第69回「日本最古のビアホール」《ハシ坊と学ぼう!⑨》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
ジョッキ越しカンタのバッグ開ける女(ひと)
釋愚拙
夏井いつき先生より
「『カンタ』というインドの伝統的な刺し子刺繍があります。学生時代、カンタのバッグをもつ、ロングヘアーの素敵な女性を見たことを思い出し、詠んでみました」と作者のコメント。
「女」と書いて「ひと」と読ませるのは、あまりお勧めできません。「ひと」とルビをふるのも、無粋です。普通に「人」と書いて、これは女性に違いないとか、これは老人に違いないとか、想像させてこその技だと考えるからです。さて、どうしましょう?
「女」と書いて「ひと」と読ませるのは、あまりお勧めできません。「ひと」とルビをふるのも、無粋です。普通に「人」と書いて、これは女性に違いないとか、これは老人に違いないとか、想像させてこその技だと考えるからです。さて、どうしましょう?


すみれ咲く食わるるも又食わるるもも
浜千鳥
夏井いつき先生より
中七下五の句意が掴みきれませんでした。


ねえダリア乾杯何度で祝えるの
月季 紫
夏井いつき先生より
素材は面白い。後半の「何度で祝えるの」が、ちょっと尻すぼみな感じです。
素材は面白い。後半の「何度で祝えるの」が、ちょっと尻すぼみな感じです。


大釜の三台空に競馬場
うーみん
夏井いつき先生より
「サッカーの試合会場近くのキッチンカーでアルバイトをしたとき、大繁盛でご飯の入った大きな炊飯器が三つとも空になりました」と作者のコメント。
発想は面白いのですが、「大釜の三台空に」がキッチンカーの炊飯器だと分かるまでに、少々時間を要します。読者に負担がかかる、下五の展開。まだ、工夫の余地がありそうです。
発想は面白いのですが、「大釜の三台空に」がキッチンカーの炊飯器だと分かるまでに、少々時間を要します。読者に負担がかかる、下五の展開。まだ、工夫の余地がありそうです。


サイダーや無数の宇宙生まれけり
秀翁
夏井いつき先生より
「や」「けり」切れ字が重なりました。解決法については、『俳句添削事典』86頁を参照して下さい。


母の日や千成最中プレゼント
さち緖
夏井いつき先生より
「母の日」という季語の力を信じれば、下五「プレゼント」と説明する必要はありません。


ビヤホールジョッキ持つ手に筋浮かぶ
南全星びぼ
夏井いつき先生より
下五を「浮かぶ筋」とすれば、人選です。


カウンター無数の輪染み巴里祭
真秋
夏井いつき先生より
「新人の時、上司に連れて行かれた銀座のバーは古く小さく、シャンソンが流れていたことを覚えてます」と作者のコメント。
一音字余りになりますが「カウンターの」とすれば、人選です。
「新人の時、上司に連れて行かれた銀座のバーは古く小さく、シャンソンが流れていたことを覚えてます」と作者のコメント。
一音字余りになりますが「カウンターの」とすれば、人選です。


花吹雪二度目の離婚届かな
清桜人
夏井いつき先生より
「 第66回『お台場の桜』〈桜蕊降る離婚届へまた署名〉推敲句です。ハシ坊にて、『「離婚届」に対して「桜蕊降る」との取り合わせが少し近いかと。「また」というのは二度目の離婚(?)という読みでよいのでしょうか』とご教授いただき、ありがとうございました」と作者のコメント。
うーむ……これは改悪です。こう展開してくるのならば、むしろ「桜蕊降る」という七音の季語を使って、残り十音で破調として成立させることも考えられます。
添削例
桜蕊降る二度目の離婚届
「 第66回『お台場の桜』〈桜蕊降る離婚届へまた署名〉推敲句です。ハシ坊にて、『「離婚届」に対して「桜蕊降る」との取り合わせが少し近いかと。「また」というのは二度目の離婚(?)という読みでよいのでしょうか』とご教授いただき、ありがとうございました」と作者のコメント。
うーむ……これは改悪です。こう展開してくるのならば、むしろ「桜蕊降る」という七音の季語を使って、残り十音で破調として成立させることも考えられます。
添削例
桜蕊降る二度目の離婚届


泡消えしビールや友のすすり泣き
柳翠
夏井いつき先生より
「〈すすり泣く友やビールの泡消えし〉と、どちらにするか迷いましたが、説明的にならない方を選びました」と作者のコメント。
いい判断ですね。更に、下五を「すすり泣く」とすれば、人選です。
「〈すすり泣く友やビールの泡消えし〉と、どちらにするか迷いましたが、説明的にならない方を選びました」と作者のコメント。
いい判断ですね。更に、下五を「すすり泣く」とすれば、人選です。



