写真de俳句の結果発表

第60回「双子のようなペンギン」《ハシ坊と学ぼう!①》

ハシ坊 NEW

第60回のお題「双子のようなペンギン」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

ハシボウと学ぼう

アドベンチャーワールドに、映画『シャイニング』の双子のようなペンギンがいました。

季語なし

ゆらゆらと双子ペンギン夢見顔

ゆうゆう

夏井いつき先生より
明確な季語が欲しいですね。
“参った”

季語なし

ペンギンの泳ぎは速し大水槽

芳野まさこ

夏井いつき先生より
「ペンギンの泳ぎでも『泳ぎ』は季語として認められるのでしょうか?」と作者のコメント。

この場合の「泳ぎ」を季語とするのは、難しいかと。ペンギンの生態として年中泳ぎますのでね。
“ポイント”

季語なし

仲良く泳ぐペンギンシンクロする

トリケイ

夏井いつき先生より
この「泳ぐ」を季語とするのは、ちょっと無理があります。ペンギンの習性として、一年中泳ぎますし。
“参った”

季語なし

ペンギンやいとこにはとこ群れ泳ぐ

北斗星

夏井いつき先生より
この「泳ぐ」を季語とするのは、ちょっと無理があります。ペンギンは年中泳いでますから。
“参った”

季語なし

水中の母呼ぶ雛のかぼそき声

鈴木 リク

夏井いつき先生より
「ペンギン」でしたら、そう書いたほうが良いでしょう。「母呼ぶ声」とすれば、「かぼそい」感じは想像できます。
“ポイント”

季語なし

双子?三つ子?ぺんぎん皆同じ

小林弥生

夏井いつき先生より
「ぺんぎん」は季語ではないので、明確な季語を入れてみましょう。
“良き”

季語なし

天空の水槽泳ぐペンギンや

犬山侘助

夏井いつき先生より
この「泳ぐ」を季語とするのは、ちょっと無理があります。ペンギンという生き物は、年中泳いでますから。
“参った”

季語なし

ペンギンからすれば人も皆同じ

勺子

夏井いつき先生より
お気持ちは分かります。明確な季語が欲しいですね。
“難しい”

季語なし

落とさるるファーストペンギンいざ狩場

オカメのキイ

夏井いつき先生より
「ペンギン」は季語ではないのですが、「狩」を季語にしようとしているのでしょうか? それは、ちょっと無理があるかな。
“ポイント”

季語なし

生臭きペンギン柵の側にゐて

すそのあや

夏井いつき先生より
「香川の四国水族館にペンギンがいました。間近で見られて、触れそうな距離でしたが、結構魚臭いし、ウンチもその辺にしてて、小汚ない感じでした。生きているのだから、写真とは違うなという気持ちを詠みました」と作者のコメント。

上五中七は良いです。映像がはっきりと見えます。下五、あと一工夫欲しいところです。明確な季語を入れないままでまとめるのか、はっきりと季語を入れるのか。まずは二択です。
“参った”

季語なし

二羽並ぶペンギン思う入園児

有川句楽

夏井いつき先生より
明確な季語がありません。不要な言葉を探してから、季語を選んでみましょう。
“参った”

季重なり

花火へと揃い浴衣の影の濃き

もんD

夏井いつき先生より
「花火」「浴衣」それぞれ季語です。
“難しい”

季重なり

氷山にペンギン群れて春の海

とら

夏井いつき先生より
「氷山」も季語ではありますが。
“ポイント”

季重なり

夕立に目をうるます夏の思いで

茉恋(まれん)

夏井いつき先生より
「夕立」「夏」共に季語です。
“参った”

季重なり

ブランコへ走り寄る子ら鰯雲

鈴聖湖

夏井いつき先生より
「ブランコ」も季語ではあります。
“ポイント”

季重なり

天辺にポンと白木蓮や秋

音羽ナイル

夏井いつき先生より
「脇侍のように二本の木蓮の木を植えました。手入れもしないのにすくすく育ち、何故か秋に二本同時にてっぺんに一輪ポンと咲きました。同じ高さの日光菩薩月光菩薩みたいで、不思議だった出来事です」と作者のコメント。

「白木蓮」が咲いている状況と「秋」、という取り合わせに違和感があります。
“ポイント”