写真de俳句の結果発表

第23回「カメラと夕焼け」《並》⑩

第23回のお題「カメラと夕焼け」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第23回 写真de俳句】《並⑩》

  • 夏の蝶路面電車の軋む音
    レディ咲瑠恋
  • 空色のくすり二粒暮れる夏
    レディ咲瑠恋
  • 夏の夕都会の犬は爪先で
    レディ咲瑠恋
  • 待合の壁に染みあり秋の雨
    レディ咲瑠恋
  • 白萩や六十歳の恋心
    レディ咲瑠恋
  • 天高く背中が綺麗研ナオコ
    レディ咲瑠恋
  • 草の花知らず知らずのひとり言
    レディ咲瑠恋
  • 熱ありて君に逢いたし秋の暮
    レディ咲瑠恋
  • 屋上で人生リセット大夕焼
    みなし栗
  • 八方の尾根行く我に留まる蝶
    永華
  • 夕焼やファンタの好きなアンタ好き
    ミンコフスキー
  • デリートで昨日も今日も消す夕焼
    ミンコフスキー
  • ペリリューの夕焼ながめ痩せこける
    ミンコフスキー
  • ぽろぽろ零すドーナツ大夕焼
    ミンコフスキー
  • 終戦日一人も欠けぬ影送り
    まりも
  • 夕焼や解剖模型の陰暗し
    まりも
  • 銀漢や漂流者の名ドンガバチョ
    アツヒコ
  • 晩夏光定年の日の旅行券
    アツヒコ
  • 釣り人も三脚広ぐ大夕焼
    アツヒコ
  • 夕焼けや喪服に緋色散らしたる
    アツヒコ
  • 秋夕焼け明石の鯛を焼いてをり
    アツヒコ
  • 映画ロケ役者助くる大夕焼
    アツヒコ
  • 見え渡る朱鷺の大群還る空
    摂田屋 酵道
  • 黒雲の裏より滲む夕焼かな
    紫月歪丸
  • 芥場の猫待ちぼうけ薄暮かな
    紫月歪丸
  • 湯船にてぶしゅぶしゅと顔夏の宵
    紫月歪丸
  • 大夕焼雲を追ひたる一人旅
    兼吉
  • レインボーブリッジ潮風なごむ夕焼雲
    兼吉
  • 夕闇やいうれいと目のあはぬよに
    駒村タクト
  • 夕焼や白線は子の滑走路
    駒村タクト
  • 夕焼や線香尽きし畑の墓
    駒村タクト
  • 秋明菊レンズに影が後退り
    norinori
  • 夕焼けの首都高オービス反応
    田畑 整
  • 夕焼けや社屋完成記念式
    田畑 整
  • 収録の薄着の女優冬の海
    田畑 整
  • 夕焼けや渚の先の富士の山
    田畑 整
  • 夕焼けや鎌倉高校前駅にて
    田畑 整
  • 原発の貯まる処理水夕焼けぬ
    田畑 整
  • 夕焼けや鉄筋つなぐ溶接工
    田畑 整
  • 夕焼けやトンボ掛けする一年生
    田畑 整
  • 夕焼けのバクダッド父より受信
    田畑 整
  • 痩せ細る雄のライオン夕焼けぬ
    田畑 整
  • この場所のこの夕焼けこそあの言葉
    おさむし
  • 夕焼けやもうどれほどの待ちぼうけ
    おさむし
  • 秋夕焼けへ腕がぬうっと伸びそうな
    春海 凌
  • 大夕焼け一眼レフの重さズン
    はね花
  • 夕焼け雲トランペットの音染まる
    はね花
  • 一枚も残せぬ写真秋風鈴
    望月美和
  • 雲の畝やがて均されゆく夕焼
    望月美和
  • 写真家のカメラバッグの酢橘かな
    望月美和
  • 高速道出口ぽっつり秋灯
    望月美和
  • 夕焼けやシーキャンドルに陽は点り
    林としまる
  • 夕焼けや東の雲の牡丹色
    林としまる
  • 夏夕べ隣家の庭の熾火の香
    林としまる
  • 怪獣襲来川崎の工場夕焼
    林としまる
  • 夕焼やD判定の模擬試験
    いくたドロップ
