第56回「百日紅の名所」《人》①

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第56回 写真de俳句】《人①》
抜歯後の麻酔切れたり百日紅
深山ほぼ犬
基地一つ返し難きか百日紅
林 廉子
穴太積み小石に混じる百日紅
佳奈
百日紅仏語レッスンもう辞めた
佳奈
煤逃の珈琲店に豆談義
まり
回遊の鯉のあはひをめだかの子
まり
白山やダム湖は初夏を湛えおり
蔵豊政
夏風や我慢強さは母譲り
令子
百日紅友か恋かと揺れもせず
櫻心
薬師堂去らぬひとをり青蜥蜴
はしま
ゆらんゆらん小鳥とまれぬ百日紅
苔間きい
愚痴と金ばかりの妹百日紅
苔間きい
半夏生無言の母に手を引かれ
すずなき
百日紅あいつ幸せだったのか
すずなき
地方局ニュース噛みすぎ夏に入る
藤井いちはつ
右に磯左春嶺観覧車
立士
親友は屋敷の子なり百日紅
瀬文
百日紅あれを掴めば登れそう
飾る
真っ直ぐに伸びる木はない百日紅
白よだか
古希までは働くつもり百日紅
高瀬忠子
さるすべり冷たき母に紅を引き
高瀬忠子
公衆電話消えゆく街の百日紅
ミセスコロンボ
嫁ぐ日は無口の人へ百日紅
芙蓉
我が子泣けども仕事はたのし百日紅
爪太郎
百日紅差し戻し審始まりぬ
爪太郎
母の字の遺る腰ひも花筏
扶羽
おんぶするお尻トントン百日紅
つきみちる
団子屋の列の長さや百日紅
阿比留サト子
作業着のタバコ燻らす夕桜
パンダスミレ
迎へ梅雨にごり池より亀の出づ
るう
一周忌羽音の先に百日紅
枝葉
謎解きは二本目にあり百日紅
枝葉
さるすべり茶店の品書きは古し
みそちゃん
千年の王朝は無い百日紅
黎明
灰燼の里天を突く百日紅
気仙椿
さるすべり長屋門よりトラクター
高嶺織人
百日紅伊勢神宮はあと5キロ
高嶺織人
骨壺と無言で歩く百日紅
里ピイ
寡婦次の恋へと百日紅の街
鹿達熊夜
慰霊碑を日向のまだら百日紅
七拍子
白木蓮大樹まんかい通夜の道
竹玲
百日紅枝はねあげて路線バス
竹玲
まだ消せぬメールアドレス百日白
美雲
生乾きのシャツ百日紅は蕾
三歩
街の灯に煌めく雨と百日紅
恋の堀
百日紅咲いたよ明日も晴れるつて
中島 紺
百日紅同じ忌日の並ぶ墓地
中島 紺
百日紅ハルクホーガンの力瘤
老杉
海松色の斑の樹皮や百日紅
鍋焼きうどん
百日紅前行く君の空返事
石川穴空
敵陣をドリブル突破百日紅
歩歩丸
百日紅登ると星が獲れるって
チューリップ
夏見舞切手に京の風景印
高尾一叶
涼しさや窓に透かしの丁子紋
高尾一叶
早足のスーツの波に百日紅
咲葉
まっさらな空と木道水芭蕉
われもこう
さるすべりの短き蕊は囮なり
藻玖珠
拾翠の翠に百日紅の紅
藻玖珠
学び舎は静かなる時百日紅
いまい沙緻子
廃校や風にたゆたう百日紅
のりこうし
さるすべり明かりとなりて通夜の客
清泉
池畔の店氷菓の貼紙は白し
紫帆
画架揺らす風百日紅はマゼンタ
紫帆
奔放な枝に影在り百日紅
白石彌生
ホイアンの痩せ犬見上ぐ百日紅
駆大
夏めきてスワンボートの老夫婦
駆大
