」とあの人は言ふ鰯雲
    津々うらら
  • 散りぢりに駆けるインパラ大夕焼
    津々うらら
  • しらしらと憂ひに吹かれ夕芒
    津々うらら
  • ファーストシューズてくてくゆうやけじわじわ
    音羽実朱夏
  • 息継ぎのごときコーヒー夕焼雲
    井上 れんげ
  • 決断は一人するもの大夕焼
    井上 れんげ
  • 夕焼けや国語辞典の表紙赤
    井上 れんげ
  • 秋夕焼け君の隣は違う人
    井上 れんげ
  • 夕焼やキラキラ光る散居村
    白木蓮
  • 夕焼や畦に灯が点く千枚田
    白木蓮
  • 大雨もなかったような梅雨夕焼
    庭野利休梅
  • 風死して天ぷら揚げる母の顔
    庭野利休梅
  • シャッターの音に振り向く浴衣の子
    庭野利休梅
  • 大夕焼速度ゆるまるローカル線
    朝野あん
  • キャンプ村影絵練習する家族
    朝野あん
  • 秋夕焼マンションの鍵さようなら
    茶雨
  • ラストレターポストに落とす秋夕焼
    茶雨
  • 夕焼けや撮影講義偏頭痛
    茶雨
  • 夕焼けや水面に揺らぐけんか後
    茶雨
  • 夕焼けや撮影スポット三時間
    茶雨
  • 鍵っ子の待ちくたびれて夕焼空
    茶雨
  • 八月や緋色の空と空き缶と
    茶雨
  • 「パンパンになれ」父の怒声夏まつり
    茶雨
  • 車椅子押す母の背に大夕焼
    茶雨
  • 一万円すられた母に秋夕焼
    茶雨
  • 空っぽのクーラーボックス大夕焼
    茶雨
  • 夕焼けや母待つ子らにご褒美か
    茶雨
  • 夕焼け雲「何にも見えん」とべそをかく
    茶雨
  • 夕焼け雲ゾウさんの鼻と真似をして
    茶雨
  • 夕焼け雲何に似てるか順番に
    茶雨
  • 桐下駄をつっかけ四万六千日
    雨野雀雨
  • 鬼灯市抜ければ観音裏暮れて
    雨野雀雨
  • 妾馬を聞きて帰りの夕焼け道
    雨野雀雨
  • 通り雨アテには茗荷でも刻む
    雨野雀雨
  • 坂道にまだ慣れぬ町夕焼け雲
    雨野雀雨
  • 夕焼け抱き立つ木はひとりぼっちぢゃない
    雨野雀雨
  • こやけてふ名前の猫は夏生まれ
    雨野雀雨
  • 風死して戦無き世のまぼろしや
    雨野雀雨
  • 沖繩忌骨のかけらの光りをり
    雨野雀雨
  • 日焼子や捨てかねてゐる原子力
    雨野雀雨
  • 夕焼に藤城清治の影写す
    ガラパゴス
  • 夕焼や長衣口紅在りし義母
    ガラパゴス
  • また負けた走る走るぞ大夕焼
    白秋千
  • 大夕焼上目遣ひの魚ゆく
    白秋千
  • 原発の町や静なる大夕焼
    白秋千
  • 「明日がある」歌ふガバチョに大夕焼
    白秋千
  • 大夕焼見つめる君を見つめたい
    白秋千
  • 切り取った夕焼け母に送信す
  • 夕焼けや喧嘩終了ゴング鳴る
    灯呂
  • 夕焼空こってり嫉妬を塗りたくる
    灯呂
  • ケンと蹴る小石吸い込む夕焼空
    灯呂
  • 胃カメラの勧めや今日は大夕焼
    ふゆき
  • 発熱の窓故郷は夕焼かな
    ふゆき
  • 自堕落に生きてみようか大暑来る
    ふゆき
  • 目詰まりのフィルター洗ふ大夕焼
    菅井香永
  • 夕焼やフェンスを通るフリスビー
    宮康平
  • 夕焼や一昨日からの変声期
    宮康平