  • 夕焼の神橋弾むハイヒール
    いくたドロップ
  • 玉ガイシ真珠のごとく夏の空
    米はぬる
  • 行き交うゴンドラ歌こだまし夕焼け
    米はぬる
  • 夕焼けや山は紫大いなる
    くっちゃネ
  • 魔王住む雲の殿堂夕焼ける
    くっちゃネ
  • 空は川流れるごとく夕焼ける
    くっちゃネ
  • 夕焼けや我が家で過ごす最後の日
    くっちゃネ
  • 夕焼けてカモシカ現わるる線路
    千暁
  • 山雀よルイボスティーを飲みたいか
    千暁
  • 夕焼けへ夕焼けへ霊柩車去る
    千暁
  • 通勤の垂れしこうべに夏夕日
    がいさんたかし
  • 蜩や一眼レフは子に譲り
    夏の舟
  • 夕星や花火打ち上げ五分前
    夏の舟
  • 場所明けや四股名褪せたる朱の浴衣
    夏の舟
  • 洗い立てのカーテン抜ける風は朱夏
    夏の舟
  • 帯は一本独鈷噺家の汗
    夏の舟
  • 堤防の熱と川風大花火
    夏の舟
  • SLのチャンスピンぼけ汗しとど
    夏の舟
  • 夕焼や子捕りの伸ばす手の赤さ
    山内彩月
  • 夏果つやあすは朝日になる夕日
    山内彩月
  • 逝く夏を漉してすくひてフラミンゴ
    山内彩月
  • 夕焼や屋根にシーサー目を剥きて
    山内彩月
  • 椅子を引く東経百三十五度夕焼
    山内彩月
  • 夕涼やチャオプラヤーの観光船
    小雪
  • 兵児帯の双子にひかれ星祭
    百七(モナ)
  • 秋の朝とろり金色目玉焼
    百七(モナ)
  • 秋の暮ひとのものほど欲しくなる
    百七(モナ)
  • 菊酒や長寿家系の三姉妹
    百七(モナ)
  • 秋夕焼父の医療費請求書
    ヒマラヤで平謝り
  • 秋夕焼ちいちゃな地図の文字が散る
    ヒマラヤで平謝り
  • 夕涼み姉ちゃん整形やめようよ
    ヒマラヤで平謝り
  • 秋の声約束通り母去りぬ
    ヒマラヤで平謝り
  • 十六夜靴紐結ぶふりをする
    ヒマラヤで平謝り
  • 手土産を選ぶ帰郷や桐一葉
    ヒマラヤで平謝り
  • 秋刀魚だけもしゃもしゃ食べるイラン人
    ヒマラヤで平謝り
  • 鬼来ると雨戸廻らす大西日
    ジョルジュ
  • 夕焼や補聴器外しエーゲ海
    ジョルジュ
  • 父の背に余光が走る終戦日
    ジョルジュ
  • 腹這いの激写が狙う蟻の穴
    ジョルジュ
  • 夕焼けて僕らはみんなウルトラマン
    ジョルジュ
  • 信仰のややこし炎天に神数多
    ジョルジュ
  • ファインダー逸らしまことに大夕焼
    頓狂
  • 約束は果たせぬままよ大夕焼
    頓狂
  • 夕焼雲あれこれ預け粥を炊く
    ふたば葵
  • 民に問う民のレンズや原爆忌
    ふたば葵
  • スレートに色絞り出す秋茜
    ふたば葵
  • 鶏頭の紅さ重さや寺の道
    ふたば葵
  • ほしいものなく困らせる大西日
    ふたば葵
  • 夕凪や側弯の子の背の湿り
    ふたば葵
  • 菓子缶のネガ匂い立つ端居かな
    ふたば葵
  • 夕焼雲ほら還暦のピアス穴
    ふたば葵
  • 傷ついた空にペタリと白い月
    虎八 花乙
  • モノクロの父を囲みて青ミカン
    虎八 花乙
  • 秋星や☆を書き込む世界地図
    虎八 花乙
  • 夕虹や隠れる子らのドクンドクン
    虎八 花乙
  • 百階のクレーン静かに星月夜
    虎八 花乙
  • 赤銅に灼けた両脚初得点
    光太郎
  • 炎天下ブルーハワイの昼休み
    光太郎
  • 夕焼雲コールド負けの五人組
    光太郎
  • クオッカも記憶の中に夕焼雲
