第56回「百日紅の名所」《人》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第56回 写真de俳句】《人④》
潮時や茶屋の水面を青嵐
瀬央ありさ
百日紅びっしり片頭痛じりり
あおい結月
百歳の今日もマージャン百日紅
水無月
月影や妻戸に余香洩るしじま
唯野音景楽
ままごとの声のせし家百日紅
草野ふうこ
沿道の百日紅かなバス来る
草野ふうこ
百日紅この猫今日もここにいる
二十八
誰も来ない夜逃げの家や百日紅
二十八
百日紅ぜんぶ母さんの言うとおり
植木彩由
回廊の君の衣擦れ百日紅
理孝
京都行き列車の床の迷い蟻
理恵にゃん
ティラシンの托鉢の列百日紅
一寸雄町
夏朝やティラシン歌ふやうに経
一寸雄町
家系図の話し膨らむ青簾
杜野みやこ
ラスイチのゴム跳び届け百日紅
骨のほーの
献血車降りて溢るる百日紅
骨のほーの
空籠や漁の帰りの百日紅
骨の熊猫
風死すや繕う網の指の節
骨の熊猫
怒号なだめる校庭の百日紅
鰯山陽大
徒長のさるすべり行き遅れの叔母
藤本花をり
比叡望む出雲路橋よ百日紅
藤本花をり
百日紅根元はタマの爪研ぎ場
船橋おじじさん
瘡蓋をそろりと剥がす百日紅
三日月 星子
炎天や厚き地層のチバニアン
岩魚
野草展一つ一つに初夏の風
岩魚
百日紅の坂新しき万歩計
たまさもち
専属の庭師こども病院の春
たまさもち
諸説ある湖の翠緑夏の外
ぞんぬ
百日紅の木漏れ日へ吾と祖母と子と
堂園 穂世
百日紅幹を流るる雨雫
山下筑波
友の死を告げる電話や百日紅
雪うさぎ
さるすべり盛ん両隣は空き家
雪うさぎ
さるすべり解いて結わいて妓女の髪
ノセミコ
痛くないまじない白きさるすべり
清瀬朱磨
きのふ見し夢の続きや百日紅
清瀬朱磨
国宝の本堂朽ちて夏に入る
まるにの子
百日紅いつもと違う妻が居た
山尾政弘
百日紅十年ぶりに腕を組む
山尾政弘
放られたキックバイクや百日紅
小花風美子
つながれた犬に寄る鳩百日紅
小花風美子
もろともにこぼるる弱音百日紅
さち今宵
百日紅老ゆる守衛の京訛り
さち今宵
さるすべり水の濁りに影厚し
楽奏
勤勉な祖母の葬儀や百日紅
シナモンティー
鉛筆をコロン転がす百日紅
ヨシキ浜
行くあてもなくて蜜豆でも食ふか
海月のあさ
命日の庭や鉄線四つ五つ
織部なつめ
おすすめの本を貸し合ふ百日紅
織部なつめ
欄干をあわてふためくてんとむし
青屋黄緑
百年の秘仏公開夏の池
青屋黄緑
回廊の水面に滲む百日紅
竜酔
解体の一隅ゆらす百日紅
迷照 りん句
君を待つ赤き手袋ほつれけり
弥音
言い訳が長くて百日紅がくすむ
芦幸
卒検やあの坂道の百日紅
芦幸
モネの池ならざるさるすべりの池
赤尾双葉
さるすべり君なめらかに嘘かさね
花和音
走り根にまろべばざわわ百日紅
花和音
猿滑に登る相談夏休み
入江みを
燈籠に甲羅干す亀若楓
湧翠
百日紅これつて「いじめ」だつたんだ
嶋村らぴ
ちりちりと笑って泣いて百日紅
たかみたかみ
「ふるさと」に異国の香り若葉風
游々子
保護猫のじゃれあう屋敷百日紅
