第72回「木の実のカーテン」《ハシ坊と学ぼう!⑬》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
亡き母の鏡台奥の木の実独楽
佐柳 里咲
夏井いつき先生より
句材が良いですね。欲をいえば、「亡き母」と書かずに、お母さんは亡くなっているのだろうなと読者に伝えられればと。
句材が良いですね。欲をいえば、「亡き母」と書かずに、お母さんは亡くなっているのだろうなと読者に伝えられればと。


ナナカマド仲良く並ぶ地蔵かな
雪嶺
夏井いつき先生より
季語として使う場合は、特別な意図がない限りは「七竈」「ななかまど」と表記することが推奨されます。
季語として使う場合は、特別な意図がない限りは「七竈」「ななかまど」と表記することが推奨されます。


素通りのカラスの実赤くなりけり
つな山つな子
夏井いつき先生より
「実が赤くなるまでは、ななかまどの木だと気づかなかったが、赤くなったとたんに存在感を感じた様子を俳句にしました」と作者のコメント。
「ななかまどの実」に対して「カラスの実」という呼び方があるのでしょうか? 季語としては、「七竈」あるいは「ななかまど」と書くべきでしょう。
「実が赤くなるまでは、ななかまどの木だと気づかなかったが、赤くなったとたんに存在感を感じた様子を俳句にしました」と作者のコメント。
「ななかまどの実」に対して「カラスの実」という呼び方があるのでしょうか? 季語としては、「七竈」あるいは「ななかまど」と書くべきでしょう。


青い空カーテン状に吊るし柿
佐藤恵嗣
夏井いつき先生より
「吊るし柿」や「苦瓜」の蔓のさまを「カーテン」に喩えるのは、かなり手垢のついた比喩。別の表現をさぐるところに、創作の醍醐味があります。
「吊るし柿」や「苦瓜」の蔓のさまを「カーテン」に喩えるのは、かなり手垢のついた比喩。別の表現をさぐるところに、創作の醍醐味があります。


帯解や南天の実の吊られけり
丸山 晴耕
夏井いつき先生より
「や」「けり」と切字が重なっています。この場合でしたら、「けり」を外すのが定石かと。
「や」「けり」と切字が重なっています。この場合でしたら、「けり」を外すのが定石かと。


湯あがりや齧る胡瓜も勾がりをり
ごまお
夏井いつき先生より
助詞の「も」だけが気になります。
助詞の「も」だけが気になります。


苦瓜のカーテン越しのヴァイオリン
ぴーとぺー
夏井いつき先生より
描こうとしている光景は良いですね。「苦瓜」を「カーテン」とするのは、よくでてくる比喩。ここを、しっかりと描写してみましょう。
描こうとしている光景は良いですね。「苦瓜」を「カーテン」とするのは、よくでてくる比喩。ここを、しっかりと描写してみましょう。


木の実落つ明日はどこまで転がらふ
丹波らる
夏井いつき先生より
下五は「転がろう」の意味でしょうか。だとしたら、「転がらう」となりますね。
下五は「転がろう」の意味でしょうか。だとしたら、「転がらう」となりますね。


参観日木の実で作るカーテンや
へばらぎ
夏井いつき先生より
下五を「~や」と着地するのは、バランスの取りにくい難しい型です。語順を考えてみましょう。
下五を「~や」と着地するのは、バランスの取りにくい難しい型です。語順を考えてみましょう。


魚付を雨に交じりて木の実降る
ほうちゃん
夏井いつき先生より
「魚付林」のこと? 魚類が寄り集まること、あるいはその場という意味? 下五が「木の実降る」だから、後者の解釈は、無理があるのかなあ。句意を確定しにくいのが、難点です。
「魚付林」のこと? 魚類が寄り集まること、あるいはその場という意味? 下五が「木の実降る」だから、後者の解釈は、無理があるのかなあ。句意を確定しにくいのが、難点です。


黒紋付羽織るサンドレス朱し
桜上比呂
夏井いつき先生より
「この句とは関係のない事なのですが、第70回に投句した〈黄付箋の今更なるを叱る梅雨〉という句は、大好きで憧れている〈草刈鎌軟弱なるを叱りをり〉という辻桃子さんの句に、私のエピソードを重ねて詠んだのですが、この句はNGだったでしょうか? 今更ですが……」と作者のコメント。
大胆なファッション。「羽織る」が必要かどうかも含めて、語順を再考する価値はありそうです。第70回の句に関しては、人選の評価を入れているはずです。
「この句とは関係のない事なのですが、第70回に投句した〈黄付箋の今更なるを叱る梅雨〉という句は、大好きで憧れている〈草刈鎌軟弱なるを叱りをり〉という辻桃子さんの句に、私のエピソードを重ねて詠んだのですが、この句はNGだったでしょうか? 今更ですが……」と作者のコメント。
大胆なファッション。「羽織る」が必要かどうかも含めて、語順を再考する価値はありそうです。第70回の句に関しては、人選の評価を入れているはずです。


戒壇院扉絵図や盆休み
音羽ナイル
夏井いつき先生より
「奈良国立博物館の南都仏画を拝見したのですが、東大寺戒壇院扉絵図の花が垂れ下がる美術に興味が湧きました。つるし飾りについて考えるお盆となりました」と作者のコメント。
素材に対する季語の取り合わせが、ユニーク。「かいだんいんとびらえずや」で十二音+季語という型にした工夫は分かるのですが、調べが微妙に中途半端。思い切って大胆な調べを作ることが出来れば、素材が更に生きてくるように思います。
「奈良国立博物館の南都仏画を拝見したのですが、東大寺戒壇院扉絵図の花が垂れ下がる美術に興味が湧きました。つるし飾りについて考えるお盆となりました」と作者のコメント。
素材に対する季語の取り合わせが、ユニーク。「かいだんいんとびらえずや」で十二音+季語という型にした工夫は分かるのですが、調べが微妙に中途半端。思い切って大胆な調べを作ることが出来れば、素材が更に生きてくるように思います。


黄の蕊にまみれて糸に落椿
智幸子
夏井いつき先生より
「幼い頃、祖母の庭の落椿を、黄の蕊にまみれて、糸に通しました」と作者のコメント。
目の付け所が良いです。語順をどう工夫するかによって、句の出来がそうとう左右されそう。
「幼い頃、祖母の庭の落椿を、黄の蕊にまみれて、糸に通しました」と作者のコメント。
目の付け所が良いです。語順をどう工夫するかによって、句の出来がそうとう左右されそう。