    光太郎
  • 夕焼けに走るククレの背中かな
    光太郎
  • 練習を終えて整列夕焼雲
    光太郎
  • 純氷を両手に提げて夕焼道
    光太郎
  • 掃除機をかけてスッキリ西瓜食う
    みよこ
  • 夕焼けや担当医師は療養中
    みよこ
  • 墨の香の涼し墨擦る書道塾
    みよこ
  • 炎天下塗装業者の歯の白き
    みよこ
  • 片陰を予防接種に急ぎ足
    みよこ
  • 蝉少な外界は危険察知して
    みよこ
  • 晩夏なり遺品のカメラ眠る箱
    みよこ
  • 猛暑なりシルバー人材休みます
    みよこ
  • 夕焼けや報道カメラ橋の上
    みよこ
  • 用達の日延ばしになる酷暑なり
    みよこ
  • 秋夕焼記憶のさらに不得意に
    高山佳風
  • 大夕焼素粒子あまた感光す
    高山佳風
  • 空海の呪術のやうな大夕焼
    高山佳風
  • 大夕焼男体山に女体山
    高山佳風
  • 雨紅の詩ゆうやけこやけうたうたい
  • 夕焼ける病室母の小さき体
    光優
  • 夏の夕山にこだます連写音
    星瞳花
  • 夕闇の記憶辿れば夏淋し
    星瞳花
  • 午後7時360度の夕焼け空
    星瞳花
  • 夕焼けは一面の赤明日は晴れ
    星瞳花
  • 撮り鉄のそつとわけゐる夕花野
    十月小萩
  • 夕花野汽笛の長きラストラン
    十月小萩
  • 暗室に二人の写真吊る無月
    十月小萩
  • #つけて父てふ漁夫帰る
    十月小萩
  • 夕焼けや五時の動揺走る吾子
    奈波杏奈
  • 文化祭暮れゆく部室猛ダッシュ
    奈波杏奈
  • 夕焼けや砂上薄れる長き影
    奈波杏奈
  • 夕焼けや白帆は影に星ひとつ
    奈波杏奈
  • 夏茜シャッター響く浜辺かな
    奈波杏奈
  • 夕焼けや晴れたらいいな明日の旅
    奈波杏奈
  • カメラ持つ君夕焼けのエレメント
    西田武
  • 吾子笑う夕焼けも河馬も皆笑う
    西田武
  • 夕焼けの空堀の町坂の影
    西田武
  • 天の川焦げた日おまえんち綺麗
    龍酪
  • ずぐんっと拍動秋の夕焼けや
    龍酪
  • 虫の声なんとも朱くありました
    龍酪
  • 月を撮る子はなけれども五十肩
    龍酪
  • 梅干しの莚今年も染まりけり
    龍酪
  • 夢中な君は聴こえまい蚯蚓鳴く
    龍酪
  • ふつふつとレンズの中の白き月
    花はな
  • 秋入日トルコ料理屋地下一階
    さつき
  • また一人黒く溶けゆく秋夕焼
    さつき
  • 三味線の音色減衰秋夕焼
    さつき
  • 夕焼けやすべてをわすれ深呼吸
    智幸子
  • 山したたる頂見つめ深呼吸
    智幸子
  • 夕涼みのあとに独りごちるかな
    智幸子
  • みつまめの甘味堪能カメラもつ
    智幸子
  • ほおずきやおしょらいさんに手合はせる
    智幸子
  • 子の靴の泥は乾かず梅雨夕焼
    石川潤子
  • ヘルペスの痕まだ赤し夕焼かな
    石川潤子
  • 釣り船を真っ赤なゆやけ水平線
    なおこ
  • 夕焼けとチャイムの響きに急ぐ家
    なおこ
  • 母の待つ夕焼け空に急ぐ足
    なおこ
  • もつか釣瓶落しシャッターのリレー
    曽根朋朗
  • アルバムへ校歌かえうた小鳥来る
    曽根朋朗
  • レンズ分解す理科室秋入日
    曽根朋朗
  • AEDの地図起す秋夕焼
    曽根朋朗
  • 爽籟とシャッターの切れ言問はぬ
    曽根朋朗
  • 夕焼けや島につながる金の波
    茶葉三八
  • 夕焼けや今日一日のご褒美か
    茶葉三八
