写真de俳句の結果発表

第69回「日本最古のビアホール」《ハシ坊と学ぼう!⑧》

ハシ坊 NEW

第69回「日本最古のビアホール」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

ビアホール飲んで語って楽園に

銀幕なり

夏井いつき先生より
下五「楽園に」は、作者の感想にあたる言葉です。俳句は描写。飲んで語っているさまを具体的に描写してみましょう。
“ポイント”

仕事終え麦酒五口で頬緩む

すいかの種

夏井いつき先生より
「仕事終え」という状況で、「麦酒五口」も飲めば当然頬も緩むというものです。下五は不要。推敲の余地はここにあります。
“ポイント”

大谷の本塁打に背ビール売り

なみこまち

夏井いつき先生より
〈大谷の本塁打背にビール売る〉とすれば、人選です。その違いを考察してみましょう。
“ポイント”

信長の齢になりし揚花火

光太郎

夏井いつき先生より
「に」を「と」にすると人選です。
“ポイント”

ビアホールじいちゃん粋に白ブレザー

藤本花をり

夏井いつき先生より
「亡き父はハイカラでおしゃれな人でした。父ならきっと白ブレザーを着て行っただろうなと想像して詠みました」と作者のコメント。

こういうエピソードでしたら、「粋に」と説明してしまうのが勿体ないですね。「白ブレザー」の祖父、あるいは父は、十分に「粋」ですから、それを書く必要はありません。
“難しい”

君の好きなビールも買ふて盆用意

海月のあさ

夏井いつき先生より
「季重なりではあるのですが、盆用意を季語としています。若くして亡くなった夫は、ビールが大好きでお盆には必ずビールを用意します。夫ではなく『君』にしたのは、お互いに君と呼んでいたこともあり、若々しい雰囲気も出せるのではと思いました」と作者のコメント。

「買ふ」が「て」に接続する時は、「買ひて」となります。音便を発生させることもできますね。
“ポイント”

米麹甘さ引き出す一夜酒

德(のり)

夏井いつき先生より  
「一夜酒」は、「甘酒」の傍題で夏の季語になります。「米麹甘さ引き出す」は、甘酒の説明になる言葉です。
“ポイント”

夏夕べ先ずは乾杯転移なし

ときちゅら

夏井いつき先生より
語順を整えるとすれば……

添削例
転移なし先ず乾杯の夏の夕
“ポイント”

相続の書類とビール弟と

おかだ卯月

夏井いつき先生より
「ビールと弟と」とすれば、人選です。
“ポイント”

涼風や肩書なき輪の中に

コリちゃん

夏井いつき先生より
「肩書のなき」とすれば、人選です。
“ポイント”

同棲してしずかに朽ちゆくバナナ

田近詩泉

夏井いつき先生より
上五を「同棲や」とすれば、人選です。
“ポイント”

挨拶長しビールグラスに光る露

ボンちゃんのママ

夏井いつき先生より
この句の場合は季語として使われているわけではありませんが、「露」は秋の季語なので、グラスの水滴は何か別の表現ができるとベストです。
“ポイント”

地下川の層の白糸いづる滝

丨呂 ih

夏井いつき先生より
第65回並選〈地下に川流るる層や断ちて滝〉を推敲し、典型的な三段切れを解消しました。中七を『は』とも考えましたが、『の』として、滝として眼前に現れる前からつながっている様子を描きました」と作者のコメント。

原句は、三段切れではないですよ。地下の川は何層かに分かれて流れている、という意味は、原句のほうが分かりやすいです。推敲句は、「白糸いづる」が装飾的で、逆に臨場感が削がれているようにも思います。
“ポイント”

百余年歴史の駅舎風薫る

惠桜改め さーやのママ

夏井いつき先生より
「百余年」とあれば、まさに歴史ですから、「歴史」の一語は不要です。
“良き”