第69回「日本最古のビアホール」《ハシ坊と学ぼう!⑥》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
背のきれいビール注ぐひと運ぶひと
東風 径
夏井いつき先生より
「ビールを美味しく注ぐ人、それを素早く運ぶ人、どちらも背筋がすっと伸びて、とても美しく見えました」と作者のコメント。
「背がきれい」なのと、「背筋」がきれいなのとでは、自ずと映像が違ってきます。
「背がきれい」なのと、「背筋」がきれいなのとでは、自ずと映像が違ってきます。


黒ビール鬼の寝てゐる排卵日
幸田梓弓
夏井いつき先生より
「黒ビール」と「排卵日」の取り合わせは予想外。これが面白くなるか否かは、中七にかかってきそうです。


琥珀色満たすジョッキや春の秋
km0916
夏井いつき先生より
「春の秋」という季語が、ちょっと分からない……。
「春の秋」という季語が、ちょっと分からない……。


牛蛙のっぺらぼうの塩ラーメン
染野まさこ
夏井いつき先生より
句材は面白いのですが……。「のっぺらぼうの塩ラーメン」というフレーズを生かしたいのならば、季語を変えたほうがよいですし、「牛蛙」を生かしたいのならば、中七を再考しましょう。


御下がりのクラフトビールぬるきまま
むげつ空
夏井いつき先生より
「毎年、父の日前に弟からクラフトビールが届きます。仏前に供えた後は、私がおいしく『冷やして』飲みます」と作者のコメント。
なるほど。この書き方だと、そのまま飲んだと読めてしまいます。仏前から下げて冷やす……という部分が伝わるような書き方が、ベターかと。
なるほど。この書き方だと、そのまま飲んだと読めてしまいます。仏前から下げて冷やす……という部分が伝わるような書き方が、ベターかと。


献杯のビール始めて聞く話
藤井かすみそう
夏井いつき先生より
「始めて」ではなく、「初めて」ならば人選なのですが。


薫風やスカイツリーを斬る機体
風友
夏井いつき先生より
表現したい内容は伝わりますが、「斬る」という動詞が、季語「薫風」にとって得なのか否か。悩ましいところです。


ビールの泡のぼるカルデラ湖の底
渡辺鬼
夏井いつき先生より
「ビールの小さな泡が静かにのぼっている様子が、湖の底からガスの静かな泡があがっているのと似ていると思いました」と作者のコメント。
どちらが比喩になっているのか、そこが明確ではないのが、唯一の改善点です。
「ビールの小さな泡が静かにのぼっている様子が、湖の底からガスの静かな泡があがっているのと似ていると思いました」と作者のコメント。
どちらが比喩になっているのか、そこが明確ではないのが、唯一の改善点です。


取り敢えず麦酒まゐりて忍びいづ
旅路
夏井いつき先生より
「しょっちゅう仕事帰りに飲み会があった時代の記憶です。友人と一緒のときには、こっそり出るのがうまくいって、「やったー」という感じでケラケラ笑った、楽しい思い出です」と作者のコメント。
「まゐりて」は、ビールが運ばれてきた? 後半の句意が解読しにくいです。
「しょっちゅう仕事帰りに飲み会があった時代の記憶です。友人と一緒のときには、こっそり出るのがうまくいって、「やったー」という感じでケラケラ笑った、楽しい思い出です」と作者のコメント。
「まゐりて」は、ビールが運ばれてきた? 後半の句意が解読しにくいです。


梅雨明けやスカイツリーはまだ半分
かおりんご
夏井いつき先生より
「スカイツリーはまだ半分」とは、どんな半分なのでしょう? 半分しか建築がすすんでない? 半分が靄に隠れている?
「スカイツリーはまだ半分」とは、どんな半分なのでしょう? 半分しか建築がすすんでない? 半分が靄に隠れている?


心地よし連休明けのビヤホール
ごとう真樹
夏井いつき先生より
「小学生の子育てに追われている息子夫婦が、子供を預けて出かけた時の息子夫婦の気持ちを代弁しました」と作者のコメント。
「連休明けのビヤホール」で、充分心地よい感じが出てますので、五音分を再考してみましょう。
「小学生の子育てに追われている息子夫婦が、子供を預けて出かけた時の息子夫婦の気持ちを代弁しました」と作者のコメント。
「連休明けのビヤホール」で、充分心地よい感じが出てますので、五音分を再考してみましょう。


長き夜や「呑んべいはやめとけ」と母
青井 花
夏井いつき先生より
「母は父の酒を嫌がっていました。そして、幼い頃から私に『呑んべいはやめとけ。苦労する』とよく言っていました。お酒の写真からはそんなことしか思いつかなくて……。でも、これは報告ですかね。夜が長くなると、父の酒が増えるので母の言葉が残っています。私の作る俳句には『詩』がないことを理解しています。『詩』が書けるようになるには、人様の俳句を読んで覚えていくしかないのでしょうね。頑張りたいです」と作者のコメント。
ご両親の思い出なのですね。語順を替えるだけで、生き返る句ですよ。
添削例
呑んべいはやめとけ母の長き夜
「母は父の酒を嫌がっていました。そして、幼い頃から私に『呑んべいはやめとけ。苦労する』とよく言っていました。お酒の写真からはそんなことしか思いつかなくて……。でも、これは報告ですかね。夜が長くなると、父の酒が増えるので母の言葉が残っています。私の作る俳句には『詩』がないことを理解しています。『詩』が書けるようになるには、人様の俳句を読んで覚えていくしかないのでしょうね。頑張りたいです」と作者のコメント。
ご両親の思い出なのですね。語順を替えるだけで、生き返る句ですよ。
添削例
呑んべいはやめとけ母の長き夜


まなうらにビール飲む父浮かびけり
みや
夏井いつき先生より
「まなうらにビール飲む父」とあれば、もう浮かんでいることは分かります。
「まなうらにビール飲む父」とあれば、もう浮かんでいることは分かります。


流し目にラベルを上にビール注ぐ
藤村煌永
夏井いつき先生より
「昭和時代の昔人間だから、ラベルの向きは気にかかります」と作者のコメント。
下五を「注ぐビール」とすれば、人選です。
「昭和時代の昔人間だから、ラベルの向きは気にかかります」と作者のコメント。
下五を「注ぐビール」とすれば、人選です。