  • ハモニカの信号待ちや秋の暮
    瀬央ありさ
  • リーダーは網持つ子かな赤蜻蛉
    瀬央ありさ
  • 秋暮るる子歌う「はらぺこあおむし」
    瀬央ありさ
  • 夏休み夕陽に向かって出雲便
    久楽
  • 夕焼けにふと立ち止まる七十歳
    久楽
  • 田舎道外灯寂し朧月
    久楽
  • 夕焼けやシャッターチャンス三秒前
    そうわ
  • 一眼レフ一つ瞬き空炎ゆる
    そうわ
  • 夕焼けや迎え待つ子ら笑顔なり
    tomi 乃里
  • 天を清める花薄どれも赤
    閑子
  • 古稀迎へ伴侶迎へて虹二重
    あおい結月
  • 大夕焼抗うつ剤を放り捨て
    あおい結月
  • 工場のキリンは昏く大夕焼
    あおい結月
  • かなかなや最期の水は間に合わず
    あおい結月
  • 面接に郷里のなまり春夕焼
    水無月
  • 泣き声の漏れる面談秋夕焼
    水無月
  • 点滴のぽとぽとぽとり秋夕焼
    水無月
  • 遮断機の角度狭まる秋夕焼
    水無月
  • 採点の用紙にgood春夕焼
    水無月
  • 夕焼けや唇噛みてトンボがけ
    松鮎
  • 片言のオツカレサマと大夕焼
    松鮎
  • 写真のみ妻へ送信夕焼空
    松鮎
  • 大夕焼君の消え去る鉄路かな
    mayu
  • 被写体は夕焼バツクのきみの影
    mayu
  • 空襲の授業の夜や扇風機
    梅野めい
  • キッチンの出窓の蜘蛛とサザエさん
    松山のとまと
  • 定休日入り口ドアのアマリリス
    松山のとまと
  • 赤ばかり減るくれよんよ百日草
    松山のとまと
  • 初めての栽培玉葱のかたし
    松山のとまと
  • 四ヶ月ぶり母と面会夏の月
    松山のとまと
  • けんけんの得意三才雲の峰
    松山のとまと
  • 睡蓮の咲けばひかりのみづゆるる
    松山のとまと
  • 洗濯を干す風やさし夜の秋
    松山のとまと
  • 夕焼雲母を迎えに徒歩五分
    松山のとまと
  • 醬油瓶抱えて跳ねて春の泥
  • 夕焼けや残業前の抹茶ラテ
    しろぴー
  • 夕焼けや父兄我と継ぐカメラ
    しろぴー
  • 振り向かぬ君の背中や秋夕焼
    しろぴー
  • 夕焼けや隔離生活あと二日
    しろぴー
  • 梅雨夕焼おんぶ抱っこの年子かな
    しろぴー
  • 夕焼けや天に届かぬタワービル
    しろぴー
  • 露寒やゴミ出す人の小走りに
    ゆうじい
  • 巣に帰る鷺五羽ほどの暮の空
    ゆうじい
  • 父の手の皺油染み秋祭り
    ゆうじい
  • 向日葵やレンズに見えぬ街灯り
    ゆうじい
  • 詰襟の頬の皰や椋鳥の空
    ゆうじい
  • 順光の変貌眩し卒業生
    ゆうじい
  • 労作の写真談議や今年酒
    ゆうじい
  • 役終える渡船や今朝は霧に漕ぐ
    ゆうじい
  • 延命の管のジャングル西日さす
    くるすてぃーぬ
  • 赤銅の腕のにほひや大夕焼
    くるすてぃーぬ
  • 噴水をちろろんと呼ぶ夕日の子
    くるすてぃーぬ
  • サングラス指先白きピアニシモ
    くるすてぃーぬ
  • 大夕焼ビルの街飛ぶペンギンと
    くるすてぃーぬ
  • 朱殷の夕焼クレーンは林立す
    くるすてぃーぬ
  • 夕焼けやいつもと違うさようなら
    くるすてぃーぬ
  • 夕焼けを撮る横顔にファインダー
    草野ふうこ
  • 夕焼けのキャッチボールや父の肩
    草野ふうこ
  • 夕焼雲かおも覚えてないけれど
    草野ふうこ
  • 沈黙の待合室の胡蝶蘭
    草野ふうこ
  • 点々と黒き牛の背なつ野かな
