第46回 俳句deしりとり〈序〉|「ぱく」②

始めに
出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。


第46回の出題
兼題俳句
クウェートのスタンプ遠雷の万博 駒月 彩霞
兼題俳句の最後の二音「ぱく」の音で始まる俳句を作りましょう。
※「ぱく」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
ぱ くっ ぱ くっ リハビリは悴みより響く
髙田祥聖
パクパクパクパク金魚全滅するだらう
清松藍
ぱくり口開けて小春の富士の河馬
しせき
《清松藍》さんと《しせき》さんは共に動物への観察の目線。《清松藍》さんの金魚の一群に対する無情な観察の目線と、《しせき》さんの河馬の口中の桃色まで目に浮かぶようなほのぼのとした描き方。まるで性質が違うんだけど、どちらにも魅力があります。「富士の河馬」って昔CMやってた富士サファリパークってやつなんだろうか。調べてみたら実際に河馬はいるみたいですしね。


パクチーを好きか嫌いか菊香
砂月みれい
パクチーは嫌いと言ったはず秋思
若林くくな
パクチーは嫌いと言われ隙間風
コミマル
パクチーの青くさき香や秋の朝
ケンケン
パクチーの香りのきつし冬籠
雛あられ
パクチーはないわタイ人の雑煮
小笹いのり
パクチーを除けて食ふ君夜鳴きそば
孤寂
パクチーや除ける作業ぞ汗だくに
小川多英子
パクチー春菊好むは我のみか
こころ美人
パクチー除け切れずカオスなる屋台
木ぼこやしき
パクチーや食わず嫌いの螽斯
真秋
パクチーをつまみ出す君春隣
風嶺陸
パクチーをよけて語らう薄暑かな
一人男
パクチーをよけ彼候補消え初秋
駒茄子
パクチーきらい寄鍋に入れるとは
森野みつき
パクチー闇鍋に入れたの誰だよ
十月小萩
パクチーやへこき虫より屁の匂い
ヨシキ浜
パクチーのすみずみにをる放屁虫
おりざ
パクチーと臭さ競うや屁こき虫
一井かおり
パクチーのカメムシの香や秋真昼
南全星びぼ
パクチーどさっタイの夜市熱帯夜
在仏変人
パクチーとパクチー抜きで年守る
柑青夕理
パクチーと生姜たっぷり朝の粥
坂野ひでこ
パクチーにパンジー寄せるプランター
香亜沙
パクチーに白旗秋の空滲む
案山子
パクチーのアフロもりもりハロウィーン
白沢ポピー
パクチーのおでん相伝母心
北斗星
パクチーのサラダ華やかハロウィーン
太之方もり子
パクチーのスウプやメコン大夕焼
巴里乃嬬
パクチーの口直しには熟柿がき
団塊のユキコ
パクチーの香に慣れ春の晩餐会
あなぐまはる
パクチーの香のつまみある良夜かな
藤富うに
パクチーの香や屋台の並ぶ秋祭り
詠野孔球
パクチーの香りどっさり雪催い
芝歩愛美
パクチーの香り漂ふ秋の宵
閑か
パクチーの香り夜食は無国籍
キャロット えり
パクチーの根っこは白し夏暖簾
虎有子
パクチーの菜虫を取りて日記とする
瀬戸ざゆこ
パクチーの店春風と同僚と
梅野めい
パクチー入り雑炊に笑む留学生
えりまる
パクチーの日射しや生まれたての碧
青屋黄緑
パクチーの別名調べる赤い爪
どゞこ
パクチーはアリとマフラーはずしつつ
だいやま
パクチーはどっさり寄せ鍋に亜細亜
山内三四郎
パクチーはふるさとの香ぞ冬浅し
くさもち
パクチーは季語にはなれず秋簾
さ乙女龍チヨ
パクチーは好きサフランの赤嫌い
春那ぬくみ
パクチーは場外白秋のランチ
葛西のぶ子
パクチーむしゃむしゃ溽暑の待ちぼうけ
江口朔太郎
パクチーもビールも君と半分こ
窪田ゆふ
パクチーも鍋となりけり日の本で
日月見 大
パクチーやバレンタインデーのエスニック
ピアニシモ
パクチーや今じゃサラダでパクパクと
希凛咲女
パクチーや多国籍なる運動会
秋野たんぽぽ
パクチーをガバオライスへどっさり夏
こきん
パクチーをどつさり夏の夜のカレー
鷹見沢 幸
パクチーをぱくりパクパク秋夕焼
若宮 鈴音
パクチーをひと掴み盛る夏屋台
玉響雷子
パクチーを茅の輪にそっと再検査
さおきち
パクチーを勧むる霧や払ひけり
柊木涙
パクチーを山に鱸のタジン鍋
三浦海栗
パクチーを山盛り朝焼けのフォー啜る
家守らびすけ
パクチーを七草がゆへ母の乱
紫すみれ
パクチーを汁へ沈むる箸や南風
伊沢華純
パクチーを食めば鼻腔に春の虹
広島じょーかーず
パクチーを盛るやちむんや薄暑光
東風 径
パクチーを添へる豆皿秋の雨
源早苗
パクチーを独り占めする年忘
千夏乃ありあり
パクチーを鮒鮓に盛る実習生
大月ちとせ
パクチー群生のあとや冬の蝶
日進のミトコンドリア
パクチー山盛りカレー店に新米
おかだ卯月
パクチー山盛り新年祝う山ガール
小鳥遊
パクチー大盛り大試験後のファミレス
平岡梅


パクチーのくさきしぶきのくさめかな
⑦パパ
パクチーの匂いの芥隙間風
東京堕天使
《東京堕天使》さんはあくまでパクチーの匂いのする「芥」だから、実際にはモノの正体はわからないのがミソであります。「隙間風」がうだつのあがらない冷え冷えとした空間と、散らかった芥の雑多具合を想像させてくれました。


パクテーのスープ満々冬うらら
梅田三五


パクチョイの緑の涼し路地の朝
大森 きなこ
パクチョイの親は白菜かもしれぬ
原島ちび助
パクチョイの茎のとろけるクリーム煮
小川都雪
緑色で? 白菜の親戚っぽくて? 茎まで食べる? ふーむ、名前の響きからはパクチーのお仲間かと思いきや、句を見る限り別種の野菜っぽいですなあ。中国野菜の一種で、白菜の近縁種だそうです。食味も白菜に似ているそうで、なら白菜でいいじゃないか、という身も蓋もない声もでてきそうではありますが、あえて「パクチョイ」を選ぶことで日本ではない場所での「路地」や食卓を想像させるのにちゃんと一役買っております。
《③に続く》