君居らぬ日に慣れにけり百日紅
太田 陽翠
百日紅歯科医のぬるい紙コップ
濡れひよこ
ランタンの影に潜みし百日紅
リコリス
千年を重ねし白や百日紅
狐狸乃
風抜けて橋に手を振る百日紅
甘崎禅之助
玉砂利の音やはらかし百日紅
chizumi
風はみな百日紅より生まれ出づ
在在空空
外苑に甘き花の香夏の宵
シフクノオト
抱っこから抜け出す吾子の夏帽子
白羊
百日紅やあのデパートも閉店す
山内三四郎
百日紅父の鹿児島訛かな
山内三四郎
父の忌やいよよ色濃き百日紅
木村弩凡
校庭にまだらしさない百日紅
大森 きなこ
百日紅滑れる猿の逃亡劇
ひでやん
おすべらかしの白水引や泉殿
ひでやん
この橋は自殺の名所百日紅
留辺蘂子
漣は歪み強めて百日紅
留辺蘂子
夏邸みどりゆらめく艶の床
佐藤儒艮
街騒は遠しさるすべりの真昼
佐藤儒艮
百日紅白髪頭の漢方医
ハルノ花柊
頭蓋を秒針午後の百日紅
黒子
節々にこもる百日紅の熱
黒子
栗林の公園一服鹿威し
信壽
いつ死んでも悔いなしなんて百日紅
ゆすらご
海松色の池に張り出す百日紅
ゆすらご
百日紅の匂ひを嘔吐く通夜かな
内藤羊皐
うぶすなは真昼影なき百日紅
内藤羊皐
百日紅赤し予後の覚悟
東京堕天使
訃報聞く真昼の丘や芝桜
原 水仙
産まぬまま万超ゆる日々百日紅
原 水仙
公立の母校平凡百日紅
梵庸子
ごみの日のごみの山積み百日紅
梵庸子
生き物はみんな臭いの百日紅
奈良の真
遣り手てふ女将は小柄百日紅
信茶
百日紅の元に盛り塩庭仕舞ひ
空木花風
ままごとの菜にせがまれ百日紅
京あられ
地筍の淡いえぐみや縁の風
つづきののんき
祖母のこゑに我のこたへて百日紅
風蘭智子
百日紅あをき京都は風もなく
冬島 直 (直あらため)
たそかれを百日紅まだ暮れきらず
冬島 直 (直あらため)
三年生に誓うコートや百日紅
海羽美食
おざなりの紅茶占い百日紅
青水桃々
七時五分発甲板に鯉幟
青水桃々
水切りを褒めて夏薊が高い
巴里乃嬬
父ちやんのにはか床屋よ百日紅
巴里乃嬬
百日紅空の青きを眩しめり
日永田陽光
片蔭を配達員の小走りに
日永田陽光
木橋の刀傷京の木下闇
比良山
渋滞を避けてコンビニ百日紅
藤井天晴
百日紅キテレツ斎のタイムマシン
しみずこころ
百日紅池の緑の深みゆく
しみずこころ
奔放なり借家の庭の百日紅
城ヶ崎文椛
手の甲の点滴の跡百日紅
城ヶ崎文椛
五線譜に零るる紅や百日紅
あすか風
池覗く花房重き百日紅
おぐら徳
百日紅や甲羅干しする背へ散りぬ
おぐら徳
百日紅たぶん渡航のメッセージ
渥美こぶこ
先生のナゾのスケッチ百日紅
渥美こぶこ
欄干の五月の影のくびれかな
高橋寅次
言葉って触れ合いなんだ水馬
高橋寅次
鍋島の飛び地の屋敷百日紅
風早 杏
日盛りや藻色の池のにほふ影
谷山みつこ
百日紅お薬ひとつ減りました
谷山みつこ
公家の名の残る公園さるすべり
沙那夏
ポンポン振る九回の裏百日紅
沙那夏
百日紅キリンの脚に似てをりぬ
⑦パパ
見合また断わられたり百日紅
ピアニシモ
水際に草の芽啄む鯉の群れ
