第46回 俳句deしりとり〈序〉|「ぱく」①

始めに
出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。


第46回の出題
兼題俳句
クウェートのスタンプ遠雷の万博 駒月 彩霞
兼題俳句の最後の二音「ぱく」の音で始まる俳句を作りましょう。
※「ぱく」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
はんざきのパクリ飲み込む何ものぞ
山田 健二
一泊し明日が楽しみ山紅葉
律
名古屋場所心拍あがる推しが前
紫陽


「ぱく」のしりとり広がらなくてそぞろ寒
あま門


ぱくついた 焼き芋悲し ダイエット
葛翁
今回最も多く届いたのはオノマトペの「ぱく」グループ。大別すると、ものを食べる意味の「ぱく」か、それ以外かに分けられました。《葛翁》さんはまさに食べるグループですね。が、惜しいのは五七五の間を空けてしまっていること。五七五の間は空けずに書くのが俳句の正しい書き方なのです。次回はぜひ正しい表記でのご投句お待ちしております!


パクついた蒸しパン龍淵に潜む
岸来夢
ぱくついた西瓜延長十五回
咲山ちなつ
ぱくついてしまう人影錦鯉
老黒猫
パクついてなほパクパクとピーナッツ
実相院爽花
ぱくつきて芋虫太くなりにけり
鈴なりトマト
ぱくつきの銭亀の鼻心急き
山本八角
パクりたい流れ漂う秋刀魚の香
高橋 誤字
ぱくつくなゆっくり食べよ神無月
槇 まこと
ぱくつくハムサンド揺れるエノコロ
天音閑
ぱくつくやあんぱんのほほ山笑う
暮待あつんこ
ぱくつくや五平餅手の紅葉狩り
ちょうさん
パクつく人は焼く人とバーベキュー
せんのめぐみ
ぱくっと頭齧る鯛焼吾のアバター
一生のふさく
パクっと飛び付くディスクの空高し
草深みずほ
パクパクとおでん一人で無口酒
輝虎
パクパクとおにぎり食むや親子熊
うきりん
パクとパイ食む海辺の野仔馬啼く
納平華帆
パクとモグぽちりて歳暮完了す
はま木蓮
パクと咥え金蛇を食う白鷺よ
尾長玲佳
ぱくっとや土手の風まで芋煮会
あさり丸
パクパクとぞうさん食むや冬夕焼
不二自然
ぱくぱくとだれか雪雲食べてくれ
大久保一水
ぱくぱくとバナナ昔のラブソング
梵庸子
パクパクとパン捕まらぬ運動会
赤味噌代
パクパクとモグモグ秋の牛蒡蒔く
さく砂月
パクパクとわんぱく坊や天高し
山河美登里
ぱくぱくと減る弁当や運動会
のりこうし
ぱくぱくと五個目の蜜柑食べる孫
ゆすらご
ぱくぱくと吾子が頰張る秋の食
そうわ
ぱくぱくと冴る夜を食うアンパンマン
染野まさこ
ぱくぱくと秋鯖食ふて嫁太し
丘 ななみ
ぱくぱくと蒸し饅頭と帰り道
糸桜
ぱくぱくと食べる姿や天高く
大本千恵子
ぱくぱくと進む新米はや二膳
杉本年虹
パクパクと人の寄せ鍋母米寿
太井 痩
ぱくぽくとよく食う客だ狸汁
桐山はなもも
パクパク夜食トンチンカンな問五
帝菜
パクぽくぽく藷はハフホフ湯気かおる
UVA桜
パクパクと味見やめぬ子秋の昼
せいか
ぱくぱくと両手にかぼちゃ冬至の夜
種月 いつか
ぱくぱくと林檎の形なくしゆく
殻ひな
ぱくぱくと茹で栗剥いて母笑う
きなこ
ぱくぱくぱくぱくぱくしょくよくのあき
胡麻栞
パクパクモリモリ底なし子らの秋
みそちゃん
パクパク期のバナナ咀嚼はうつほつほ
津々うらら
ぱくもぐもぐ「もこもこもこ」の声うらら
早霧ふう
パクパクと底なしの祖父秋うらら
へばらぎ
ぱくぱくと投げ餌食らう池の鯉
希子
パクっと手仔馬に喰まれる餌やりよ
チョコ婆
ぱくぱくと大食いなれば鱈の腹
ときちゅら
パクパクと頭噛まれし初夢よ
蕃茄
ぱくぱくと芭蕉忌の獏句を喰らう
中島 紺
パクパクと風神が召す鰯雲
志氣乃里己
ぱくぱくはマクロファージや風邪の熱
ゆりかもめ
パクーリ桜餅やピンクの野点
骨の熊猫
ぱくり消ゆ秋の空港限定品
瀬央ありさ
パクリ食い慌て口拭く天高し
竜酔
パクり食むとなりの庭の寒鴉
小穂
ぱくんとよゆるるパン追ふ運動会
ゆきえ
なかには食べる系のオノマトペと読むか、判断が微妙な句もあります。たとえば《瀬央ありさ》さんの〈ぱくり消ゆ秋の空港限定品〉は「盗む」意味の「ぱくり」と考えられなくもない……のですが、「ぱくり(と)消ゆ」のニュアンスかなあと判断して食べるグループに分類しています。「秋の空港限定品」って季節柄いろんな美味しい商品販売されてそうだしね。


