第23回「カメラと夕焼け」《並》①
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第23回 写真de俳句】《並①》
-
横顔がキレイ夕焼けにつぶやく風呂猫
-
蜩や急かすなピント合わせてる風呂猫
-
風紋の丘刻々と秋めくをひでやん
-
一番星色なき風に誰何されひでやん
-
幸せのこはるる音や秋の色ひでやん
-
幸せを集むる旅や秋の声ひでやん
-
色のなき風を集めて空の朱ひでやん
-
泥んこの手の百五円ソーダ水登りびと
-
雪渓も夕陽と共に埋もれけりよしざね弓
-
終戦日金曜ロードショーの問ひよしざね弓
-
子離れの最後の一枚流れ星よしざね弓
-
秋の日を切り取るフィルム夕陽色よしざね弓
-
黄昏れて吾に纏わる揚羽蝶くま鶉
-
蒲萄の空を震わす蝉時雨くま鶉
-
夏怒濤紅炎色のカツカレーくま鶉
-
甘塩に鳴くや真闇の孕み猫くま鶉
-
大蒜やあゝ種牛のふぐりめくくま鶉
-
かく永く秋ゆふやけに風吹けるぼへみあん
-
木を這へる草あたらしき夕焼かなぼへみあん
-
どしや降りのあと夕映の秋めけるぼへみあん
-
街の名は知らぬ夕焼の写真ありぼへみあん
-
やゝ暗くうち広がれる夕焼かなぼへみあん
-
夕焼や娘のブログ見てしまふ藤田ゆきまち
-
夕焼の吾へ山頂へじき雲へ佐藤儒艮
-
秋声へ向けるピントの電子音佐藤儒艮
-
籠の猪口選りて一献秋ともし佐藤儒艮
-
巨大クレーン車溶けくる大夕焼ハルノ花柊
-
手作りの犬小屋燃やす大夕焼ハルノ花柊
-
大夕焼常しへの知床岬ハルノ花柊
-
爛熟の夕日や夏の果の駅黒子
-
あるだけの光切り取る夏の果世良日守
-
赤蜻蛉カメラの電池切れている世良日守
-
夕焼の白さは還りゆく白さ世良日守
-
夕焼を信号にしてホログラム世良日守
-
シャッター押して夕焼の詠唱拳世良日守
-
たましひを抜き撮り肥る菊人形世良日守
-
取材日の最後の握手龍淵に遊呟
-
コスモスの闇路校則やぶる髪遊呟
-
バッテリー上がり日暮しの首塚遊呟
-
籠載せておでこに遊行忌の夕日遊呟
-
二眼レフ釣瓶落としに覗く黄泉遊呟
-
山頭火忌の夕映え喰はすガラパゴス携帯遊呟
-
鵙の贄逃げる手ぶれの焦点よ遊呟
-
最終話見逃す道のちちろかな遊呟
-
偽陽性千々の紅葉の線と線遊呟
-
看板ヘちさき秋あのナポリタン遊呟
-
下町にチャイム響くや秋夕焼け信壽
-
友帰り一人残りて赤蜻蛉信壽
-
枯野行く老犬を引く老婆の背信壽
-
渇き切る店員来ないビアガーデン信壽
-
悪友と「写ルンです」の盆休み信壽
-
八月の雲の過ぎゆく早さかな多喰身・デラックス
-
十月の伸びては戻るレンズかな多喰身・デラックス
-
極彩色の街に住まされ熱帯夜石井一草
-
かの空が真っ赤に焼けた敗戦日ゆすらご
-
烏瓜の花の縁取るトタン屋根ゆすらご
-
祖母埋む天栄村を夕焼ける内藤羊皐
-
消息を夕焼に代える篆刻師内藤羊皐
-
夕焼の涯を探しにゆきたしと内藤羊皐
-
背を揺するギターケースを夕焼けり内藤羊皐
-
をさな子を拐ふが如き夕焼かな内藤羊皐
-
夕虹や父の忌日を選ぶがに内藤羊皐
-
夕虹の痕を曳きたる山上湖内藤羊皐
-
リハビリの妻の潜れる夕の虹内藤羊皐
-
武蔵野へ秋夕焼を滴らす内藤羊皐
-
秋夕焼妻の臀部を濡らしをり内藤羊皐
-
かなかなの声を整へ湖暮る内藤羊皐
-
蜩のこゑに随ふ没日かな内藤羊皐
-
初秋のをみな影割り過ぎにけり内藤羊皐
-
鳩尾を疼かせてゐる秋初め内藤羊皐
-
秋口の影売り通る港かな内藤羊皐
-
気まぐれな脈搏シリンジに夕焼杜まお実
-
大夕焼フェイスシールド籠もる熱杜まお実
-
