写真de俳句の結果発表

第43回「花屋さん内のカフェ」《ハシ坊と学ぼう!②》

ハシ坊

花屋さん内のカフェ

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

季重なり

春麗ら生きる命に去る命

大福

夏井いつき先生より
「春」「麗ら」どちらも季語ですね。
“参った”

季重なり

四月馬鹿春祭りの復興漁師たち

遼君のハムスター

夏井いつき先生より
「四月馬鹿」「春祭り」どちらも季語ですね。
“ポイント”

季重なり

薔薇と百合スズラン買って菫パフェ

青猫

夏井いつき先生より
これだけ植物の季語が入ると、やはりお互いを殺してしまいます。
“ポイント”

季重なり

ソーダ水水泡の音色春の雨

オカメインコ

夏井いつき先生より
「ソーダ水」「春の雨」、それぞれ季語ですよ。
“参った”

季重なり

春泥の墓参り待つ抹茶の香

茅々

夏井いつき先生より
「春泥」「墓参り」どちらも季語です。
“参った”

季重なり

飛び回る虫も優しい花のカフェ

ヤスジン

夏井いつき先生より
「花のカフェでは、普段はうっとうしい虫も優しく感じます」と作者のコメント。

俳句で「花」とあれば、「桜」を意味する季語です。更に、「虫」は秋の代表的な季語です。
“ポイント”

季重なり

花屋よりカフェや目に入る春うらら

もっさん

夏井いつき先生より
「春」も「うらら」も季語ですよ。
“参った”

季重なり

水涼し冷やし珈琲飲みほして

常然

夏井いつき先生より
「涼し」と「冷やし珈琲=アイスコーヒー」、季語が重なりましたね。
“参った”

咲く花にカフェでひととき独り言

いっちょうかみ

花一杯カフェで一息昔日を

いっちょうかみ

夏井いつき先生より
「花」は、俳句では「桜」を意味する季語です。二句ともに、この「花」は桜ではないように感じましたが。
“参った”

春近し友と語らう憩いかな

のんびりくまたん

八重桜笑顔ほころぶ癒やし時間

のんびりくまたん

夏井いつき先生より
二句ともに書かないでもよい言葉があります。「憩いかな」「癒やし時間」は、残りの言葉から推測できる内容です。俳句は十七音しかないので、書かなくても想像できることは極力排除するのが定石です。俳句は、説明や感想ではなく、映像なのです。
“参った”

花の香をかき分け届く苺パフェ

つる

夏井いつき先生より
「花」は、俳句では「桜」を指す季語です。
“参った”

春光やソーダから見る君をこそ

はちの兄貴

夏井いつき先生より
季語「春光」は、基本的には、春らしい光景を意味します。「春のひかり」のことだと誤解するところから、そのような例句も生まれてきていて、この季語は過渡期にさしかかっているともいえます。「ソーダ」に、夏の季感があるのが、気になります。
“参った”

待つ間スマホ見せ合い花見かな

じゃくはい

夏井いつき先生より
「注文したお料理を待っている間、綺麗に撮れた桜の写真を見せあっていました」と作者のコメント。

「待つ間」が、何を待っているのか、この字面では分かり難い。注文したお料理を待っているということは、桜の下にいるのではなく、スマホに写った桜を見せ合っているのですね。……となると、「花見」という季語がちょっと弱いかなあ。
“参った”