ぱくりと切れた腕の傷身にしむる
くちなしの香
ぱくと罅割れて今年も水怖し
浅田香歌
ぱくと開く傷口のごとき石榴や
郡山まる
ぱくりあくあかぎれ指に秋の風
清水ぽっぽ
ぱくっと靴底口を開け運動会
とも女
パクパクとお下がりの靴七五三
桃華
パクパクと年季の入った靴の底
飯島寛堂
ぱくんぱく親の靴履く庭の春
甲斐杓子
パクッパクッと秋夜に刻む心電図
白石ルイ
ぱくっと開いた獅子舞万馬券
すけたけ
ぱくとあく小さき口へ栗わって
一寸雄町
ぱくと割け何を待つのか海桐の実
はるを
ぱくと閉ず赤子乳房につながれり
松本厚史
パクと閉ず父の財布や初籤
内田ゆの
ぱくぱくとうちの狭きに棲む金魚
令子
ぱくぱくとエコーの鼓動蝶の昼
竹田むべ
ぱくぱくと虚空へたましひ出す守宮
藻玖珠
ぱくぱくと金魚の不満平小鉢
いちの
ぱくぱくと鯉の集ひし紅葉川
咲葉
パクパクと鯉の団体秋の空
灯
パクパクと口は水面緋鯉息
沙魚 とと
ぱくぱくと口を広げし緋鯉かな
小田毬藻
ぱくぱくと口開く鯉にもみじ落つ
夕暮派れもんさわー
ぱくぱくと重なり合いて鯉のぼり
ちくちく慶
ぱくぱくと食え単語帳はたた神
高橋寅次
ぱくぱくと人の耳食ふ法師蝉
亘航希
パクパクと水面のめだか群がりぬ
北川茜月
ぱくぱくと赤い金魚や友の居間
みえこ
パクパクと争う口や緋鯉群る
時田チクタク
ぱくぱくと走る心臓冬帽子
田原うた
ぱくぱくと息す残暑のうはづみを
常磐はぜ
ぱくぱくと沈黙を食む金魚かな
弥栄弐庫
ぱくぱくと釣り上げられし日出鯔
明 惟久里
ぱくぱくと入れ歯を探す秋うらら
稲垣加代子
ぱくぱくと緋鯉群れくる太鼓橋
佐藤さらこ
ぱくぱくと風欲しげなる鯉のぼり
百夏
ぱくぱくと腹話術師の夜長かな
里山子
ぱくぱくと糞(まり)す金魚の無表情
のなめ
パクパクの金魚気になる不整脈
ガリゾー
ぱくぱくは錦鯉かな真鯉かな
八一九
ぱくぱくり喉まで見せて錦鯉
山姥和
ぱくぱく魚おねだりしている亥の子餅
里山まさを
ぱくぱふとみづを食みたる寒鯉よ
青野みやび
ぱくりと雪渓青き光の幽か
古み雪
ぱくんと心音しぐれ虹は二色
立田鯊夢
パクンパクン心拍速き春の恋
ルージュ
《②に続く》