ノロ掻きの背中炙りし大夕焼杜まお実
-
夕焼に覗かれてゐる秘密基地杜まお実
-
夕焼や「飛雄馬」になれんかった俺杜まお実
-
夕焼や母の遊びしフラフープ杜まお実
-
宿題の俳句はじぃじ夏休み杜まお実
-
夕焼や電動バイク押す背中杜まお実
-
夕立に涙を洗い流しけり葉山さくら
-
スクワット百回百回目の夏葉山さくら
-
夏帽子取る間もなしに抱かれし葉山さくら
-
棚田守上下左右を日焼けして葉山さくら
-
富士山の灼くる銃声の無音葉山さくら
-
幾度も灼ける遊具に触れたる子葉山さくら
-
サンセットクルーズ凪ぐや虹二重原 水仙
-
海の日じゃんサザンばかりのカセットさ原 水仙
-
篝火や鵜舟は紅き波を追ふ原 水仙
-
松明の照らす鵜匠の顔の彫り原 水仙
-
遠火事や浮き立つ街の夜は赫し原 水仙
-
落日にじりと灼かるる藍の海原 水仙
-
路線バスそつと警笛鴉の子原 水仙
-
夏果ての旅に「大空消防署」梵庸子
-
旅先のローカルニュース蕎麦の花梵庸子
-
まだ1句2句目来い来い冷奴亀田かつおぶし
-
夕焼や立泳ぎするくじら雲亀田かつおぶし
-
鈍色の海に尾を書く流れ星亀田かつおぶし
-
月の夜の瓦に光る苔の花亀田かつおぶし
-
夏の海砂蹴り走る女の子亀田かつおぶし
-
人間を影にするのは秋夕焼奈良の真
-
フィルムはこの空ですか秋夕焼奈良の真
-
秋めくやフィルムの箱に傷一つ奈良の真
-
飼い猫のおっさん座り秋扇奈良の真
-
子と母の消しゴムハンコ夜長なり奈良の真
-
青空へ津波来るごと大西日奈良の真
-
旱星今宵誰かの家に火が奈良の真
-
電柱に犬を繋いで地蔵盆奈良の真
-
秋風がカメラ構えた腕を撫で奈良の真
-
水澄みて選挙ポスター剥がれかけ奈良の真
-
駅前の選挙カーへと油照奈良の真
-
給食の居残り二人夕焼雲信茶
-
写真部の部室の匂い梅雨夕焼信茶
-
夏夕べ新世界より二楽章空木花風
-
オリーブ畑農園部は夏時間空木花風
-
炎帝をドクターヘリの軌跡かな空木花風
-
旱星埋め立ての海灼かれをり空木花風
-
炎帝の映り込みたるwebカメラ空木花風
-
島唄や海一枚の大南風空木花風
-
大往生とは言ひ難き夕焼かな空木花風
-
不器用に生きてをります原爆忌空木花風
-
拓郎の落陽聴き納めの夏京あられ
-
悔しさをぎゅっと握って秋夕焼京あられ
-
家族写真父だけを撮る秋の夕京あられ
-
甲子園膝まづく背に夏夕焼京あられ
-
急登の花野続くや押すシャッターやまだ童子
-
氷河背に酒酌み交わすスイスかなやまだ童子
-
夏の夕マッターホルン眺む宴やまだ童子
-
夕焼けや明日はきっと一万歩那須のお漬物
-
五時起も習ひとなりて明易し那須のお漬物
-
大夕焼一眼レフに陽の匂ひ那須のお漬物
-
口ずさむ私の昭和夕焼雲那須のお漬物
-
蝶を見し暮れゆく空の十字星那須のお漬物
-
秋澄むやレンズの先の青い池那須のお漬物
-
ファインダ越しの景色は自在雨の月つづきののんき
-
うずく痛みさぐる指先秋夕焼つづきののんき
-
夕日喰うて生い立つ朱き山の柿つづきののんき
-
グランドに白球ひとつ秋夕焼森中ことり
-
大夕焼明日も会えると思ってた森中ことり
-
春夕焼ピント合わない世界きれい森中ことり
-
夕焼け綺麗で夕飯遅くなり森中ことり
-
富士写す君にフォーカス春夕焼森中ことり
-
虹描けば仕上がる課題蚊遣香背番号7
-
夏の俺どの写真でもピース背番号7
-
じくじくと犠飛の輪郭七月尽背番号7
-
光熱費下ろしてサドルまた熱し背番号7
-
夕凪ぎて振り向けば写真のパン屋背番号7
-
この発信全部病院赤とんぼ背番号7
-
山向こう夕焼が雲炙るとこ夏埜さゆり女
-
