写真de俳句の結果発表

第57回「沖縄県の郷土料理」《ハシ坊と学ぼう!③》

ハシ坊 NEW

沖縄県の郷土料理

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

季重なり

泡盛を呷りステーキ大南風

佐藤志祐

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語にはなっています。どちらを主役にしたいのか。再考してみましょう。
“参った”

季重なり

ラフテーを泡盛り片手に夏の夜

みほ

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではあります。
“ポイント”

季重なり

夏休み校舎に育つゴーヤかな

もっさん

夏井いつき先生より
「ゴーヤ」も季語ではあります。「夏休み」と書かずに、夏休みの校舎かも? と読ませることができたらベストなのですが。
“ポイント”

季重なり

炎天下仁王立ちなりさとうきび

芝香

夏井いつき先生より
「炎天下」「さとうきび」どちらも季語ですね。
“参った”

季重なり

乗り遅れ沖縄ことばに夏夕焼け

かや楓

季重なり

守礼門夕餉の豚に夏夕焼け

かや楓

夏井いつき先生より
二句ともに「夕焼」が夏の季語なので、「夏」の一語は不要です。
“参った”

泡盛の洗ふ豚骨基地の跡

比良山

夏井いつき先生より
「泡盛に洗う豚骨」ではないかと。この「に」は、泡盛によって、というニュアンスになります。となると、「泡盛」も季語ではありますが、飲み酔うための泡盛とは違うものになるので、下五に季語をどっしり置くのも一手。「基地」という情報をどうしても入れたいのであれば、「基地の夏」ぐらいの着地になるかもしれませんが。
“ポイント”

ひきさかれひぼしひあぶり鯵ひとつ

鯵ありて引きさき日ぼし火あぶりに

夏井いつき先生より
「一句目は、最後をなんと締めていいのか、わかりません。二句目は、鯵をなんとか詠みたくて、別角度からのものにしたつもりですが、今度は上五をどうしたらいいのか、わかりませんでした。 こんなのは有りでしょうか?」と作者のコメント。

「別角度から」という意図は分かりますが、「鯵」を一物仕立ての句にしたいとなると、「引きさき」「日ぼし」「火あぶり」とやってしまうと、いくらなんでも大ざっぱ。まずは、「鯵」をさばくところで一句。干物にするところで一句、焼くところで一句というふうに、切り分けて観察してみましょう。
“参った”

夏の煮凝りいよよ眼玉のつるんとす

柿司  十六

夏井いつき先生より   評価    人 
「今回自らのテーマとして本歌取りに挑戦しています。西島麦南さんの〈煮凝りの魚の眼玉も喰はれけり〉の本歌取りをしたつもりです。本来の煮凝りは冬の寒さを利用して作られるものなので、食べる様子もちびちび食べると思いました。夏の煮凝りならば、冷蔵庫で作られ涼を感じる食べ物なので、大きめに取り、眼玉ごと一気につるんと食べると思いました」と作者のコメント。

ご本人としては、本歌取りに挑戦とのことですが、句としては別物になっています。人選です。
“ポイント”

ミミガー喰むこの耳聴きし囀りも

乃咲カヌレ

囀りを聴きミミガーとなりにけり

乃咲カヌレ

夏井いつき先生より
二句ともに同じ発想なのだと思います。今、眼前にある「ミミガー」がかつては囀りを聴いていた、という表現したい内容は分かるのですが、「囀り」を季語として表現しているとは言い難いものがあります。この発想を貫くのであれば、無季となることも覚悟で表現を練り直してみてはいかがでしょう。
“参った”

西日の厨ラフテーと泡盛と

央泉

夏井いつき先生より   評価    並 
「泡盛」も季語ではありますが、「と」で並列になっているので、主たる季語は「西日」かと判断はできます。この段階で、並選レベルは越えているのですが、人選を狙うとすれば、調べをあと一工夫できそうです。
“ポイント”

海色の琉球グラスにビールかな

加里かり子

夏井いつき先生より   評価    並 
「海色の琉球グラス」というフレーズは良いのですが、「~にビールかな」と展開すると、並選どまり。後半をどうもっていくか。ここに人選への道があるのです。
“ポイント”

黒南風や角煮と古民家の匂い

咲野たまふく

夏井いつき先生より   評価    並 
〈理不尽な賞レースかな濁り酒〉と作者のコメント。

二句目がコメント欄に記入されています。どちらも並選です。
“ポイント”