  • 蓋開いたカメラに桐の実と原理
    宮康平
  • 秋めくや質草に機械式カメラ
    宮康平
  • まだ熱くすぼるキラウエア炎気たり
    るはちか
  • 切り現像日課となりし凪の町
    かなかな
  • 普段着の辻よ祇園会後祭
    かなかな
  • 怪獣の系統図完成大夕焼
    かなかな
  • 駆けても駆けても世界は大夕立
    かなかな
  • 夕焼雲路地から路地へカレーの香
    かなかな
  • 老猫の化ける闇ある夜店かな
    かなかな
  • 夕焼や姫路城なほ溶けずゐる
    かなかな
  • 対岸は照る空のまま夕立かな
    かなかな
  • 函谷鉾鉦方揺らす紐長し
    あおみどり
  • 宵々の鉾すれすれに行く市バス
    あおみどり
  • 炎天やテイクオフ待つ琵琶湖畔
    あおみどり
  • 炎天やランウェイ湖にせり出せり
    あおみどり
  • 炎天や見上ぐランウェイ10m
    あおみどり
  • 篝火に煌めく銀糸薪能
    あおみどり
  • 賭けてきた日々を踏み切れ飛べ夏へ
    あおみどり
  • 松影に三日月滲む薪能
    あおみどり
  • 鵜には歯の有るか問う子や鵜飼舟
    あおみどり
  • 日田の夜に集う浴衣や屋形船
    あおみどり
  • ハドソンの夕焼僅かに弧を描き
    あおみどり
  • 夕焼けやママから離れぬひっつき坊
    かなぶん
  • ママに似てばさまにも似て夕焼けて
    かなぶん
  • ひぐらしや昔は美人だったのよ
    かなぶん
  • ゆやけかな引退決めた歌手の眼に
    あおぎりみさ
  • 大夕焼三者面談終えた子と
    あおぎりみさ
  • 「カシャッ」君が生まれた朝の秋空
    あおぎりみさ
  • 流暢な小さんの噺秋の宵
    恭風
  • 遺したCD聴けずそっと開き身に入む
    恭風
  • 「今着いた」メールに急ぐ秋の夜
    恭風
  • 夕焼けやチョーク消えゆくけんけんぱー
    真壁らん
  • 月明り踵を返す送別会
    真壁らん
  • 吾の一枚霧のブルージュ夫と見ゆ
    真壁らん
  • 夕焼や産まれし吾子の名は夕子
    赤坂 みずか
  • 夕焼を撮る君を撮るボクがいる
    赤坂 みずか
  • リハビリの一歩の遠し秋夕焼
    宮原まさこ
  • 大夕焼ジェイコブズラダーを降る鳥
    宮原まさこ
  • 大夕焼オートフォーカス動作せず
    宮原まさこ
  • 山百合に覗かれており美肌の湯
    蘭淳子
  • 夕焼けやコンチキチンの仕舞い打ち
    蘭淳子
  • 原爆忌赤のドロップは嫌いだ
    蘭淳子
  • 草むしり勝ったことなき鬼ごっこ
    蘭淳子
  • 秋茜群れ捕らえたりファインダー
    ろくろう
  • 鳥雲のあかねの画角とらへたり
    文月蘭子
  • 蚯蚓鳴く「花さき山」の帰り道
    文月蘭子
  • 漆黒の曼珠沙華くれなゐの闇
    文月蘭子
  • けふかぎり夜汽車は北へ星走る
    文月蘭子
  • 火だるまの秋刀魚ぼわっとそらの色
    文月蘭子
  • 宵迫りてなほ雁の列追ふきみよ
    文月蘭子
  • 終活の迷う四五枚冬近し
    旭しゅん
  • 向日葵や一枚だけの家族写真
    旭しゅん
  • 大夕焼不吉な予感広がりて
    旭しゅん
  • 夕焼けや恋の終わりを告げられて
    旭しゅん
  • 死ぬ時はいつしよ横揺れの夕焼
    のつり