夏雲吐く被写体は龍神ならむ夏埜さゆり女
-
孕む子に血潮とくとく大夕焼一生のふさく
-
夕焼に呑まれて悔ひの無き刹那一生のふさく
-
被写体はあけつぴろげよ夕焼雲一生のふさく
-
焦点はどうぞ随意に大夕焼一生のふさく
-
青芝の薄墨色や夜の庭風蘭智子
-
夕まぐれ天瓜粉の香下駄の音直
-
夕日へと祭りの親子撥ねてゆく直
-
月を撮る乙女の白き脹脛直
-
癌見舞う玄界灘の大夕焼直
-
紫がビルに途切れて秋夕焼海羽美食
-
紫やバリ島色の秋夕焼海羽美食
-
紫に暮れゆく秋や奈良井宿海羽美食
-
軽バンの限定豆腐大夕焼け野山遊
-
短夜や療養院の格子窓青に桃々
-
ゆやけぼかぼかうみばうずのすみか青に桃々
-
大西日スタンド上段へキッス青に桃々
-
カメラマン影となりたる夕焼かな海峯企鵝
-
街灯の点き始めたり秋夕焼海峯企鵝
-
波雲に紫のある夕焼かな海峯企鵝
-
フイルムの巻き戻る音秋夕焼海峯企鵝
-
助手席に目を瞑りたる秋夕焼海峯企鵝
-
秋風に紫匂ふ家路かな海峯企鵝
-
横顔のやや翳りたる夕焼かな海峯企鵝
-
まっぷたつほらまっかうりまっかっか吉野川
-
マフラーは赤いが奴は偽ライダー吉野川
-
マフラーは赤くショッカーとズブズブ吉野川
-
大夕焼け秘密結社の帰りみち吉野川
-
暮れなずむ最北の町夏の果大橋あずき
-
ふるさとの錆びし軌条や大西日大橋あずき
-
夕焼や最終バスは午後六時大橋あずき
-
幸福という名の駅舎ゆやけ雲大橋あずき
-
シャッターの高速連写大夕焼大橋あずき
-
完売の野菜自販機ゆやけ雲大橋あずき
-
夕焼けて一眼レフの重さかな大橋あずき
-
何度でも生きかえるため夕焼ける蝦夷野ごうがしゃ
-
火の鳥よ変わらぬための夕焼けよ蝦夷野ごうがしゃ
-
ゆふやけにさざなみ潦の楕円巴里乃嬬
-
夕焼や日記にひとつお星さま巴里乃嬬
-
逆光のタップの子らや夕焼る巴里乃嬬
-
三線の音のとけゆく海夕焼巴里乃嬬
-
蒲の穂に水の音あはし茜雲巴里乃嬬
-
箸鷹や遠嶺にかかる夕の雲巴里乃嬬
-
夕焼や海へなだるる千枚田巴里乃嬬
-
アリゴテの女性作り手合歓の花巴里乃嬬
-
ゆふがほを月の光によぎる影巴里乃嬬
-
秋空へ高き鉄塔しゃがみ撮るかねつき走流
-
秋夕焼子の「さよなら」は「また明日」かねつき走流
-
写真部に付きまとわれて竈馬かねつき走流
-
昼間の遺留品のごと夕焼けはクラウド坂の上
-
大夕焼け吾子にピントの合わぬ色クラウド坂の上
-
夏の夜の猪木の卍固めかな陽光
-
ナイターやいよいよせまき父のひざ陽光
-
西日ささぬ理科準備室の一角陽光
-
闇になりきれない闇や冷奴陽光
-
大夕焼インド映画のエンディング陽光
-
西日受止めビル群のたじろがず陽光
-
留守番のカレーライスや暮の夏陽光
-
夕焼けの空の泣き面吾子のやう比良山
-
東西の二極化の火や大夕焼比良山
-
スマホ無き頃は指切り夕焼ける比良山
-
蝉しぐれ投票箱の中の陰はなあかり
-
空蝉の確とアスファルトの気泡はなあかり
-
昼寝覚かの日の海の青よりのはなあかり
-
眦を車窓の夕焼ながれをりはなあかり
-
暗室の赤い光や青葉風藤井天晴
-
そんなカメラで写真部?案山子笑む藤井天晴
-
白黒のネガフィルムをや夏の旅藤井天晴
-
硬くなる老猫あらう夏の果熊縫まゆベア
-
バイバイがいつもとちがう夏の果熊縫まゆベア
-
きゅうりの料理どのタッパーあけても熊縫まゆベア
-
大夕焼コンビナートの黒く燃ゆしみずこころ
-
夕焼雲愛しい人を撮る君をしみずこころ
-
壊れてく壊れてしまう秋夕焼しみずこころ
-
夜の秋線虫使ふ癌検査佐々木のはら
-
船酔ひの散骨果てて大夕焼佐々木のはら
-
