第69回「日本最古のビアホール」《ハシ坊と学ぼう!⑦》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
ビール飲むしあはせかける愚痴の数
とぜん
夏井いつき先生より
「かける」を「×」とすれば、人選です。


百年の活気や飴色のビアホール
神木美砂
夏井いつき先生より
「や」を入れたい気持ちは分かります。が、全体の調べが緩いです。となれば、「飴色の」の部分を違う表現にできないかなと。「百年」があれば、「飴色」的な想像はできてしまいます。今回、古いイメージを伝えるために「飴色」「セピア色」が散見されたことも言い添えておきます。さあ、ここが最後のブラッシュアップですよ。


ザワークラフト酸る夏の恋過ぐ
ひょんすけ
夏井いつき先生より
意味はなんとなく分かるのですが、「酸る」は何と読むのでしょう。
意味はなんとなく分かるのですが、「酸る」は何と読むのでしょう。


ビアフェスト入らずのトイレ息を飲む
ビバリベルテ
夏井いつき先生より
「入らず」の句意が分かりにくいです。ビアフェストに客が来ない? ビールが入らない? 飲めない? なぜ「トイレ」で「息を飲む」? 色々伝わりにくいです。


冷え冷えのジョッキ12個汗光る
嬉々
夏井いつき先生より
特別な意図がない場合は、漢数字が基本です。


金魚売抜けて銀座のビヤホール
徳佐津麻似合
夏井いつき先生より
「明治から昭和初期にかけて、ビールは贅沢品で銀座の恵比壽ビヤホール、あるいはビヤホールライオン銀座七丁目店に出かける理由になっていました。そのワクワク感を詠みました」と作者のコメント。
「金魚売抜けて」という表現は、「金魚売」が並んでいる場所を抜けて……なのか、「金魚売」が抜けて……なのか。句意のブレが気になります。
「金魚売抜けて」という表現は、「金魚売」が並んでいる場所を抜けて……なのか、「金魚売」が抜けて……なのか。句意のブレが気になります。


初麦酒ニガガつまらぬ恋拾う
すみっこ忘牛
夏井いつき先生より
「ニガガ」という言葉の意味が分からず……。「苦し」の変換ミスなのか?


夕暮れて油煙の中の麦酒かな
牡丹
夏井いつき先生より
「夏祭りの屋台。もうもうと煙が上がる中の風景を詠みました」と作者のコメント。
屋台でしたら、そうと分かる一工夫が欲しいかな。「かな」という詠嘆も含めて再考してみましょう。
「夏祭りの屋台。もうもうと煙が上がる中の風景を詠みました」と作者のコメント。
屋台でしたら、そうと分かる一工夫が欲しいかな。「かな」という詠嘆も含めて再考してみましょう。


迎え梅雨冥土さざめく酒場かな
音羽ナイル
夏井いつき先生より
「追悼句です。お酒を手放すことが出来なかった。そろそろ自宅へ帰る準備でもしようかと、あの世の皆様とお酒を飲んでいる様子を詠みました」と作者のコメント。
せっかくの追悼句ですから、中七の表現をブラッシュアップしてみましょう。場合によっては、「かな」の詠嘆も含めて。
「追悼句です。お酒を手放すことが出来なかった。そろそろ自宅へ帰る準備でもしようかと、あの世の皆様とお酒を飲んでいる様子を詠みました」と作者のコメント。
せっかくの追悼句ですから、中七の表現をブラッシュアップしてみましょう。場合によっては、「かな」の詠嘆も含めて。


熱戦やビールの売り子膝黒し
せいか
夏井いつき先生より
「黒し」は、再考の余地ある一語です。
「黒し」は、再考の余地ある一語です。


銀ぶらの夕風のごと浴衣かな
鷹見沢 幸
夏井いつき先生より
比喩にしたことの損得を考えてみて下さい。
比喩にしたことの損得を考えてみて下さい。


紫陽花や去年の花の枯れ残る
瀬戸一歩
夏井いつき先生より
「〈紫陽花の枯れ花つけて若葉かな〉の直しです」と作者のコメント。
推敲しての一句なのですね。この二句を統合してみれば……作者が描きたかった映像はこれかもしれません。
添削例
紫陽花の花の枯れ残れる若葉
「〈紫陽花の枯れ花つけて若葉かな〉の直しです」と作者のコメント。
推敲しての一句なのですね。この二句を統合してみれば……作者が描きたかった映像はこれかもしれません。
添削例
紫陽花の花の枯れ残れる若葉


モルト香や肺へと仕舞ふビヤホール
オニチョロ
夏井いつき先生より
「や」で詠嘆したい気持ちは分かりますが、「モルト香」は寸詰まりな表現です。
「や」で詠嘆したい気持ちは分かりますが、「モルト香」は寸詰まりな表現です。


遊覧船を待つカウンターのビール
靫草子
夏井いつき先生より
「定型を諦めて、最後は『を』を入れるかどうか悩みました」と作者のコメント。
どちらにしても、定型にはならないので、「を」を外して「遊覧船待つ」八音、「カウンターのビール」九音、足して十七音の破調にするのが、ベターな選択です。そうなれば、人選です。
「定型を諦めて、最後は『を』を入れるかどうか悩みました」と作者のコメント。
どちらにしても、定型にはならないので、「を」を外して「遊覧船待つ」八音、「カウンターのビール」九音、足して十七音の破調にするのが、ベターな選択です。そうなれば、人選です。