山内プーコ
抱き上げる駄々の子の声百日紅
まこく
読みすぎる心読み解く百日紅
まこく
ストレートパーマの帰路や百日紅
雨野理多
古寺のつやめく手すり百日紅
雨野理多
百日紅風の音聴くラストラン
風の木原
碧き湖より君を恋ふ百日紅
中原みのり
抱卵の燕の眼静かなり
すずきあんず
合宿の早朝稽古さるすべり
すずきあんず
タンドールに膨らむナンや夏隣
日々の茶めし
AIに盗られしパート百日紅
日々の茶めし
売り家の守りなるかや百日紅
舟端たま
水棹たぽん岸の雑木の百日紅
舟端たま
三度目の告白五月のさるすべり
くるぽー
参院選幹曲がりたる百日紅
雪客
慣らし保育の肩こりと笑み花曇
咲織
年頃という距離を百日紅たわわ
だいやま
白服の祖父のかつての色話
だいやま
永代供養決めて一息百日紅
おかだ卯月
義実家の庭に橋あり百日紅
紅紫あやめ
百日紅油彩のやうに剥がれをり
髙田祥聖
百日紅平らな国を橋といふ
髙田祥聖
箱根ガラス館日々カンツォーネ百日紅
千里
眠りても灯るシナプス梅雨じめり
阿部八富利
雨の日の道場遠し百日紅
阿部八富利
告発のメール拡散百日紅
志無尽おたか
ケアホームはお城のかたち百日紅
水豚庵
洗濯の祖母とおしゃべりさるすべり
水豚庵
老眼や活字の溶ける夕端居
横山雑煮
百日紅ばかり撮つてるイタリア人
津々うらら
部屋の名は子規の俳句や伊予の春
庭野利休梅
思ひでの執拗なこと百日紅
雨野雀雨
若冲の仔犬ころころ百日紅
雨野雀雨
折檻の百日紅の樹皮を剥ぐ
がらぱごす
電柱を無くした空や百日紅
白秋千
カタタンと古民家カフェを麦の風
杜若友哉
今週を雑に済ますや百日紅
宮康平
百日紅盛り開かぬままの課題図書
かなかな
歌会で出会いし祖父母藤ゆるる
あおみどり
纒足の少女や眺む百日紅
赤坂みずか
麗人の傘飜る百日紅
平岡梅
百日紅散って水面の雲となる
平岡梅
百日紅揺れて流るる日々のこと
ろくろう
九條家の栄華や百日紅溢る
窪田ゆふ
杖ついてシーツ干す朝百日紅
木香
お局の寿退社さるすべり
踏轍
ヘリやたら飛び交う朝の百日紅
紫黄
鬱金香漲る水を抱きにけり
仁
踏まないで花苔もわたしの声も
小川野雪兎
百日紅ぐるぐる犬と子と風と
島田あんず
寺町の坂のどんつき百日紅
島田あんず
炎天や真白な塀のつづく御所
充子
初夏や池の鼓動へ舟を漕ぐ
充子
溶け合へる肉と錠剤百日紅
亘航希
芳しきお返事は来ず百日紅
まさし
万緑や住宅街のお稲荷さん
ゆみさく
山笑ふ空眺めたる檻の猿
葉月庵郁斗
今日もまた戦火のニュース百日紅
しげ尾
東屋のよもやま話百日紅
奏美和
校長の長い話や百日紅
コリちゃん
百日紅いくつもの失恋をした
ふづきかみな
河骨も腰折れ猿も動かない
井村 壽々
立ち昇る白檀の渦迎え盆
錆鉄こじゃみ
四反の暗き田の面や星涼し
錆鉄こじゃみ
交番の掲示0件百日紅
田野こみち
縁側のヘルンのあぐら百日紅
松下眞す美
工廠跡地八十回の夏巡る
紫桜
百日紅坊やのプール飽きもせず
田中亀子
九十六歳刺繡の棺と百日紅
道見りつこ
初七日の痺れた脚に百日紅