灯り丸
あけぼののなかの冷たき花筏
古瀬まさあき
待たされてゐて百日紅さるすべり
古瀬まさあき
遠足は雨子等を待つ浅草寺
松虫姫の村人
花房へたわわの熱や百日紅
まっちゃこ良々
百日紅熱気と風の停留所
まっちゃこ良々
世界地図のパズルの山や百日紅
森野みつき
百日紅ちぢむ心は溺れそう
森野みつき
鬱屈の吾に傾聴てふ百日紅
ぷるうと
懸想しておるらし夜の百日紅
ぷるうと
終わりなき夜泣きの朝の百日紅
鈴木秋紫
花影に愛でる鯉なり藍衣
稲垣加代子
夜更しの明けて眩しき百日紅
稲垣加代子
十三回忌果て百日紅の午後
中村すじこ
百日紅余命宣告より二年
中村すじこ
古簾を上ぐる襷の祖母のこゑ
ペトロア
濡縁へ濃き影おとし百日紅
西村小市
苔茂る岩へ無数の鯉の口
江藤すをん
門前の世間話や百日紅
歩一
百日紅姉の法要案内来
びんごおもて
宣誓をした講堂や百日紅
びんごおもて
薔薇の香や町内会費集めます
小倉あんこ
花の寺巡るや名所図会を手に
小倉あんこ
ジョギングの橋揺れてをり百日紅
けーい〇
百日紅ぽろり落ちこぼれの僕に
けーい〇
噴水になりたかったか百日紅
満る
よく吠える隣家のチワワ百日紅
満る
風筋のあえかなひかり夕簾
天陽ゆう
打水や露地に関守石ぽつん
天陽ゆう
水切り石の角度白シャツの少年
白石 美月
本尊は千手観音百日紅
白石 美月
百日紅後宮の妃は走らない
まあぶる
湖は濃き獣のにほひ百日紅
千夏乃ありあり
神様に秘密の休暇さるすべり
千夏乃ありあり
駆けてゆく子の背ひかりて百日紅
小川都雪
百日紅の空き家腐らぬままの塩
もぐ
夏安居や波紋は雨の独り言
はれまふよう
路地一つ違へて一会京の夏
はれまふよう
朝刊抱く爺ちゃん朱き君子蘭
あすかきょうか
またファールボール当たりぬ百日紅
渡邉 俊
百日紅の陰に列なる保護者席
渡邉 俊
メンズシャツのささやかフリル百日紅
古都 鈴
百日紅上手く描けない水彩画
古都 鈴
背の吾子の寝息真昼の百日紅
坂野ひでこ
解体の始まる寺の百日紅
坂野ひでこ
火葬場の小さき池の花筏
星埜黴円
新蕎麦やお濠に掛る鍵曲
星埜黴円
阿羅漢の集うがごとく百日紅
大西どもは
エレキング隠す湖面や百日紅
大西どもは
問診に少しの嘘や百日紅
素人(そじん)
失念の暗証番号さるすべり
素人(そじん)
箱庭に息ふきかけて緑の手
うに子
百日紅ころがる国の人柱
うに子
仲人の講釈長し百日紅
青木りんどう
鯰ゐる池を名所と云われても
青木りんどう
奔放な来し方を知る百日紅
みずきの
ジリジリと眩暈の昼や百日紅
広泉
花房に熱満タンの百日紅
広泉
百日紅姫も踏みしか御所の砂利
橋本千浪
富士山麓より運びし藤や龍のごと
橋本千浪
子犬やっとトイレ覚えた百日紅
井納蒼求
百日紅母の介護は百日目
門司区ビリケン
頬杖のひらひらドレス葛ざくら
小川晴よ
付箋だらけ『武器よさらば』と鰻飯
小川晴よ
茶柱の立ちて寺院の風涼し
Q&A
新茶汲む「あなた日本語お上手ね」
Q&A
扁額の「心」の一字や蝉時雨
る・こんと