第56回「百日紅の名所」《並》②

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第56回 写真de俳句】《並②》
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平日の涼し庭園砂利を踏むペトロア
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枝先の花迫りくる百日紅西村小市
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滑らかな肌透かしたる夏手套江藤すをん
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子らの声響く校庭百日紅山川腎茶
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六地蔵辻に舞い散る百日紅歩一
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吾を嫌い池に伸びるや百日紅まあぶる
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頭は今空っぽ白百日紅扇利子
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おねしょ布団取り込み忘れ百日紅扇利子
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百日紅あふれて寝そべる犬二匹もぐ
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弁放つサンバのオーレ百日紅絵夢衷子
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ミルフィーユに好きと苦しい百日紅絵夢衷子
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マシンガントークする女百日紅みずきの
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百日紅にも白き肌黒き肌井納蒼求
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百日紅隣の兄ちゃん引き篭もり門司区ビリケン
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日傘互いに躱し向かい合うさ乙女龍チヨ
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美しき読経の声と百日紅柊まち
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堂々と陽ざし受けたる百日紅蓼科 嘉
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咲き初むる廃墟の庭に百日紅里山まさを
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百日紅飛鳥美人の衣裳やらんごまお
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旧道にこぼれんばかり百日紅ちえ
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ママ真似て紅をひく子や百日紅ちえ
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リラ冷えやポインタ光るスライドショールーミイ
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リラ冷えの転んだ子ども慰めるルーミイ
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跳ね上がる真白きチュチュや百日紅ひつじ
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目蓋閉じ残像残る百日紅岡田きなこ
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癌告ぐる医師すまなさう夏立ちぬ東風 径
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背びれ出す川面のもじり風光るおこそとの
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百本の百日紅ひとり一本道石橋 いろり
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待つ幸せ炎帝の掻き毟りたる鈴白菜実
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かっかっかと蟻たち登る百日紅幸香
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人が恋ふ名所の日蔭百日紅陶瑶
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大女優観て自分見て百日紅幸田梓弓
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花房の咲き登りてや百日紅国東町子
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百日紅や水面に写る太鼓橋横浜月子
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階下から水の音窓に百日紅岡本かも女
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濡れ縁をでんぐり返し百日紅大西みんこ
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一日目の紅より微か百日紅笑田まき
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百日紅同工異曲を奏でおり宙海(そおら)
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幼な子の様なる卆壽百日紅逢來応來
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吹き溜まる花の骸や国道わき春待ち女
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百日紅ふるふる風に薄ぴんく喜多輝女
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百日紅妣と求めし道の駅喜多輝女
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リラ冷えの駅や名字呼びすてされた朝おおいおちゃ
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誇る百日紅アジる猪口また明日へ佐藤 啓蟄
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百日紅百日咲くも力なりおケイちゃん
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いつ咲いていつまで咲いて百日紅おケイちゃん
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薄暑光旅の準備や猫派の伸び幸水
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赤カヌー滑る湖面や波の綾幸水
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昼下がり庭師背もたれ百日紅伊達紫檀
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百日紅幹艷やかと小糠雨伊達紫檀
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千年の古刹への道百日紅やっちゃん日記
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咲きみちてシンボル木や百日紅井上玲子
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I’m百日紅の白いほうですうちの夫あなぐまはる
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いつからとなく咲き続く百日紅英曙
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三度来ていまだ紅々百日紅英曙
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池水の倒影に散る百日紅宇野翔月
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読経沁み渡る空百日紅ひなた
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年古りた百日紅の花いたいけつんちゃん
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幾星霜悟り無きまま百日紅おっとっと
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警策を受くる旅人や落ち椿央泉
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登校日の肌理細やかな百日紅むらのたんぽぽ
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百日紅の幹へ頬擦りしたいのにむらのたんぽぽ
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蟻十歩鷲のポーズのひと呼吸だがし菓子
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バス道や今日も元気な百日紅丸山隆子
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池うつす筍飯や碧光るぴーとぺー
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百日紅初子の頬の温きかな志暁