道見りつこ
空を掻き猛り跳ぶ猿山は春
常磐はぜ
人妻やぬらぬら雨の百日紅
常磐はぜ
百日紅折り目真直ぐの落選報
山浦けい子
せんそうとにんげん四文字さるすべり
七味
地下鉄の地上へ出づや夕の虹
七味
息子へと手紙投函百日紅
木乃芽依
粗削りな見得や盛夏の大向う
とひの花穂
斜に構えし地蔵しろばなさるすべり
とひの花穂
橋渡る吾の後先夏の蝶
茶茶の嬉嬉
学校を去る日百日紅の眩し
戸村友美
百日紅遠く名を呼ぶ母の声
道工和
死に顔へあをき蛍の流線形
おりざ
高欄の斗束にくびれ百日紅
白猫のあくび
さるすべり儂は儂よと婆様は
白猫のあくび
還暦のベベドール干す百日紅
朱葉
百日紅咲くや銭湯跡の家
翠雨
鶯や池の朱色の太鼓橋
翠雨
寝たままに尾ふる犬や百日紅
久蔵久蔵
百日紅ギブス外れてすこし浮く
島田雪灯
ちちんぱいぱい百日紅が明るすぎ
島田雪灯
赤き花ことさら赫し原爆忌
池田義昭
池の面に池の影なし百日紅
水須ぽっぽ
百日紅ふるへていつからが余生
水須ぽっぽ
メトロノームLargoを刻む百日紅
岡崎ふたり
母許(ははもと)の声無きままのさるすべり
あさり丸
折り返す橋の遠くに百日紅
岸野ゆり
百日紅碑のなき土塁一礼す
林房恵
百日紅動き始めた恋ひとつ
砂芽里
深紅の百日紅やあの日手触れぬ
京蛍
百箇日納骨の日の百日紅
はなハチコ
缶蹴りの缶蹴るカラス百日紅
本間 ふみふみ
早朝の柔き雨音さるすべり
本間 ふみふみ
ほくほくさくり独活の天麩羅へ塩
モト翠子
いつつめの擬宝珠に縋る糸蜻蛉
渥美 謝蕗牛
百日紅はるか岬の海難碑
竹庵
ニュータウン広き街路の海紅豆
竹庵
花しぐれ浪花のビルの観覧車
わおち
春の昼動くのやめた観覧車
伊呂八 久宇
空蝉に朝日ラジオ体操はまだ
ボンちゃんのママ
炎天に亀の波紋も静かなり
ボンちゃんのママ
眉月の弧のなめらかに百日紅
くさもち
借景の空青くして百日紅
くさもち
まれびとのおはす百日紅の橋
葉村直
橋越えてなほ風鈴の追ひすがる
葉村直
タタタンと桟橋駆くや虹握らむ
水きんくⅡ
水光を受け花影をお返しす
水きんくⅡ
百日紅いよいよ降嫁の和宮
理佳おさらぎ
はらはらと果てし片恋さるすべり
理佳おさらぎ
暁光の喪家に朱きや百日紅
桐山はなもも
初夏を黒く光らせ雷魚の背
佐藤レアレア
門柱に小さきシーサー百日紅
佐藤レアレア
百日紅揺れて小犬の急ぎ足
そーめんそめ
外灯に冷たく白く百日紅
そーめんそめ
退職を決めた眼に夏兆す
浅田香歌
百日紅お褒めの言葉頂戴す
浅田香歌
引き分けに見上げる空や百日紅
ふじっこ
折り鶴のごとき躑躅の蕾かな
ふじっこ
百日紅「お隣離婚したそうよ」
花岡貝鈴
百日紅おばは赦しの人なりき
小鉢
会議室賑やかなりし百日紅
イケダエツコ
余花みっけ今日は亡き子のバースデー
凛ひとみ
出自知る権利のありて百日紅
高田ちぐさ
沈黙とは焔のひだや百日紅
高田ちぐさ
学食へ一目散や夏の雲
キャロット えり
ペダル踏む百日紅咲く友の島
兎波
静寂やしだるる蛇の腹ふとし
てんむす
神さまは橋影をゆく百日紅
コンフィ