    草野ふうこ
  • 桃の香やつるりとむけて月のごと
    草野ふうこ
  • 秋立ちて訃報あり葬儀はせずと
    草野ふうこ
  • 夕焼けや赤ちゃんポスト影ふたつ
    東ゆみの
  • 夕焼けや母の不在のケアプラン
    東ゆみの
  • 防災のチャイム帰宅や夕焼雲
    東ゆみの
  • 手には豆夕焼けの空へ逆上がり
    大輪 純白
  • 夕焼けや家路を聞きて沸かす風呂
    大輪 純白
  • 夕焼けや肉じゃがの香と子らの声
    大輪 純白
  • 居残りの吾子の欠伸や夕焼け雲
    大輪 純白
  • 夕焼けや「家路」が流れあげる腰
    大輪 純白
  • 明日もまた猛暑と告げる赤い空
    西 メグル
  • 濃き色に雲縁取りて夕焼かな
    西 メグル
  • 無花果の好きだった父写真の中
    富永三紀
  • 夕焼けや水面に映えて風走る
    にも
  • カーテンのぴたりと閉まる炎暑かな
    にも
  • マグで飲むぺパミントティ半夏生
    にも
  • ノッペラ坊雲ひとつなし夏の空
    にも
  • 早朝のかけるアイロン夏季講座
    にも
  • 身ぐるみはいで洗濯す極暑かな
    にも
  • どこからかくさめの聞こゆ夜の秋
    にも
  • デジカメのライオン一家夏の雲
    にも
  • 店先に主待つ犬風の色
    植木 彩由
  • 色褪せた犬の首輪に秋夕焼
    植木 彩由
  • 閉経の兆し夕焼け真っ赤っか
    植木 彩由
  • 赤蜻蛉止まつた靴の紐踏んだ
    植木 彩由
  • マーフィーの法則白靴に鼻血
    植木 彩由
  • エレキ置く若大将や大夕焼
    植木 彩由
  • タピオカの店なくなっちゃった雲の嶺
    植木 彩由
  • 日の暮るる速さの風に色の無く
    植木 彩由
  • オリビアのカセットテープ夜学の子
    植木 彩由
  • 夏茜まあるい愛を告白す
    植木 彩由
  • 夕焼けや君の背を見て漕ぐペダル
    あつこ
  • 夕焼けやゴジラと遊ぶ影二つ
    悠悠てん女
  • 陽が沈む日本海駆け抜ける夏
    悠悠てん女
  • 叢雲に連なる影の夕焼かな
    欅山四十八景
  • 街灯のふたつほどあり夏の暮
    欅山四十八景
  • 夏の空山のみ残し暮れにけり
    欅山四十八景
  • 緩緩と歩む人影油照
    欅山四十八景
  • お中元孫六人の写メ届く
    蕃茄
  • 庭に撒くプール残りの温い水
    蕃茄
  • 夕焼けのチャイム六時の庭に水
    蕃茄
  • 夕焼けや棒グラフめく摩天楼
    一寸雄町
  • 路線バス独り占めして夕焼雲
    一寸雄町
  • タンクローリーに夕焼のぢき吸ひ込まる
    一寸雄町
  • 干梅や真正面を大き落暉
    一寸雄町
  • 群雲の底は蘇比色ポーチュラカ
    一寸雄町
  • 夕焼が地球の傷を舐めていく
    一寸雄町
  • 冬茜静脈の血は青くない
    望月朔
  • 写真には偽りの顔夕紅葉
    望月朔
  • 赤勝てと声に出せない運動会
    望月朔
  • 大西日延長戦の外野席
    杜野みやこ
  • 大夕焼電線の無き未来都市
    杜野みやこ
  • 玉の汗ポケット多きカメラマン
    杜野みやこ
  • 夕焼や煩悩多きカメラマン
    秋津歩居
  • 夕焼や山の向うに故郷あり
    秋津歩居
  • 沖の舟追ふ人のあり秋夕焼
    秋津歩居
  • この恋も見切りどきかな秋夕焼
    秋津歩居
  • 夕焼や偶然待ちてシュート打つ
    秋津歩居
  • パノラマの禿山灼き尽くす夕焼け
    骨のほーの
  • データ化の写真も今日の夕焼けかな
    骨のほーの