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新調の服並木道には百日紅風の母
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笛太鼓風にノリノリ紫薇踊る猫おっと
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こどもの日選んだおもちゃはアンパンマン桔梗郁子
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生まれきて可愛い名が欲し猿すべりうっとりめいちゃん
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塀越しの楽しみ長し百日紅山女
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唐寺でコスプレ百日紅は赤いぱんだ社長
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人け無し正午の舗道百日紅品田仁
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候補者の声大き過ぎ百日紅菩華
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百日紅血気盛んな平和主義まこと七夕
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百日紅笹立つ父の麦藁帽摩耶
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ベランダに匂わぬままのみかん花かおりんご
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まとめちゃう花マルはやだ百日紅沢拓庵
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ではまたと別れし道や百日紅前田冬水
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青天に優りて明かし百日紅前田冬水
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朝カフェの窓に透けるや百日紅チェルシー
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百日紅散らした庭を今朝も掃くごとう真樹
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真白よ我が家に育つ百日紅ごとう真樹
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サラダパン食すビワイチ風薫るひろ笑い
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百日紅入退院のお出迎え藤瑪瑙
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咲き満ちて夜空に泛ぶ百日紅すみ子
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徹夜明け目に染む街の百日紅まさと澄海
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百日紅の真面に遇う真昼青井 花
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入り組んで蝉の棲家の語りあひみや
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怯むほど色の濃過ぎる百日紅宇佐
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猿滑りてふ名も好きか百日紅宇佐
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何故ここに根性みせるサルスベリへばらぎ
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いたづらについなでてみる百日紅ぴん童子
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忘られぬ「解夏」の最後の百日紅ぴん童子
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夾竹桃三途の川を渡る橋若宮 鈴音
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原爆の毒を喰った夾竹桃若宮 鈴音
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新道を等間に咲く百日紅蒲公英
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街道の活きづきさやか百日紅蒲公英
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幹に照り花弁に愁ひ百日紅とぜん
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オアシスは白いチャペルの百日紅九月だんご
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御苑の池畔並ぶ百日紅は赤かりん
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アボカドをすべる切っ先冬の雷謙久
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松林白さるすべり赤凌ぐ扇百合子
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鐘を突く今年も白き百日紅扇百合子
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灼熱に負けじと凛と咲く花や津野田コウ
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校庭の子らを見守る百日紅渡辺 あつし
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登り坂歩を止め眺む百日紅清波
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房房と真紅を競う百日紅清波
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百日紅岸辺も池も日照雨ひょんすけ
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窓越しの百日紅炎のごとしとも
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追伸に本音をポロリ百日紅とも
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広げたる千手のごとし百日紅すず
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尼寺へ百日紅咲く曲り道すず
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薔薇園や自撮りのギャルのVサイン摂州黒うさぎ
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寺の鳩鳥よけよけて巣組みけり摂州黒うさぎ
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眩しさを愛でをる今日の百日紅矢口知
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百日紅愛でる客人(まろうど)二百年沙魚 とと
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咲き満ちて安産願う百日紅沙魚 とと
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フリフリでフラダンスの百日紅柿野宮
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廃校の庭に残った百日紅ほうちゃん
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百日紅如来の印の美しき指仲間英与
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梵鐘に天女の舞や百日紅仲間英与
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迷いなく枝落とされて百日紅かねすえ
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百日紅妓生となるヒロインよ小鳥ひすい
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雛僧のデビューを覆ふ百日紅実相院爽花
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簾して世界と違ふ時間軸帝菜
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幾万の人が讃えし百日紅夢佐礼亭 甘蕉
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米寿祝いにはにかむ母や百日紅鈴花
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輝ける命の果てや百日紅閑か
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御旅所や稚児はたったの二人きり縦縞の烏瓜
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テラス席の声さえずりに似て百日紅たかね雪
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花びらのフリルきゅんきゅんさるすべり揣摩文文
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子らの背を超えてサワサワ百日紅道小春
