写真de俳句の結果発表

第57回「沖縄県の郷土料理」《ハシ坊と学ぼう!②》

ハシ坊 NEW

沖縄県の郷土料理

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

季重なり

ラフテーや泡盛恋し夏の月

菜月

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではありますね。三段切れになっている点も合わせて、推敲してみましょう。
“参った”

梅雨闇や酒に沈下す海ぶどう

山内啓上

夏井いつき先生より
「夜晩酌をしているときに、梅雨の雲で覆われた暗い空の下で焼酎をグラスで飲んでいて、おつまみに海ぶどうを食べていたら、その海ぶどうを食べるときに落としてしまい、その海ぶどうがグラスの中に入った、という句です」と作者のコメント。

なるほど、そういう光景なのですね。ならば、「焼酎」も季語ですから、そのまま素直に書くこともできます。

添削例
焼酎のグラスに沈む海ぶどう
 
“ポイント”

季重なり

泡盛や三線唄う梅雨の明け

歩一

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではあります。
“ポイント”

季重なり

涼しさや海人サラダ夏の風

渡辺 あつし

夏井いつき先生より
「涼し」も「夏の風」も季語ですね。
“参った”

季重なり

夏祭り厚い角煮と泡盛と

詠野孔球

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではありますが。
“参った”

季重なり

泡盛のグラスのしづく梅雨入りかな

喜多丘一路

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではあります。
“参った”

季重なり

帰省子の紅きネイルや鳳仙花

滝川橋

夏井いつき先生より
「沖縄の唄に『てぃんさぐぬ花』があります。親の言う事をきいて謙虚に正直に生きなさいというような内容です。そこから発想しましたが少々ベタでしたか?」と作者のコメント。

唄の内容以前に、「帰省子」も季語である点が気になります。
“ポイント”

季重なり

夏来たりデビチ片手に泡盛を

三宅 光風

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではあります。
“参った”

季重なり

泡盛を五杯干したるアロハシャツ

たーとるQ

夏井いつき先生より
「沖縄の人って本当によく飲みます。季重なりよりは『泡盛』と『アロハシャツ』の近さが懸念です」と作者のコメント。

どちらを主役にしたいのか、読者としても悩みます。
“参った”

季重なり

梅雨入りや脂身どろり汗ぽたり

かたばみ

夏井いつき先生より
「梅雨入り」「汗」どちらも季語ですね。
“参った”

季重なり

泡盛とカチャーシーの夜夏休み

のぐちゃん

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではあります。
“参った”

季重なり

故郷の祖母のラフテー夏夕焼

めぐえっぐ

夏井いつき先生より
「夕焼」だけで夏の季語です。
“参った”

季重なり

梅雨長しお国言葉と泡盛と

朱鷺

夏井いつき先生より
「泡盛」も季語ではあります。
“参った”

季重なり

苦瓜は日差しの辛さ夏の顔

芳山

夏井いつき先生より
「苦瓜」も季語なので、「夏の顔」と念押しているのが、気になります。
“参った”

季重なり

ラフテーは角煮ではない夏の虹

麦のサワコ

夏井いつき先生より
「沖縄に行くとラフテー、関東に戻ると角煮、地域で名前が違うだけで、同じじゃないのかなと思っていたのですが、今回の兼題のお陰で、違うものであることが判明しました」と作者のコメント。

あえての季重なり「夏の虹」でしょうか。上五中七を「ラフテーは角煮にあらず」と整えて、季語を再考してみましょう。「虹」ではないと思います。
“参った”