写真家の友に習うや月のこと城ヶ崎文椛
-
秋澄むやカメラデビューは浜離宮城ヶ崎文椛
-
人だかりの駅の小窓に夕焼雲城ヶ崎文椛
-
夕焼けをたたむお父さんのカメラあすか風
-
息をのむ野は一面の蕎麦の花あすか風
-
秋暑し明日行く峰を仰ぎ見るあすか風
-
大西日今ごろ父はあの辺りあすか風
-
酷暑ですベリーショートでスッピンであすか風
-
好きだったカメラで父の大夕焼あすか風
-
悲しみの友と見つめるゆやけかなあすか風
-
ひとりぼち夕焼けに訊くこれからをあすか風
-
おひとりさま羨む友へ鱧の皮あすか風
-
熟れすぎたトマトへ百枚のバジルあすか風
-
腹みせた蝉をもいちど森へ遣るあすか風
-
立秋のシエラザードも灼けているあすか風
-
大空の消しゴム機能大夕焼おぐら徳
-
呼ぶ声に踵踏みつつ大夕焼渥美こぶこ
-
夕焼や箱型カメラのE・M渥美こぶこ
-
集合写真のそつぽ向くやつ旱畑高橋寅次
-
法師蝉つつみかくさず興信所高橋寅次
-
施設まで乗り換へ三つ秋夕焼高橋寅次
-
写真部の彼に誘われ大夕焼けツユマメ
-
焚き付けの煙も染まる大夕焼けツユマメ
-
大夕焼一眼レフの使ひ初め吉村吉々(ヨシムラ ヨシヨシ)
-
大西日ウクライナへと祈りをり吉村吉々(ヨシムラ ヨシヨシ)
-
大夕焼反物質と遭遇か吉村吉々(ヨシムラ ヨシヨシ)
-
蝉時雨シャッター音のけたたまし吉村吉々(ヨシムラ ヨシヨシ)
-
天井に貼られしキブラ守宮鳴く円堂実花
-
口笛にミントの匂ふ夕焼かな円堂実花
-
おんぼろのワゴン走らす蕎麦の花円堂実花
-
八月の葦は秘密を囁けり円堂実花
-
夕焼けや福石のしめ縄太し風早 杏
-
夕焼けや甘えた人があるいてく風早 杏
-
夕焼けの猫投げ釣りも店じまい風早 杏
-
ライバルの鋭きパスや風死せり風早 杏
-
夕焼けや潮風を夫と分かちて風早 杏
-
シャッターの指先染る秋夕焼花弘
-
稲妻のビシャリ小言の落ちて来る花弘
-
曼珠沙華魚眼レンズに游いでる花弘
-
身に入む山肌朱く黒く消え花弘
-
逝く秋の鎮まる水や上高地花弘
-
留め袖の裾遥かなる秋の山花弘
-
大夕焼スライスのごと連写する古賀 未樹
-
この街に君に優しく夕焼は谷山みつこ
-
夕焼美し明日来ることを信じれば谷山みつこ
-
逆光に団扇をかざす腕白し沙那夏
-
ピンヒールの沈む砂丘に大夕焼け沙那夏
-
朝虹やラジオ体操終わるまで沙那夏
-
蚊帳をつる祖母の踵が持ち上がる沙那夏
-
アマリリス万葉仮名で書いてみる沙那夏
-
向日葵や寝坊許さぬばあちゃん家沙那夏
-
コカ・コーラ強面下戸の暑気払沙那夏
-
判を押す相続放棄晩夏光沙那夏
-
長刀鉾揺れる軋むを繰り返し沙那夏
-
外出自粛奄美の塩に冷し酒沙那夏
-
ロールシャッハ検査のごとき雲の夏沙那夏
-
トラス橋の桁をはみ出る大夕焼沙那夏
-
ロブ上がるカルピス色の夏の雲沙那夏
-
足元まで凌霄の花忍び寄る沙那夏
-
犬小屋の屋根に放水酷暑かな沙那夏
-
秋隣薩摩切子の藍鈍し沙那夏
-
沢蟹が沢蟹を呼び子らを呼び沙那夏
-
今生の別れのごとき大西日沙那夏
-
庭先に今日は逃がしてやる蛍沙那夏
-
飛鳥寺へと足取り軽し青田風沙那夏
-
クレープのすててこ風を抱き込んで沙那夏
-
万祝の半纏待つや南風沙那夏
-
七夕やアクリル越しに会うあなた沙那夏
-
夕焼か眼底写真再検査⑦パパ
-
夕焼や地獄の釜の蓋開く⑦パパ
-
夕焼やキムチのチゲの辛いこと⑦パパ
-
猩猩や夕焼けの保護色となり⑦パパ
-
大層な冠位の深緋めくゆやけ⑦パパ
-
汗だくや激辛麺をスープまで⑦パパ
-
夕焼に新式便器染まりをり⑦パパ
-
魂のちりぢりばらばら大夕焼ピアニシモ