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夏休み十二歳から考える中指富士夫
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生きづらき子の堂々巡り百日紅ばちゃ
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長屋からおーいお栄や百日紅高橋玄彩
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今日も描く画狂老人百日紅高橋玄彩
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ムグンフアは我の学びの記念なり呑 栗子
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昨年と同じ咲きよう百日紅藤原朱夏
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七歩目をタイムカプセル百日紅無弦奏
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合唱部は追い込み窓を百日紅無弦奏
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片蔭や祖父の痕ある杖を曳く源五郎
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地下足袋や森の空師の入れる夏青い雀
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百日紅落とす葉花や禅の寺青い雀
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順に咲く花序の蕾や百日紅一石渓流
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鎌倉のまた名刹の百日紅一石渓流
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百日紅樹幹に装具はめてみる若山 夏巳
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お食い初め膳に添えたる百日紅じゅあ
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蹴飛ばして花散らしたり百日紅さえこ
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汝はよもや皮剥がれしか百日紅さえこ
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煩いの解の隠るる百日紅カムヤ イワヒコ
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百日紅「売家」の文字はかぶきけり山河穂香
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孫の声聞こえないふり百日紅翁愁
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百日紅散りてドライブ我一人翁愁
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百日紅赤いフリルの華やかに山田結城
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京都御所百日紅の映る池山田結城
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百日紅推しのアクスタ仏壇へ徳佐津麻似合
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白い花揺らす影や夏の霧徳佐津麻似合
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輪の中は稚児の手たたき百日紅鶴子
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街中に妹似見付くる春霞鶴子
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花吹雪友と木の根に座りをり桜上比呂
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色淡く影濃く写す百日紅平松久美子
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さるすべり六本増えて名所かな星 秋名子
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境内の掃かれてありて百日紅野の花
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さるすべり日課の鳥がきて散らす野の花
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近所から集まりし庭月下美人里春
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赤々や墓に生えてる百日紅森子
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「本当だ」子等が触りぬ百日紅森子
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百日紅初登校の笛の音よ木守柿とど
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名を覚え見つけちゃ叫ぶ「さるすべり!」琳青
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大の字の額に風や夏座敷琳青
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百日紅初マスカラの待ち合わせ西城 典子
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父の影消えぬまま春紅を引き紙威楓
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白き百日紅濁り池の波紋秋佳月
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百日紅池底の主浮かび来る秋佳月
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ピンクの木近づき見ると百日紅メグ
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池の翠を試すが如く百日紅竹葉子
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唐川や不意にあらわる杜若牡丹
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百日紅残る宿題感想文さかたちえこ
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通学時必ず触る百日紅さかたちえこ
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パンパースサイズ上げるや百日紅君君
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登校の相合傘に百日紅君君
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通院や「く」の字が踊る百日紅音羽ナイル
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百日紅笑う入らぬパーパットせいか
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カップ酒溢した先の百日紅ひーじい
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百日紅はたちのときとおなじ色ひーじい
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霜雪に雨のそぼ降る百日紅姉萌子
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木から木へ猿が飛び蹴り百日紅姉萌子
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蓮池の薄紅色と朱の橋とはなもも
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東屋に筍飯の香り立つはなもも
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百日紅ギラギラ青き空に伸ぶ木綿子
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百日白空き家の外へ流れ落つ鷹見沢 幸
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百日紅城跡歩く日本髪鷹見沢 幸
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稀に見る才覚果てし春霞スマイリィ
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夕映えや小声で歌う百日紅トコトコ
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夾竹桃歩きの多き慰安旅行ビオラ
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昨日今日明日へ咲き継ぐ百日紅人生の空から
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百日紅や伐採という災難かよいみち
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台風から五年みどり復活の木かよいみち
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タイム咲く庭に若葉の百日紅瀬戸一歩